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2018年06月01日

田舎の年寄 情報弱者と呼ばれる人達

兄弟が故郷に住んでいる。  田舎である。

人口は小生が子供の頃の1/3くらいだろうか。

バスは運航しているが、ほとんどの場合車での移動になる。


町に喫茶店があるらしい。


スタバのようなものではない、

たぶん古風なスタイルのモノなのだろう。



ここに毎朝、朝礼のように集まっては

ああだこうだと情報交換するグループがあるらしい。

もちろん、毎日全員が来られるわけではない。

受け取る年金額の都合がある。


この中でパソコンを使っている者もいるらしいが、

彼らが仕入れる情報源のほとんどは「テレビ」と「新聞」である。

雑誌も少しはあるかもしれない。


したがって、内容が

新聞・テレビにとりあげられるようなことであれば、

非常に偏った方面からだけの情報になり、

あのテレビではこう言っていた、新聞にはこう書いてあった、

と同じ情報源からの内容を各自の言葉に置き換えて発信しあう。



もっとローカルなことであれば、話は盛り上がり、

それが役所などの悪口ではなくて批判などになるとさらに盛り上がる。


そして、お互いスッキリ納得しあって朝礼終わり、

解散ということになるようだ。



アタマのカタクなったシジイどもが、

広角泡を飛ばして、しゃべくりあい、

ストレス発散をして帰途につく。

素晴らしい「老け防止サロン」「長生き健康サロン」になっている。

役所はこういうところに金を使うといい。

医療費が少なくなる。



時々、兄弟と電話で話をする。

このサロンの事も話題になるが、

電話の向こうもトシなので同じ話題が繰り返されることも多い。


2回までは黙って聞くことにしているが、

3回目には相槌の打ち方で、

きいたことあるよ」と教えることにしている。

4回目は、こちらも聞くのがツライので、

すぐ「聞いた」とさえぎることにしている。


すると、敵もさるもの、

最近は枕詞のように「○○の話はしたかな・・・」

と先に確認してくるようになった。

まだまだ進化している。



この年寄りたちが共有している情報は、

正しく、テレビ・新聞のものだ。

だから2回に1回は、それは違うという話をするようにしている。

反応は「へぇ〜、そうなんだ」という場合と

「しかし、新聞には・・・」との2パターンとなる。

だからと言ってそれ以上タタミコムことはしない。



故郷を離れて暮らす薄情者に、

故郷の年寄たちの「サロンの平和」を乱す権利はない。



たまに特筆もののエピソードも生まれるようだ。

地域の昔の話をしていた時、一人のジイサマがポツリと、


「700年前、ここらへんには、人は住んでいたのかな」


どこのジイサマか聞いていないけれど、

ギュッ !と抱きしめてあげたくなった。


そうですヨ。

700年前のことなどどうでもいいのです。

我故郷の地名が古事記に記されていることなど、

関係ないのです。


明日また元気にサロンに集まれれば、


それが一番なのです。








posted by smile at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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