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2016年04月23日

ボーイズ・ドント・クライ(1999年 アメリカ)

ボーイズ・ドント・クライ(1999年 アメリカ)

監督 キンバリー・ピアース
脚本 アンディ・ビーネン、キンバリー・ピアース


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レビュー(ネタバレあり)

1999年、キンバリー・ピアース監督(女性の監督です)の
作品「ボーイズ・ドンド・クライ」を鑑賞。

というのも、レンタルのどのコーナーにあるかわからなくて見つけられなかったの。
ずっと「ドラマ」「ヒューマン」あたりかと思って探してたら、
なんと「伝記」に。
そうか、これって実話をもとにしてたのか。知らなかった。

で、内容と言えば性同一性障害と、
ヒラリースワンクの演技が素晴らしいってことだけ知っていて見たもんだから、
こんなにもズドーンと重い作品だとは想像せず…。(1人で見るのをおすすめします)
人間と人間の間の感情の壁や、人間の非常な部分、
男女の性の違いをこれでもかと見せつけられて、鉛でも食べたように胃が重くなった。
「クイルズ」を見た時を思い出した。
いや、「クイルズ」は実はけっこう好きなんだけど。

主人公は実在のティーナ・ブランドン。性同一性障害を持つ女性。
なんとこの事件が起きたのは1993年。最近のことじゃないのさ…。
彼は(彼女は)周りに自分が女性だということを隠していたわけだけど、それがばれてしまい、
二人のならず者に乱暴されあげくの果てに殺されてしまう。

まあ、この「二人のならず者」以外はいたって自分の感情に正直で良い人たちなんだよな…
やさぐれてはいるけれど。ブランドンが身を置いた場所が、運が悪すぎたのか。

少し前に流行ったドラマ「the L word(Lの世界)」とは違う、
現実の世界が描かれているという感想でした
(Lの世界はオシャレでかわいいレズビアンしか出てこない…まあそれだから女性に人気があるんだけどさ)。
「sex and the city」や「the L word」に出てくるような、愉快で底抜けに明るいゲイ、
魅惑的で女性にも人気のあるビアン、やっぱりそんな人たちが社会的に認められつつあるのは、
NYやLAしかないの?同じ国でもここまで違いがあるなんて、そりゃー認めてくれる場所に移り住むのは当然だ。
でも実際、厳しい世界なのはゲイよりビアンだとは思うが(日本でも)。
日本では、ゲイやビアンを偏見の眼で見るか、
しくは「オシャレでカッコいい」の憧れの眼で見るかどちらかになってしまっているのが現状なのかなあ…
だからこうしてドラマが流行ったりするんだろうけど。

ゲイ、ビアン、バイ、トランスジェンダー、そうしたセクシャル・マイノリティの人たちが、
数の意味だけでの「マイノリティ」になる日はいつのことなんだろうか。
彼らが狭いコミュニティでしか生きられない状態
(と、そう思い込んでいる人たちと、そう追いつめている周りの人たち)が、
いつかゆっくりほどけていって、平らな性の世界が出来ますように。

肌の色の違いと同じくらい難しい壁は、ほかにもたくさんある。
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感想(2件)



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映画館で観た最新映画から、昔の名作まで 幅広くと見せかけて、かなり偏った映画オタクが、ゆるーく感想を書いているブログです。 単館系は、音楽モノの映画、美術モノの映画、歴史映画が好物。 好きな監督はタランティーノ、ウディアレン、園子温、スティーブン・ダルドリー、フランソワ・オゾン、イリャニトゥ、デル・トロなどなど。 雑食に映画を観て、雑多な映画感想を書いております。※感想は鑑賞した当時のものです。
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