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2018年12月02日

重大な訂正/山の恐怖#2

必ずお読みください!

前回「ヒラタケではないけどなんだかよくわからんきのこ」という感じで載せた写真があった。シモフリシメジに似ている・・・などと書いたが、これは重大な間違いである。なぜ重大かというと、あれ、なんだかわからないもクソもなく、ものすごく有名なきのこで、しかも「食ったら死ぬかもしれないきのこ」だからである。

きのこもそうだが、写真もまったくのど素人である私は、サイズ感など完全に無視して、記憶だけで「確かこれはあんとき撮ったきのこだな」などと思いながら掲載している。これは軽率であった。小さいきのこだとなかなかうまく写らないから、ドアップで撮影しようという意図が見える・・・

あのきのこ、強毒のニガクリタケである。ヤナギマツタケに似ているとも書いたが、実際見れば恐ろしく似ていない。「なんだかわからない」という理由で食った時点で、はっきり言って食った人間が悪いが、「このウソつきブログめ」といっておばけにどろどろ出てこられるのも迷惑極まりないので、これは訂正しておきたい。

傘色がシモフリシメジに似ていたのでついつい「シモフリシメジに似たなんだかわからんきのこ」と書いてしまったが、これはみんながよく知り、どこにでも出る強毒・ニガクリタケであると認識してください。

で、正真正銘の「シメジっぽい木に生える不明種きのこ」の写真を掲載しようとしたのだが、その写真がどっかいっちゃって見つからないので、夏の間に撮影して掲載するタイミングを失ったモエギアミアシイグチを、今回の話とは一切の脈絡を持たず突如掲載しようと思う。

もえぎ.JPG
↑たぶん私が入る山で最も多く発生するきのこ・モエギアミアシイグチ
↓「モエギ(萌黄)」の由来が柄の色に見られる。有毒とされるが毒なんかねえよと言ってバクバクくってピンピンしている人もいるという不思議なきのこと人
もえぎ1.JPG

まあいずれにしても、ヒトってぇのはこうやって毒きのこを食っちまうんだろうなぁということがおわかりいただけたのであれば、これはこれで収穫であった。転んでもタダでは起きない探求心は我ながら見上げたものである。ただ、写真の見間違いだからそんなのんきなことを言っていられるというのもまた事実。

万一ホンモノの毒きのこを食っちまったら転んだまま起き上がるどころか、のたうち回り七転八倒、八転九倒しなければならないだろう。ヘタをすればそのまま息絶えちゃうなんていうことだって当然考えられる。くわばらくわばら。

で、ここからも前回の内容を引きずって、大好評(←いやウソ)の「山の恐怖シリーズ」に話を振る。

(前回までのあらすじ)
雌鹿が死んでるー!→ぎゃああああ!鳥だあああああ!!!→ヒチコックとオーメンだーーー!!!→茶色の鳥でけえ!→あの鳥はフクロウかもしれないけどそれにしてもでけえな→ところでなんで鹿は死んだの?

という流れでお話したと思う。その最後の「なぜ鹿は死んだのか」というところに別の恐怖が潜んでるんですよ、という話で、この結論が今回。

鹿が死んでいたのは、延々と続く岩壁が終わる地点の崖下。おそらく転落死だろう。鳥が群がっていたので鹿の直接の死因はわからない。あの状況で鳥に混じって検死する気にはなれない。そんなことしたら絶対オーメンおばさんになってトラックにはねられて私が死んでいた。

鹿が転落する理由は何か。一番可能性が高いのは、何かに追われていて逃げ場がなくなり、イチかバチかでダイブを試み失敗したというケース。じゃあいったい何が鹿を追っていたのか。あの崖上に入る道を私は知っているが、あんなとこに入り込む人間はまずいないはず・・・やっぱり、ヒト以外の大型獣が鹿に迫った結果と考えるのだ妥当だろう。

つまり、クマ・イノシシ説が有力。しかしイノシシが鹿を襲うなんていう話は聞いたことがないから、確率的にはクマかなという気がする。

KIMG0146.JPG
↑クマ、イノシシなど大型獣捕獲用檻。直接的な恐怖ではないが、何かの間違いでこの中に入ってしまったら・・・と考えるととんでもねえ恐怖。自然の中の無機質な檻の不吉な存在感が際立つ。

クマやイノシシが出るということは、当然これを駆除する人々が何らかの動きをとる可能性が高い。たとえば猟銃。銃声を聞いてあわてて逃げ出して転落・・・の可能性も考えられる。クマやイノシシではなく、もしかしたら猟師に狙われた鹿だったかもしれない。ただこの場合、狙われたのは転落現場からかなり離れているはず。転落を確認できる場所で狙ったのであれば、鳥が群がる前に猟師が鹿を持ち去るはずだから。

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↑流れ弾に当たって死ぬ・大けがする事例は毎年数例ある、日本のどこかで必ず。山に入る人間にとって宿命的な脅威だ。

それと、鹿の目の構造がどうなっているかわからないが、「目の錯覚で誤って転落」の可能性もある。説明は難しいが、私も実はそういう種類の恐怖を感じたことがかつてあった。初めて入った山深い場所だと、遠近感や距離感といった潜在的な感覚に狂いが生じることがある。目前の木々と、崖を挟んで向こう岸の木々が「陸続き」に見えることもあるのだ。

崖を挟んで向こう側に行こうと思ってしまうレベルの錯覚なら、ヒトの場合普通にある。突然目の前に空間が現れてキモを冷やしたことはこれまでに何度かあった。

もしこのケースに相当するのであれば、鹿もきっとさぞかし怖かったと思う。でも実はこの種の危険は人間にとっても「山で起こる恐怖」なのだ。こえーよー!!!

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2018年11月29日

山の恐怖#1/サボリの間のヒラタケ

必ずお読みください!

もう何日だったか忘れてしまったが、ヒラタケ後半戦、例年よりだいぶ量が少ないものの、まずまず順調である。

きもちわるい.JPG
↑きもちわるい道に発生してたヒラタケ
↓同じ。でもこっちのはあまりにも巨大であまりにも真っ白で、ちょっと気持ち悪くて収穫は見送った。
きもちわるい1.JPG

きもちわるい2.JPG
↑もう出ねえだろうなーと思ってた気持ち悪い道メインのホダ木、今度こそ打ち止めっぽい
↓ヒラタケではない。色合いはシモフリシメジだけど、ヒラタケが生えてる木に生えてた不明種。前回「ヤナギマツタケに似てる」といったやつに似てる。傘色は違うけど。でもヤナギマツタケはこの時期には出ないはず・・・
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2本目.JPG
↑2本目のホダ。第2弾がやっと出たか。ちょっと小さいなーと思って、翌日まで待つことにした。これが土曜、翌日が日曜だったので誰か持ってくかなーとは思ったが・・・
↓翌日。ほとんど成長に変化はなかった。たぶんだいぶ冷え込んできた関係で成長が遅くなっているのではないか。
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↑こんな感じ。手前のちっこいのはちょっと前まで「シメジ」としてスーパーで売られていたサイズのヒラタケ
↓いつもこんな感じで収穫してます。これでだいたい2kgちょい。
2kg弱.JPG

ヒラタケの色は、芦毛馬が好きな私にとっては好きな色である。ただ、およそ華やかさには欠けるなぁと思う。ひゃっはー!!!状態のときにヒラタケ画像だらけのこのページを見ると、カームダウンの効果は高いかもしれない。でもヒラタケを生で見るのは危険。ヨロコビと食欲が増してひゃっはーも加速するだろう。

で、ここからは「気分をザワつかせたい人」におすすめのお話。山の恐怖である。今回も現実的な恐怖。

上画像のように、ヒラタケ後半戦にいそしんでいたときに、これは起こった。といっても、この前載せた一連の「腹立つできごと」よりもちょっと前に起こった恐怖。

ちょうど「腹立つ」のときに黄色い暴走バカ車に襲撃されたのと同じ、林道で最も大きなカーブで目の当たりにした。「腹」のときにも少し触れたが、そこに雌鹿の亡骸があった。いや、おそらく雌鹿なのだと思う。はっきりは見ていないが、かなり大きな茶色の動物の頭部が、大きなカーブにしつらえられたガードレールの向こうに覗いていた。

胴体は見えなかった。だから根拠に基づいてはっきりと雌鹿と断定したわけではない。でもあれが雌鹿でなかったら・・・じゃあなんなんだよという新たな疑問&恐怖が浮上するので、消去法で雌鹿ということにしなければならない。話がややこしくなっちゃうんでね。

ではなぜ雌鹿の胴体が見えなかったのか、そして雌鹿としても差し支えないのか・・・ここに今回紹介する「恐怖」の本質がある。ちょっと考えてみてほしい。みなさん、どうして雌鹿のような大型獣の胴体が見えなかったと思いますか?

恐怖ではあるけれど、ホラーではないので「雌鹿の頭部だけが落ちていた」というわけではない。胴体はほぼ間違いなくそこにあったのだ。でも、それが見えなかったのである。なぜか・・・そのとき、私は雌鹿の胴体とはまったく異質のものをしっかりと見ていたのだ。

まさに「恐怖」であった。そろそろ答えが見つかったと思うので種明かしすると、実は、とんでもねえ数の「鳥」が雌鹿の胴体があるはずの場所に群がり、もそもそもそもそもそもそもそもそ・・・とうごめいていたのだ。私は思い出していた。ガキのころ偶然テレビでみてトラウマになった、ヒチコックの「鳥」を。

私は「しーらない。なにもみーえない」と念じながらその脇をすり抜けようとしたが、カーブのRが小さい(曲率が大きい)くせに勾配も非常に急である。私がいくら知らぬ存ぜぬを貫こうとしても、車のエンジンが「はいはい鳥のみなさーん、車が通りますよー!!!」と大声で唸りやがったので、鳥の数羽が飛び立った。

釣られて10羽くらいのカラスとやたらデカイ茶色の鳥2羽くらいが舞い上がった。もう「鳥」と「オーメン2」というトラウマ2部作を同時に思い出さざるを得ない状況は避けられなかった。誰もいない山の中で・・・こんなのカオスのどん底である。意味わかんねえわもう。

あのデカイ茶色(鳥のほう)はなにか?何年も、毎日のように山に入っているが、見たことがない。ここらでみかける鳥の最大の種はカラスである。次いでオオタカと思われる種。一瞬オオタカかとも思ったが、オオタカにしてはデカすぎる。オオタカとはいうけれど、意外と小さい鳥である。まあタカだからね。ワシじゃないから。

トンビかなぁとも思ったが、このへんにトンビがいるなんていう話は聞いたことがない。とすると、可能性があるとすればフクロウだろうか?フクロウなら、季節によってはこのあたりでほうほうと鳴くことがある。でもフクロウってあんなにでけえのか?カラス2羽分はゆうにあったぞ。私の車を先導するように遊弋飛行していたが、鳥にしてはやたらとケツがでかく見えた。

ところで雌鹿はなぜあんなところで死んだのか――思ったよりも話が長くなりそうだ。
雌鹿と思われる大型獣の死についての考察および、そのことに関係するまた別の恐怖についても後日言及する。

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2018年11月26日

第12R〜不明種数種/山の恐怖#0

必ずお読みください!

ここ数カ月で発見した不明種きのこ。もう今回は予想すら不可能なので、知っている人がいたら教えてくださーい!とただただお願いするしかない回である。

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これは調べがついてほうほうなるほどへーなんて言ってた覚えがあるが、もう忘れてしまった。調べをつけるのがけっこうたいへんだったきのこなので、もう調べたくないという理由で掲載した。要は、知ってる人は教えてね、というところである。

ちなみに神社入り口鳥居付近にあった古そうな切り株から生えていたきのこ。確かこれ、食えるんじゃなかったかなー。食えるけどまずいですよ的なきのこだったように思う。発生時期は、こちらも不明種だった第2Rのきのこと同時期。

第2Rの不明種もどなたかぜひ教えてください!じゃあ次。

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色的時期的には有毒のオシロイシメジかなーと思ったが、オシロイ感が全然ないのがどうだろうか?白いきのこといえば真っ先に思い出すのがドクツルタケだが、そういう系統のきのこではない。柄の感じからシメジ系じゃないのかなぁ・・・という気がする。ぽつんとたった1本だけ生えていた。時期はついこないだ。

大規模な絶壁前のちょっとしたサバンナ的草地に生えていた。夏にはヤマブキがちょぼちょぼ生え、台風で豪快にぶち折られた山柿の木が近くに生えていた。ほんじゃあ次。

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やなぎ1.JPG

これは廃道に入る前の林道の小規模広葉樹林帯の、台風にひねり折られた広葉樹から生えていたきのこ。ヤナギマツタケってやつに似てるみたいだが、なんか違うんだよなー。ちなみにコレ系のきのこはヒラタケが映えるのと同じ木から、ヒラタケと一緒に生えていたりする。

でもヒラタケと一緒に生えてたやつは、もっとハタケシメジ、シモフリシメジ的雰囲気のきのこだった。木から生えるシメジなんて見たこともきいたこともないからシメジではないと思うんだけど、さっぱり想像がつきません。

つーことで、どなたかどれか1つでもご存知の方は、どうぞご忌憚なく教えてください。では、ここからはガラッと雰囲気を変えて「山の恐怖」について。

ヒラタケ大漁の回では、オオスズメバチとクマが怖いなんていう話をしたが、やっぱり現実的な怖さという意味ではこいつらが断然怖い。その怖さを今日目の当たりにした。オオスズメバチはもうさすがにまったく見ない。いや、クマだって実際に見たわけではないが、今日はクマの濃厚な気配を察知したので、ちょっとこれについてご報告。

実は私、野生獣の糞には割と詳しい。別にそういう趣味があるわけではないが、山に入れば必ずといっていいほど何らかの動物の糞を目にするのだ。ちなみにはっきり目にしたことがある野生獣は、数が多いと思われる順にカモシカ、タヌキ、シカ、リス、キツネ、イノシシの子である。イノシシの子は別の山で、そちらはちょっとした観光地になっているため、大勢の観光客と一緒に見つけた。

観光客たちはのんきにカワイイを連発していたが、ヘタをすれば一緒にいた数人全員が命を落とすことになったかもしれないほどの、たいへんな危険であった。はっきり言って、イノシシは怖い。クマなんて比じゃないほど怖い。私は山でイノシシに出くわしたらもうあきらめる。まさか人が入るエリアに真昼間からイノシシが出るわけがないと思ってはいたが、子供とはいえ、実際に見てしまったのだから参った。

まあこれは一昨年くらいの話なので、その後イノシシの事故があったなんていう話は聞かないから、親がどこかに連れて逃げたのだろう。で、問題はクマのほう。実は、今日廃道入り口すぐのところに、クマの糞らしきものを発見したのである。これとまったく同じ場所に、一昨日もかなり大型獣のものと思われる糞があった。

そのときはこれは何の糞だろうか判断がつかなかったが、今日はおそらくクマのじゃねえかなぁと感じた。クマの糞て、割と食ったもんがそっくり糞になるんだそうだ。今日目撃した糞はまさにそんな感じ。もう山では見なくなったが、このあたりに多い山柿の実のような色の糞と、いかにも糞らしい色のペースト状の糞があった。

クマの糞て、けっこうペースト状になることが多い。しかも何かの実と思われる糞も一緒にあったから、これはどうやらいよいよクマなんじゃないの?と危惧している。糞もかなり新しい感じだったので、けっこうなニアミスだったのかもしれない。

あとは、私はけっこうフユイチゴが好きで、大量に生えている中からちょこちょこフユイチゴをつまんで食っている。これも実は危険なのだ。この山にはキツネ(ホンドギツネ)がいるので、エキノコックス感染症の恐怖も意外と身近・・・こえー。

つーことで、また折を見つつ、あと2〜3回くらいは「山の恐怖」にも迫りたいと思う。こういう現実的な恐怖とはまた別角度の怖さも経験しているので、これについても書いておこうと思う。そのうちね。

2018年11月22日

腹立つできごといくつか

ほんとうは「山の恐怖」について書くつもりだった。そもそもこのブログをはじめたきっかけはそこにある。山にはあらゆる危険が潜んでいる。その多くはあとで考えてみて「恐怖」と感じられる種類の危険だ。

そんなことは山歩きを趣味とする人間なら誰だってわかっている・・・ということを、ついつい忘れてしまうのだ・・・ということを、自分自身に言い聞かせるために書き始めたようなところもけっこうな割合で、ある。

ただ、今日は想定もしていなかった種類の危険に遭遇し、それが恐怖に変わる前に「怒り」へと変わったので、そのウサ晴らしをしたい。と同時に、このところちょっと目に余るマナー違反がいくつかあったので、これについてもついでに告発し、ウサを晴らしたい。


@死の危険
時間が許す限り、できるだけ山に入るようにしている。もちろんきのこほかうまいもんを収穫したいという願いもあるのだが、腰に持病がある私はある程度腰に負荷をかけないと、次の日はひどい腰痛に悩まされるという、我ながらかなり面倒な体質である。

しかしここ最近多忙で、毎日入ることができないでいる。飛び石連休的なスケジュールで山に入っている。ここ2日ばかり山に入れなかったので、久しぶりな気がした。だから多少腰は痛かったが、意気揚々ではあった。

意気揚々でビートルズのドライブマイカーの口笛を吹きながら林道をドライブしていると、いつものように大きなカーブにさしかかった。「山の恐怖」というテーマでいつか書かなければならないとずっと考えていた、雌鹿の亡骸を発見した崖下の道だ。

目的地までごく短い林道ではあるが、最も危険な地点である。カーブを曲がり切ったとき、前からどぎつい黄色の車が猛スピードで走ってきた。こちらは急なのぼり。ということは、対向車は急な下りである。そんなところを猛スピードで降りてくるなんて、コイツ死にてえのか?と本気で思った。

ところが何を思ったか、その車はこちらに向かって突っ込んできたのである。私は一瞬の判断で「右」、つまり対向車線のほうに急ハンドルを切った。山岳道路ではそうしたイレギュラーなすれ違い方法も珍しくないから、そのクセがとっさに出たのだろう。

黄色の車は私がほんの0.5秒前までいたところに猛スピードのまま突っ込み、ガードレール(私の車線は左側が断崖である)に激しく接触して停止した。ガードレールがたわみ、黄色い車が真横に飛んだ映像がバックミラーに映し出された。

私は「・・・は?」という気分で車を降り、そのバカ黄色車のほうに歩いていった。車種はよくわからんが、オープンカーだった。ドライバーの安否が気になった。いや、別にこんな筋金入りのバカとしか思えないドライバーは死んでくれても一向にかまわないのだが、この山で死なれては困る。それにもし無事だったらひとクサレ怒鳴りつけてやりたい衝動をどうしても抑えることができなかったのだ。

だってそうでしょ?私、殺されそうになったんですよ。当然のことだと思う。幸か不幸か、そのドライバーは無事であった。車はかなり痛い目に遭っていた。運転席側に幾筋もの痛々しい傷が生々しかった。かわいそうに、罪もない車は。で、私が心底腹を立てたのは、ここからである。

近寄った私に対し、その大馬鹿ドライバーはどういう態度に出たと思いますか?「オイ!」と遠目から声をかけた私を振り返って一瞥を与えたドライバーは、再びエンジンの爆音とタイヤ音とこげくさい不快な残臭を残してまた同じような猛スピードで下り坂を見る見る走り去っていったのだ・・・もう本気でコノヤロー!!!!である。

あれだけ激しく車体をガードレールに接しているのだ。もしガソリンが漏れていたら一大事では済まない。その危険は十分すぎるほど考えられる自爆であった。なぜそう自分および周囲の人間を殺したがるのか。

ナンバーでも控えて警察に通報したほうが世のためでもあり、そいつのためでもあるかと思ったのだが、年甲斐もなく頭に血がのぼっていたため、そういう基本の対処を遂行できなかったのが悔やまれる。あのバカ、クスリでもやってるんじゃねえか?と、目的地まで考えながら慎重に車を走らせた。

おい、黄色いの。見てるか?おめえのことを言ってんだこのクソ野郎が!と、もしそいつがこれを読んでいたら呪怨のようにモニターから手を出してこっちに引きずり込んで・・・もうこのへんにしておく。

Aシモフリシメジはもうダメだぁ・・・
前回サクラシメジの画像を掲載したが、例年ごく少数のシモフリシメジ(サクラシメジにくらべれば断然うまいシメジ)が発生する。廃道っぱたに出る推定20本程度のシモフリシメジなので、エリア的にはさほど広くはない。

前回はたった1本だけの画像を掲載したが、ムラサキシメジはけっこう群生して発生する。実はそのごく狭いエリアに、推定30本程度のムラサキシメジが発生しており、そのうちの1本だけをカメラに収め、掲載した。

私は10本くらい採取し、来年また増えればいいなぁと思い、残りはそのままにしておいたのだ。これが間違いだった・・・その前くらいにヒラタケ幼菌が発生した画像を掲載したと思うが、私が山に入れなかった間、おそらく土日にそのヒラタケは誰かがすべて採取していったのだと思う。

ムラサキシメジの発生場所はそのヒラタケのすぐ近くなので、きっと同じ人間の所業なのではないかと思うのだが、そいつ、ムラサキシメジもすべて採取していったのだ。いやそれは別にかまわないのだが、ムラサキシメジもシモフリシメジ同様、枯れ葉の下に発生する「もぐらきのこ」である。

おそらくそれを知っていて、そいつは枯れ葉の厚い層をすべて掘り返して根こそぎムラサキシメジを持ち去っていた。採取というより、イノシシか何かが農作物を劫掠した痕跡のように私には映った。ごく狭いエリアではあるが、あれをすべて掘り起こすなんて、けっこうな労力ですよ。

しかしムラサキシメジやシモフリシメジが発生するために、おそらく菌類はもっと大きな労力を費やして、あの場所を選んで発生したのだと思うと、なんとも気の毒である。

これまで出なかったムラサキシメジが出るようになったということは、地下菌のバランスに何らかの変化を生じたことになるのだとは思う。しかし居心地の良い枯れ葉の層を根こそぎひっくり返されるとは、菌たちも想像だにしなかったと思う。さぞかし無念の思いだろう。

ただし私が心底腹を立てたのは、そこからである。そのムラサキシメジ・シモフリシメジエリアからちょっと先の平らなエリアに、ビールの缶と弁当を食い散らかした残滓が放置されていたのだ。きのこを持ち去り菌床を劫掠した人間と同一かどうかは知らないが、ほんとうにどういう神経をしているのかわからない。

ただでさえこのあたりはクマが出没している危険なエリアなのだ。嗅覚が鋭いクマがこれを嗅ぎつけたりしたら・・・そう思うと放置したままにはしておけなかった。今度は私がそこらへんに落ちている堅そうな木の枝でその場に浅い穴を掘り、残滓を完全に埋め、空き缶とゴミをきのこ採取用の袋に入れて持ち帰らねばならなかった・・・何やってんだろ、オレ・・・ほんとうにナサケナイ。

B大は埋めろよバカ!
山は人間の想像を超える力で、人間の想像を超える恩恵をもたらし、時に凶悪な牙を剥く。山に端を発する宗教心が芽生えるのはそういうところに理由の一端があることは容易に想像できる。私にも宗教心がある。信仰心というべきか。

しかし実は、こうして日々山に入るようになるまで、そんな気持ちは一切なかった。それは恥ずかしいことのような気もする。これまでなんとか教とかなんとか宗といった具体的な名前のある神様とか仏様を信仰したことはほぼないに等しい。親戚や知人の葬式や法事の際に手を合わせる行為は無意識のうちに信仰心が現れたものだ、なんて解説する識者もいるが、正直私の場合それは信仰心からではなく、単なる猿真似のようなものだ。

みんなが手を合わせるから私もそうしているだけである。みんなが死者を前に裸踊りをすることが慣例となっていたなら、きっと私だってそうしている・・・そんな程度なのだと私は思う。信仰心とか宗教心とか、そういうものとは明らかに異なる。合掌が信仰心の現れだと説いていたエライおじさんゴメンね。

山は神が宿る。ほんとに?と訊かれたなら、いやーわかんねえなぁと私は正直に答えなおすだろう。でも、神が宿っていなきゃあんなにきのこやら山菜やらの恩恵をもたらしてくれるはずはないとも思う。だからこそ、いるんだかいないんだかはっきりわからん「神」を便宜的につくり、これを崇め、感謝するのだ。ごく自然な発想である(と思う)。

恩恵をもたらすばかりではない。神の力は偉大で、不浄なるものを浄化するパワーも備えている。たとえば人間の体内から出た不浄なものも浄化してくれるのだ。しかもそれが木々草花の養分となるのだから世の中うまくできている。これも全部神様のおかげだ。

山に便所があればそれに越したことはないのだが、私が入る山の道程のほぼすべては廃道である。便所などない。あっても(たぶん)怖くて入れない。だから、たいへん申し訳ないが、恥を忍んで木陰ですることは私もある。小のほうは。実際この前ヒラタケ大漁の回にもそういうことを書いたと思う。

人間である以上、生理現象はどうしたって起こる。小ではなく大の対処をしなければならないこともある。私にその経験はない。でも人間だから、いつかそういうことが起こるかもしれない。そう思ったら今日からチリ神を持っていこう。

で、きっとそういう憂き目に遭った人間が、この山に入ったらしい。何度もいうが、生理現象である以上大だろうと小だろうと中だろうとそれは仕方がない。でもな・・・

山んなかでそのまま放置しておくんじゃねえよばかやろー!!!!

大だけならスルーする可能性が高いが、その周辺に使用済みの紙をたくさん残しておくバカが出現したのだ。もちろん紙なしの大だけでもダメですよそんなのは。

ヒラタケってけっこう白いじゃないですか。山に入るとね、どうしても「白いもの」に目が行っちゃうんですよ特にこの時期は。しかも一瞬ときめくわけですよ。白いぞ!と。その正体がわかっちゃったときのこのキモチのやりようがなさすぎるったらありゃしない。そんなとき、ただただナサケナイ気持ちを持てあますしかないのだ・・・


ということで、ちょっとは気が晴れた気がする。もちろんね、私がマナーを完ぺきに守っているかといわれれば、たぶんそんなことはないと思う。だいたい私が収穫しているきのこだって、誰か知らない人の土地のである。いうなれば泥棒行為だ(と思う)。だからエラそうなことは一言一句たりとも言えない立場ではある。

でも人間の最低限のマナーってのは、やっぱり「人の嫌がることをしない」ってとこにあるんだと私は思うんですよ。私がかすめとっているきのこだって、もし地主の方が「そうしないでほしい」という意志があるなら、私はもう一切ここできのことりはしない。

ちなみに別の場所に生える山菜のほうは、地主の了承を得ている。(田んぼなので)とってくれるならむしろありがたいとまで言ってもらっているが、きのこはまだである。地主含め、まず人と会わない場所なので了解を得るのは難しいかもしれない。

まあそれはともかく、小学生だってわかる基本の基本くらい、ちゃんとしようぜ大人なら、と思う。自戒も込めて。なんか今回は説教くさい話で申し訳ないです・・・

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↑昨日収穫したヒラタケ(木の裏側に発生)。この木から発生するのは4年ぶり。きのこって、けっこう毎年状況が変わる。
↓木の後ろに見事に隠れたヒラタケ。巨大。ちょうど子供が使うグローブくらいのサイズ。
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このあとちょっと仕事をして、これからまた山に行く。

2018年11月13日

第11R〜不気味で美しい(?)晩秋きのこ

必ずお読みください!

今日は雨模様。この調子では山に行けそうもないので、昨日の山の様子を書き留めておこうか。ほんとうは夕べ書こうと思っていたのだが、睡魔に勝てず力尽き、断念した。これまでも書こう書こうと思いながら睡魔やらなにやらに負け続けてきたので、今回はこのタイミングで絶対に書く。

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↑この秋6発目くらいとなる1本目の折れた木に発生したヒラタケ。ヒラタケうどんで食いました。
↓でもまだあらたなヒラタケが発生した・・・さすがにもうこれで終わりだろう
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1本のホダでだいたい2回くらいヒラタケは発生するが、条件次第では3回発生することもある。でも6回とか7回はちょっとありえない。ソノ木で6回も7回も発生してるじゃねえかよと思うかもしれないが、そこには実に巧妙なトリックが仕掛けられていたのだ!・・・なーんちゃって。

実はこの木、この前台風が来るまではなんのヘンテツもないただの木だったのだが、去年までは手が届かない木の枝の部分まで、著しく色が悪い柿のようにヒラタケが発生していたのである。それが台風によって粉々に・・・というほどでもないが、人間の骨にたとえるなら複合骨折と粉砕骨折がいっぺんに起こったような折れ方をしたため、供養の意味も込めて私が木の幹や枝を拾い集めてひとところにまとめておいたのだ。

その折れたほうの幹や枝から、昨年同様ヒラタケが発生したので、6回も7回も発生しているように感じられるのだ。実際1本の木だったころも、枝と幹の上部の発生が早くて、手が届く部分は遅かった。その順番が逆転しただけのことであり、発生回数が増えたということはほぼない。

いい加減ヒラタケ以外のきのこもそろそろ手に入れたいなーと思って山の景色を見ると、今年はここ数年より早く紅葉が進んでいるようである。ちなみにこのあたりの紅葉は美しくもなんともなく、ただただきったねえ色合いの枯れ葉である。

この時期になると、まだちょっと早いかなーと思いつつも、味ではヒラタケやブナハリタケを大きく上回るシモフリシメジへの期待が高まる。正直数には期待できないが、腐ってもシメジである。少しでも味わっておきたいではないか。特に今年はハタケシメジの収穫量が激減したから。

そんなことを思いながら、例年少量だけ顔を見せてくれるシモフリシメジの場所を探した。シモフリシメジは分厚い枯れ葉の層状の地べたに発生することが多く、歩いているだけではまず見つからないきのこ。ちゃんと枯れ葉を搔き分けて発見する必要があるのだ。

ということで、分厚い枯れ葉ゾーンの前でしゃがみこんで枯れ葉をどかそうとしたところ・・・きのこを見つけた。コイツだ。

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↑比較的大柄なきのこ
↓見た目のとおり、人工的な色合い。美しいが、これを食う思うとけっこう不気味な色合いかも
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私は実物を見たことがなかったので少し驚いたが、正体はすぐにわかった。実際数本食べてみて、味も確認している。もちろん体調に変化はない。ということで、予想。

◎ ムラサキシメジ
○ ウスムラサキシメジ
▲ ウラムラサキシメジ
△ ムラサキフウセンタケ
△ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ムラサキヤマドリ

前回ヒラタケの煮つけをつくったのがバレて、調味料のつかい方(特に酒の量)についてきつく叱られたばかりだったので、今回は専門家に煮つけてもらって食った。なんつうか、食感がワイルドなヒラタケにくらべると著しく上品。ヒラタケは、良い意味での生臭みが強いが、こちらは「いかにも」という感じのシメジの香りと強いとろみ。

ただ、土くさいというか、このへんもいかにもワイルドマッシュルームだなぁと感じさせた。土臭さがニガテな人はヒラタケのほうがいいし、ワイルドマッシュルーム特有の生臭みがニガテな人は、こっちのムラサキのほうが合うんじゃないかな。いや、なかなかおいしいですよこのきのこ。てことで、まず間違いなく「◎ムラサキシメジ」が正解だろう。

味の比較でいうなら、ヒラタケ≦タマゴタケ・ブナハリタケ≦ムラサキシメジ<<<ハタケシメジ<<シモフリシメジ(個人の感想です)という感じかな。まあヒラタケはうまいんだけど、正直少々食い飽きた。

ウスムラサキシメジは、毒、もしくは食毒不明、あるいは食不適など、いろいろな言われ方をするが、「食えます」と書かれている文献は皆無。見た目はムラサキシメジに酷似するから、ムラサキシメジの収穫には注意を要する。ではどう見分けるか・・・ウスムラサキシメジは切り口から刺激臭が漂う。くせえ!と思ったアナタが手にした紫色のきのこは、きっとウスムラサキシメジですよ。

ウラムラサキシメジは、外側はなんだかよくわからんきのこの体をなすが、ウラ、つまりヒダ部分だけは上の画像のようにムラサキなんだとか。こちらもかなりおいしいきのこだということで、見つけたら食ってみたい気がするものの、よーく考えてみるとムラサキシメジ以上に不気味な色合いのきのこでもある。

ムラサキフウセンタケは・・・これから勉強しまーす!

シモフリシメジは今後に期待。そしてホンシメジ・・・おそらくマツタケ以上にレアであり、高価でもあるはずだが、実は私、このホンシメジを目撃している可能性があるのだ。ただその当時は、まだきのこなんてほとんど興味もなく、どうせスーパーで売っているシメジと同程度の価値しかないものと思い込んでいたため、かなり大型のシメジ型きのこを足蹴にしていたことがあった。

今にして思えば、シモフリシメジとはサイズも色の感じも明らかに異なるし、やっぱりあれはホンシメジだったんじゃねえかなーという気がする。味の比較の想像では、シモフリシメジの右側に<<<<<<<ホンシメジという感じで位置するんだと思う。無知はコワイですね・・・

てことで、今年は「ホンシメジとったどーーー!!!」のご報告ができるよう、山歩きをします。

2018年11月11日

第10R〜カワイイけどこわ〜いきのこ

必ずお読みください!

ヒラタケのでかい収穫を終えるとしばらくなーんもなくなる。きのこの収穫って、年がら年中継続するわけではない。採れるときに首尾よく収穫できたらいいと思う。

ここ数日で見かけたきのこは数種類。ヒラタケのちょっとした群生や、おそらくブナハリタケと思われる白い影があった。ただしヒラタケはエライ高いとこだったりエライ谷底の大群衆だったりで、とても収穫したい気持ちにはならなかった。

ブナハリタケは、ブナの倒木が湿気の強いところでやたらと重く水分を含んで発生するというイメージ(1年だけそういう幸運に出くわしたことがある)だったが、今回はちょうど私の手の届くところに数枚のブナハリタケが発生し、手が届かないところから上に向かって発生した「生きたブナの大木」だったのが不運。へぇ〜、こんなブナハリタケもあるんだなーと思った。

ちなみにハリタケというのは、傘裏のヒダが針状にトゲトゲしているきのこのファミリー。トゲトゲしていても別に痛くはない。ほかにもマツタケ以上の高値がつくといわれるコウタケ(シシタケ)や、私が歩く山にクソほども出る食えないニセコウタケ(ケロウジ)などがたぶんハリタケの仲間。たぶんというのは、ちゃんと調べていないから。でもヒダはトゲトゲしていてハリタケファミリー特有のそれだ。

ブナハリタケはその代表格で、非常においしいきのこ。ヒラタケもおいしいが、ブナハリタケも負けてはいない。どちらも比較的簡単に手に入るおいしいきのこの代表格である。でもきのこって、やっぱり年がら年中採れるものではな・・・あ、年がら年中採れるきのこがあった。こいつだ。

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これ、ご存知ですよね?おそらく最も身近な「食える天然きのこ」だと思う。そう、キクラゲちゃんです。このタイプは「アラゲキクラゲ」と呼ばれる毛が生えたキクラゲで、かなり肉厚で食感もコリコリしている。

こっちのほうが好きという人も少なくないが、私はふつうのキクラゲのほうが好きかなー。例年はアラゲ(画像のタイプ)が多いのだが、今年は春、そして秋口からふつうタイプのキクラゲがたくさん発生したのでうれしかった。いろいろな料理につかえて無難な味わい。今年は「刺身」でもチャレンジしたが、けっこううまかったですね。

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↑ひところ毎日「ひと握り」のアラゲキクラゲ(ちょうど一食分)を発生させた私孝行の切り株

なんだよいくらも採れてねぇじゃねぇかよ・・・と思いますか?これ、画像にないのも含めるとひと鍋分採れてるんですよ実は。でもね、キクラゲが大量に発生してる画像は完全に放送禁止なので、健全なブログの性質上今回は割愛させていただきますよ。

キクラゲは、ネットなどで画像を見る分には、多少毒(フクロシトネタケ)や食毒不明(チャワンタケ系)など似た感じのきのこもあるが、実際に見て、触ってみればまったく別モノと判断できるはず。食えるのではノボリリュウタケ(チャワンタケの一族)なんかが同じ系統(得体の知れない系)のようにも感じられる。

で、今回のテーマはキクラゲではなく、パッと見とてもかわいらしい、こいつです。

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↑日射しが強いのでわかりづらいが、見た目は美しい黄色薄い緑といった色合いで、1円玉サイズの傘、細い柄が朽木に数本群生
↓ヒダを見ると特徴的な・・・
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野生きのこを食う習慣がある人なら、もう簡単ですね。クサウラベニタケやツキヨタケと並んで一番気をつけなければならない強毒きのこ群のひとつと予想する。

◎ ニガクリタケ
○ クリタケ
▲ ナラタケ
△ タモギタケ
△ ベニヒダタケ
△ ヒメアジロガサ

食ったらその苦さから判断しやすいが、おそらくニガクリタケで間違いない。こちらも毒きのこに分類されるクリタケ(しかしほとんどのきのこハンターは食う)や、可食のナラタケ(モドキ)の幼菌と似ている場合がある。

ニガクリタケは「苦いクリタケ」なのでこの名前がついたと思われる。クリタケと迷ったらその場でかじってみればすぐに判断できるといわれる(私はやったことがない)。ただし、いわゆる「きのこ鍋」にしていろんなきのこのダシに紛れてしまうと、これだけ小柄なきのこだと、苦みもわからなくなってしまう危険は大きい。

ニガクリタケは死亡例もあるくらい強い毒があるきのこなので、そういう怖さでいうなら「クサウラ<ツキヨ<ニガクリ」の順になるんじゃないかな。なお、食う以外の見分け方として、傘裏の色が有力。

ニガクリ2枚目の画像のように、なんだか薄汚れたえれぇきったねぇ色をしている。裏を見なければとてもかわいらしいきのこなんだけどね。

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↑2カ月ほど前に見つけたニガクリタケ(と思われるきのこ)の大群生。なんとなく茶色っぽいので、もしかしたらクリタケよりずっと似ているなんとかタケっつー可食きのこかもしれないが、ニガクリを知っている人ならこれを見て食欲は湧かんだろう・・・

タモギタケはヒラタケの一族で、高い抗がん作用があるとされる黄色の優良菌。ヒラタケほどの香りも迫力もないが、そこそこうまかった(私は栽培ものしか食ったことがないが・・・)。

ベニヒダタケは家の花壇なんかにもふつうに出る黄色いきのこ。これも食えるということだが、正直食欲は湧かないなぁ・・・

ヒメアジロガサはコレラタケ(ドクアジロガサ)のファミリーで、ニガクリタケ以上の猛毒きのこ。食ったらヤバイですよーこれは。タマゴテングタケやドクツルタケと同じように、食ったら肝臓がズタボロになりますね。ニガクリタケと同じくらいの大きさだが、色は全然違う。

まあ私みたいに食い意地が張っている人間は、食っても腹のタシにならなそうな小型きのこで誤食する可能性はむしろ小さいのかもしれないですなぁ・・・

2018年11月05日

パドック1〜野生きのこのとらえ方/ヒラタケ煮つけやべえ!

必ずお読みください!

ヒラタケ後半戦がスタートしている。キクラゲはほぼ通年だが、夏場のタマゴタケ、秋口のハタケシメジ(今年は台風の影響であまり採りに行けず)と割と大口きのこの時期も過ぎ、1年で最大のイベントであるヒラタケも、もうあとひと月もせず終わり。あとは、このへんではあまり数がとれないシモフリシメジ、冬きのこのエノキタケ、運が良ければブナハリタケが少し・・・今年もほんとうに残りわずかである。

例年多くは乾燥ヒラタケにして保存しているのだが、今年はできるだけ乾燥させないヒラタケを食うという目標を立てており、この目標を着々とこなしている。おそらくもう半月くらいは欠かさずヒラタケを食い続けている。そうはいっても、先日の5kgを乾燥し終わると、350缶よなよなエール18本入りの空き箱2箱分近くの乾燥ヒラタケができた。

ちなみに私は、大ザルで1日ほど粗干ししてヒラタケを半分ほどの大きさにし、そこから4〜5日みっちり天日で乾燥するようにしている。そうしないと、5kg以上のヒラタケがこの天日干し網の中に入りきらないのだ。

天日2日目.JPG
↑およそ半分になったヒラタケ天日干し2日目。見る見るちっこくなっていくが香りは徐々に増幅するフシギ。

これは前半戦のラストに掲載した満開ヒラタケの、食った分数枚を除きほぼ全部。はじめから他より水分が少なく大型・肉厚なため、完全に乾燥を終えてもこいつらだけでよなよなエールの空き箱がほぼ埋まってしまった。

近所の人(毎年家族がヒラタケを差し上げているらしい)がこれを見て、「そんなにあるなら農協にでも売れるんじゃないの?」と笑顔で言っていた。実は家族もそんなようなことを言っている。でも私は売るつもりはない。

あくまでも私は素人であって、あくまでも趣味としてきのこを楽しんでいる。というよりそもそもはじめからきのこ目的で山を歩いているわけではない。私は腰に爆弾を抱えており(ヘルニアです)、しょっちゅう医者にかかっていたことがかつてあった。

あるときかかりつけの医師に、「こんなにしょっちゅうお前の顔なんざ見たかねえな。お前んちの近くにせっかく山があんだから、少し山でものぼってテメエのコルセットを鍛えろ」と発破をかけられたのが山歩きのきっかけであった。つまり、山歩きはきのこ採りの手段ではなく、それ自体を目的としてスタートしたのだ。

確かに量的、質的には売れるヒラタケなのかもしれない。でも、売ってしまったら私は素人ではなくプロになってしまう。アホなことを言いながらこうして写真を掲載することなんてもうできなくなってしまうのだ。素人がきのこを売ることほど危険な話はない。材料を自分で調達してつくったダイナマイトを売り込むようなもんである。かなりのバカである自信はあるが、さすがにそこまでハイレベルのバカではない。

例年であれば、だいたい10カ月くらいかけて乾燥ヒラタケを家族みなで食う。今年は例年以上のハイペースで採りたてヒラタケを食い進めているのでそこまで持たないかもしれない。だいたい家族が「アンタのとってきたもんなんて気持ち悪くて食えない」なんて言ってるクセに、ヒラタケだけは食うし、けっこうな量を人に差し上げてしまう。

あげてもいいけど、だったら俺のとってきたきのこに文句をつけるなよと言いたい。言いたいけど言えない。だからここで言う。そしてそんな事情も知らない親戚からの乾燥ヒラタケの評判はすこぶる良好なのである・・・


で、後半戦のスタート。いつもならまだクソ暑い中真っ先に顔を見せるヒラタケ――台風が無残にへし折ったホダの――が、なんと今年はこんなヘンテコリンな時期にようやく顔を見せた。遅ればせながらもいいとこである。

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↑ここのヒラタケは毎年良型。今年も私の手のひらを楽に超える良型を出してくれた。しかし量は半減した。
↓折れ残ったほうのホダにもちゃんと発生している。今年は例年よりひと回り小さく、ヤケに白い。
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ちょっとびっくりしたが、今年も出てくれてうれしかった。いつも真っ先に顔を見せるヒラタケだけに、出ないでいるのはなんだかひどく寂しかったのだ。

ナイフ.JPG
↑良型ヒラタケときのこ専用ナイフ。大きいナイフだとホダを傷めるので、こういうサイズで切れ味鋭いナイフがベター。ベストはオペ用のメスなんだけどね、そんなもん持って山ん中をふらふらするわけにはいかない。

小ぶりの個体も多く、乾燥していたこともあっておそらく1sにも満たないだろうと判断し、こいつらはそのまま食うことにした。1週間もあれば食い切れるかな・・・とタカをくくっていたが、野生のヒラタケを甘くみるとえらいことになる。かなりの量の煮つけをつくったのだが、ぜんっぜん減らねよこいつら・・・

でも、煮つけは我ながら絶品である。これこそ売れるっつーの。そんくらいうまい。私はあまり食いもんの画像ってのが好きではないのだが、「焼き」と「煮」の画像をあえて掲載しよう。こういうことはもう金輪際ないだろうから、心して見よ。

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↑焼き。ほんとは七輪で炭火焼がベストだけど毎度毎度七輪引っ張り出すのもめんどう。トースターでも十分。それにしても、あんまりうまそうに見えない。だからやだったんだよなー。
↓煮。なんとかタケっつー茶色い毒きのこにそっくり。でも味はやべぇよこれ。自分でも驚いた。
煮.JPG

例年初夏のころ、ヤマブキを採ってきて「きゃらぶき」をつくるのが上半期の大きな楽しみ。セリの佃煮もうまいが、きゃらぶきは数倍うまい。ちなみにヤマブキは「山吹」ではなく「山蕗」ですね。きゃらぶきは、ヤマブキをしょうゆと酒で煮詰めるんです。

私は酒のみなので、甘いきゃらぶきよりも、3本食ったら病気になるくらいしょっぱいきゃらぶきが好き。1本あるとめし1膳食えるくらいの味付けを好む。ちょこっとかじって酒をちびりちびりやるのだ。ほぼきゃらぶきの要領でヒラタケ煮も初チャレンジした。ただしきのこなので、多少甘みもつけた。しょうゆと酒と砂糖を適当にぶち込んで、あとはひたすら煮た。

朝晩だけ、めしを食っている時間をつかって1時間ずつくらい煮詰めたのが上の毒きのこっぽい煮つけ。甘辛くて酒が進むしなんつってもヒラタケ自身が出すダシは秀逸。こういう味はやっぱり日本酒――最近はまっている「どぶろく」でちびちびやっている。

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タッパー2つにぎゅうぎゅうに詰め込むほどの煮つけができたので、こりゃあひと冬楽しめそう。なくなりそうならまた作ればいいや。

2018年10月29日

あとカンカン4〜きのこ界のサクラスターオー!?菊の季節にヒラタケ満開・・・

29日

先週水曜くらいから目をつけていた「一番奥のホダ木」に向かった。木、金はいつもどおりの廃道を徒歩で進み、ヒラタケの発生具合を「成長記」と同様に観察した。しかし車では無理――今年の台風の爪痕は未だ残っている。

そこで土曜は隣町から車で入るルートを選択し、険しい山岳道路をのろのろと走り、ホダ木のところまでたどり着けることを確認した。ホダ木の確認ではなく、道の確認だ。なぜそこまでして車にこだわるのか、いつもどおり徒歩で行きゃいいだろう・・・そう思うかもしれない。しかしそうもいかないのだ。

廃道のアスファルトが残るとはいえ、かなり険しい道を約3qの道程である。私の知る限りこの近隣で最も大きな花を咲かせるホダ木のヒラタケを収穫すると、だいたい7〜10kgくらいになるのだ。登山者をおちょくってんじゃねえのかと思えるアップダウンの廃道を運ぶには、正直私には険しすぎる重量と道のりである。

そんなわけで、一番奥のホダ木のヒラタケだけは、できるだけ近くまで車で行き、そこで収穫して車に積んで家まで帰ることにしている。しかし今回はいくつかの懸念があった。我が家の台所事情はけっこうこの時期のヒラタケに依存する部分が多く、今回のホダで収穫できないとなると、割と深刻なダメージを被る。

ただそれ以上に、今年は文字通りの「死活」となりうる問題が発生していた。これを心底懸念していたのだ。

懸念1 一番奥のホダ付近でここ数日オオスズメバチを毎日目撃していた
懸念2 付近でクマの目撃情報が複数あった

きのこや山菜の収穫の際に見舞われたくない2位、3位である。1位は地震。本格的な揺れに見舞われる可能性は極めて小さいエリアらしいが、万一そういう揺れに襲われたら、落下物(主に岩)があっという間に私をぺちゃんこにするだろう。大地震がくるくらいなら、まだオオスズメバチやクマと対峙するほうが幾分はマシ。

とはいえオオスズメバチとクマにもできることなら出会いたくはない。しかし今年はその危険性が過去最大級なのだ。そこで、どちらがマシかを考えた。結論はすぐに導かれた。クマのほうがマシであると判断した。

クマだったら1匹だけどうにかすればなんとななる。滑落の危険がある斜面でオオスズメバチから逃げ惑うことなどありえない。クマならば、急斜面が敵にも味方にもなりうるが、スズメバチは敵にしかなりえないのだ。

クマに勝てる確率はおそらく1%くらい。しかしいちおうクマ対策兼高所収穫目的の長い鎌(自家製)をいつも持ち歩いている。だから勝てる可能性は3%くらいはあるだろう。オオスズメバチはそう簡単ではない。こちらは素早い動きができない状況で、相手は自由に飛び回ることができる上、複数で攻撃を仕掛けてくる。さらに、性格的にもクマよりはるかに勇猛果敢である。おそらくオオスズメバチに勝てる確率は0.1%にも満たないだろう。

とするとだ。スズメバチと闘うならクマと闘ったほうが30倍以上安全であると導かれることになる。少なく見積もっても。だからスズメバチではなくクマとの闘いを選択したのだ。我ながら賢明な選択だったと思う。

この時期のオオスズメバチの行動は気温に左右されやすい。気温が20℃を下回れば彼ら特有の攻撃性もそこまで顕著ではなくなるとされる。今日の予想最高気温は25℃・・・気温が20℃を下回る早朝に出かけることにした。しかし早朝(9時くらいまで?)は、クマが活発に活動する時間帯と重なる。ちょっとしたジレンマである。だからこそ、「クマとの対決」を想定したのである。

ところが、そういう肝心なときには必ずといっていいほど私は寝坊をする。これまで寝坊が何度私を窮地に追いやったかわからない。だから、今回も寝坊した。おかげでクマの活動時間ではなくなったが、スズメバチが活動できるレベルには十分の気温だった。

結局のところ、地震に次いで恐れているオオスズメバチとの遭遇に戦々兢々しながら現地付近の車止めに到着。どうせ廃道である。オオスズメバチにくらべればそれほどでもないとはいえ、到着するまでの道だってなかなかスリリングである。廃道前の林道もそれなりに緊張し、もうすぐ11月になるっつーのに身体は軽く汗ばんでいた。

車を降りると緊張はますます高まる。50m先がホダ木に到達する急斜面である。滑落の危険があるから、例年かなり緊張する。今年はそれ以上の緊張感と、林道+廃道をドライブしてきた緊張が重なる――当然のごとく、尿意を催すことになる。

しょんべん.JPG
↑森を見下ろしながら・・・ふぅ・・・少し落ち着いた。もう少しすればこいつら全部紅葉する

アスファルトから斜面に一歩を踏み出すと、緊張のせいか、一歩目からズルズルと身体が滑り始める。経験はないものの、サーフィンをイメージしながら体勢をコントロールする。しかし意外と加速度が大きく尻もちをつく。それでも加速しながら斜面をすべりおちる。滑落の恐怖をこのときはじめて察知する。

幸いこのあたりは根が張っているアオキの木が群生しており、これにつかまることで本格的滑落は免れた。手の皮は多少すりむけたが、滑落ではなく滑落モドキで事なきを得た。ここから先はしばし、あれだけ恐れていたスズメバチの脅威ではなく、滑落予防に神経を注いだ。本末転倒というか、臨機応変の対応というか、バカとリコウの境目はなんとも微妙である。

ホダ木に到着した。見事にサクラ・・・いや、ヒラタケは満開であった。

満開.JPG

これだよ、これ!これがあるからいろいろな危険を知りながらも、毎年どうしてもここにやってくるのだ。スズメバチの活動が終わる時期と非常に微妙なタイミングではあったが、幸いにもこの日、スズメバチは1匹として目にすることはなかった。朝晩はかなり冷え込むようになったから、もしかしたらこのあたりのオオスズメバチはすべて死に絶えたのかもしれない。

画像でもおわかりのとおり、満開といっても実は八分咲程度である。例年1カ月後くらいに同程度のヒラタケが発生する。そういう意味も込め、いちおうここまでが「前半戦」である。

家に帰って重量を計測してみたところ、期待に反しおよそ5.2kg程度にとどまった。過去最も少ない重量だった。正直、きのこの重量はそれほど大きな意味を持たない。きのこの重量というのは直近の天候との兼ね合いが大きく絡むからだ。ここ数日は忘れものをとりにきたような秋晴れが続いていた。そのため水分が少なかったことが1つ。

そして、きのこの分布の問題が1つ・・・これはどういうことかというと、ここに掲載している画像が2次元であるということが関係しているのだが、これまで掲載したきのこは、すべて「表面」だけが見えており、「裏側」の状況は未知であった。しかし実は、ほぼすべてのホダ木に共通して、表裏とも同じくらいのきのこが発生していたのだ。

ところが例年最も多くのヒラタケが発生する上の画像のホダは、今年はなぜか裏側がまったくダメだったのだ・・・これもまた今年の重量が少ない原因の1つであった。そんなことはお構いなく、とにかく収穫した。虫もたくさんいたが、ほかのどのホダで収穫したヒラタケよりも肉厚で、香りも強烈だった。うれしいと思った。

最後に、これまで収穫したヒラタケ(食った分とあげた分を除く)と今年収穫したキクラゲの保存乾物を掲載して、ヒラタケ前半戦は終了とする。

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↑よなよなエールの箱(笑) これでおそらくヒラタケ10kg分くらいか。最後に収穫したヒラタケはまだ干し中。キクラゲは・・・どんくらいかわからない。でもこれだけでも買えば3〜5000円分くらいにはなるんじゃないかな。キクラゲって意外と高価。

あとカンカン3〜ブログをサボっていた間の経過

必ずお読みください!

24日
↓2本目のホダ木で収穫(推定4kgくらい?)まだ出る
24日2本目.JPG

25日
↓薄気味悪い道の新しいホダ(周辺数本のホダも含め4kg弱、3.7〜8くらいだった) たぶん打ち止め
25薄気味.JPG

25日ノウタケ.JPG
↑今年大発生した(オオ)ノウタケ(可食) 大してうまくない。今年は10個以上食ったかなぁ・・・

26日
↓1本目のホダ第3弾。上部の白い部分は私が専用ナイフで収穫した株の名残
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↑大発生はしないが、ヒラタケはこういうふうにどこにでもちょこちょこ発生する
↓1本目で収穫したヒラタケひと株
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↑裏側はこんな感じ。この株はいつも野菜をくれる近所の人に差し上げた(と家族が言っていた)

後日、今秋ヒラタケ前半戦終了の記事を掲載する。

2018年10月23日

あとカンカン2〜成長記おわり、収穫!

必ずお読みください!

昨日ようやく出会うことができた超猛毒タマゴテングタケ(と思しききのこ)は、残念ながら力尽きて横たわっていた・・・やっぱり例年よりも時期が2カ月くらい遅いことが影響したんだと思う。タマゴタケの一族なので、けっこう立派なきのこへと成長するはずだったのだが、残念ながらもう今年はおしまいである。

そういえばツボがかなり小さかったため、ツボの確認のためにきのこを動かしてしまったことも影響していると思う。うーん、これは残念。でもなんとか今年も1本だけだが会うことができたので、よしとする。

では、ヒラタケその他。

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↑幼菌発見5日目。見事な成菌。収穫!
↓別個体5日目。人間なら高校生くらいだが成菌。収穫!
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ほんとはあと1日くらい待てたんだろうけど、特に上の画像のヒラタケはまだ虫もついておらずほぼベストの状態だったために、収穫した。もうなんかブナシメジかよってくらい真っ白に成長していた。発見時の傘色は青みがかった黒だったが、成長するにつれ灰色になり、今日5日目にしてほぼ白のうすらグレー。このあたりで収穫できるヒラタケはどれも芦毛である。

下のほうは全体的にまだグレーが濃かったが、大きいものは白を追い抜く大きさで、私の手のひらを完全に覆うほどに成長していた。あれはもう1〜2日待てばもっとデカくなっている。しかし白の半分程度の大きさにしか成長していないものもあり、どうせならということでまとめて頂戴した。

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↑ヌメリスギタケモドキ成菌。収穫!

腐りかかった優良な広葉樹(なかなかない表現だが)のヌメリスギタケモドキも収穫した。あれ?昨日までヌメリスギタケって言ってなかった?と思った方、アンタは鋭いねぇ。そう!収穫してみてわかったのだが、ここに写ってるのはひと株を除いてすべてヌメリスギタケモドキのほうだったことが今日判明した。

ヒラタケのチビ菌と一緒にひと株、木の前面に出てた黄色いきのこがあったでしょ?あれがヌメリスギタケで、その真裏にあった比較的大きな株(収穫、完食済み)もヌメリスギタケだったため、どうせ全部ヌメリスギタケだろう・・・とタカをくくっていたのだ。

いや、収穫するのにけっこう立地的なリスクを負わなければならない株ばかりだったので、リスクを冒してまで観察はしないですよ(←言い訳)。まあリスクを冒して収穫はしたんだけどね。3〜4本のヌメリスギタケと10本前後のヌメリスギタケモドキを収穫しました。明日は古いヒラタケと一緒に味噌汁!

収穫したヒラタケのほうをいま一度ご覧いただこう。こんな感じです。

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↑非常に美しいヒラタケ。赤ちゃんのケツみたい。強烈なにおいがなければほおずりしたくなるほどスベスベ。

まあほんとはもうちょっと待っても良かったが、だいたい私の手のひら前後まで成長していたので、ありがたくいただいてきた。特に上の画像(木の裏側に発生)のほうは日当たりが悪いせいか、発育がそれほどよろしくなく、画像でおわかりのように相当な色白だった。

ちなみに画像の左下のほうにぬっと出ているグレーの物体は、ヒラタケの柄ではなく、私の腕である。ヒラタケの柄は私の細腕よりもひとまわり細い・・・というのは、まあ冗談である。

日当たりの良いグレーのほうはもっとワイルドな感じのヒラタケに育ち、ナイフで切ろうとした刹那、虫がワラワラと湧き出てきて「うげぇ!」となったが、ワイルドマッシュルームはそれが当たり前なので、虫は無視して収穫し、帰宅してすぐ虫出しした。

今日はタイミング悪く「休肝日」だったので、収穫したばかりのヒラタケはおあずけ。しかし明日朝、小ぶりのものをヒラタケ飯にし、大きいものは例によって「網焼き」にして、夜、ちびりちびりとやることを決意している(←ニヤニヤが止まらん・・・)

台風で折れ落ちた木の枝にはまだ小学〜中学生くらいのヒラタケが2株ほど発生しており、今日収穫したホダの根元のほうにもシャカシメジのような幼菌が数株発生しているので、明日、明後日〜2、3日後には収穫できるだろう。今日は正真正銘「3kg超え(たぶん)」のヒラタケを収穫することができました。うれしいんだなぁ、これが!

2本目の折れたホダ木にも明日行ってみるつもりだし、薄気味悪い道のほうの新規ホダ木にも行ってみるつもりである。たぶん収穫できると思うが、成長記はここで終了とする。これでしばらくはこっちのブログがやっとサボれる・・・
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