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2021年08月28日

鳴くかどうか#1

字牌1.jpg


今回は鳴きについて少し語ります。
特に鳴きの中でも出くわす機会の多い字牌、その中でも役牌についてです。

役牌とは自風牌(西家の西、北家の北など)、場風牌(東場の東、南場の南など)と三元牌(白・発・中)を指します。


まずは役牌がトイツのケース。

六萬七萬一筒一筒五筒六筒七索九索東西發發中 ドラ七萬手牌1

点棒がほとんど動いていない時にこんな手牌であれば、一筒が頭、六萬七萬で1ブロック、五筒六筒で1ブロック、七索九索で1ブロック、發トイツはポンかアンコにすれば1ブロック計算でメンツは足りることになります。

ここは発・ドラ1の安手であっても発をポンしてアガリを考えます。


次は役牌アンコのケース。
たとえば

裏裏裏裏裏裏裏 チー二萬三萬四萬 チー八索六索七索 ドラ三筒手牌2

こんな鳴きであれば、タンヤオ・ドラ2の鳴きか?とかタンヤオ・赤・ドラ2の満貫か?と思う人もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも実際は

七萬七萬七筒八筒中中中 チー二萬三萬四萬 チー八索六索七索 ドラ三筒手牌3

こんな役牌アンコの仕掛けだった、なんてこともあるでしょう。

鳴きでさらしている牌が中張牌(2〜8)であれば、この仕掛けが鳴きタンヤオだと思ってくれる相手にとっては、手牌3のように端(1と9)にかかった1−4、6−9待ちは盲点になります。

ここで一つやってはいけない鳴きの例を挙げますが、上のような役牌アンコで

八萬中中中 チー二萬三萬四萬 チー八索六索七索 チー六筒七筒八筒手牌4

鳴ける牌が出たからと3フーロ(鳴きのこと)してタンキ待ちにするのはやり過ぎです。
1つフーロするたびに、他家リーチに対する安全牌候補が消えていき、リーチに対して受けられなく(守れなく)なります。
急所を解消する鳴きならアガリに近づくので鳴きますが、何でも鳴けばいいわけでもありません。

ただし、流局まで三巡までなら、どんな危険牌をつかんでも役牌アンコ落としで三巡はしのげるのでそんな時に鳴くことは可能です。


他によく見かける役牌を使った鳴きに、役牌バック(後づけ)があります。
後づけというのは、まだ一飜が確定しない状態での鳴き仕掛けを指します。
本来であれば役牌からポンしたり、タンヤオで鳴いたりする所を、最終的な当たり牌で役を付けるから「後づけ」です。
一般的に「アガれる方」と呼ばれたりもします。
役牌バックは何かのトイツと役牌トイツのシャボ(シャンポン)待ちになって、役牌の方が出ればアガれる、特殊なケースです。
たとえば

二筒二筒白白 チー八筒六筒七筒 チー一索二索三索 チー三萬四萬伍萬 手牌5

これは二筒白のシャボ(シャンポン)待ちで白でしかアガれないバック(後づけ)です。

この鳴きはタンヤオや三色同順、一気通貫、チャンタや純チャンなどの手役を全部否定しているもので、自ら「役牌バックだよ」と言っているような仕掛けです。
あとはこの相手の役牌で場に切られていないものさえ押さえてしまえば、相手にツモられない限り相手のアガりの可能性を0にすることができます。

そもそも手役も見えずにノミ手(子1000点、役牌ノミのような安手)のような、こんな仕掛けをしないといけない時点で追い込まれている上に、出アガり(ロン)もまず望めないような鳴きもしないとならず、苦しい立場にいるのがはっきり見えているわけです。

ですので、個人的には手牌5のような役牌バック(後づけ)はおすすめしません。
ツキの上でツかない時も必ず来ますから、そんな時にどう動くかがいかに点棒を減らさないかにもつながってくるわけです。
ダメな時はアガリに向かわない。
時にはそんな良い意味でのあきらめも必要なんじゃないかというのが、自分のスタイルです。

他家リーチの当たり牌を引きやすい時と引きづらい時は確実に存在しますから。

一つだけ、役牌バックであってもこの鳴きならいいよ、というケースがあります。
たとえば

發發中中 ロン發 チー二筒三筒四筒 チー八萬六萬七萬 チー七索五索六索手牌6

この手牌6のテンパイであれば、手牌5のように二筒をツモってもアガれないなどということもなく、發中どちらをツモってもアガれる形なのでこんな鳴きならどんどんやってかまわないでしょう。



他には、役牌のドラがトイツのケース。
たとえば

四萬伍萬六萬七筒八筒二索三索四索五索六索北發發 手牌7 ドラ發

手牌6のイーシャンテンに他家からドラの発が切られたら、ポンするでしょうか?
自分の場合、この形からは100%ドラポンしません。

ポンしない理由は、唯一の頭がなくなるからです。
この形でポンすると後に六筒九筒一索四索七索を引いてテンパイすると頭のタンキ待ちになってしまいます。

いくら満貫が確定するポンといっても、待ちがタンキ待ちになるのは他家からリーチが入るとリーチと戦うには待ちが弱すぎます。
それならメンゼン(門前)でリーチして少しでもツモったり出アガリの可能性も上がる待ちにした方がアガリの確率も上がります。

それとは逆に、同じ役牌のドラがトイツの手でも、ドラポンしてもいい形だってあります。

四萬伍萬六萬七筒八筒二索二索二索五索六索北發發 ドラ發手牌8

この手に他家から發が切られてもポンして六筒七筒八筒九筒四索五索六索七索引きでテンパイになるイーシャンテンに取れ、六筒九筒四索七索引きなら
二索切りで頭になります。

最後に、役牌のドラがアンコのケース。
手牌3のように、役牌アンコであれば、鳴きタンヤオ風に中張牌(2〜8)だけをさらして1−4の1出アガリ(ロン)狙いや6−9の9出アガリ狙いができます。

役が役牌ドラアンコで(一+三)=四飜が確定されているため、どこからでも、どんな愚形からでもチーやポンで鳴いていける強みがあります。

たとえば

二筒三筒六筒六筒中中中 ロン一筒 チー七萬八萬九萬 チー二索一索三索 ドラ中手牌9


どこからでも鳴けてテンパイスピードも早くなった上に最初から満貫が確定しているので、役牌のドラアンコは非常に使い勝手の良いドラでもあるわけです。


今回のまとめ

・役牌のみや役牌・ドラ1くらいの安手が見えていても役牌トイツからはポンを考える(点差が大きければメンゼン)

・役牌アンコでさらしているメンツ(チーやポン)が中張牌なら鳴きタンヤオ風で1や9待ちは盲点(1−4の1、6−9の9など)

・フーロ(鳴き)し過ぎは安全牌候補が減って守りづらくなる

・流局まで三巡までなら役牌アンコ落としで安全

・役牌バック(後づけ)するしかない状況はあまり良くない状態なのでおすすめはしない

・役牌バック(後づけ)は相手にバレやすく待ちを押さえられやすく、アガリ目は薄い(ツモるだけ)

・役牌のドラが唯一の頭の時は鳴かない方がいい(頭がなくなる)

・役牌のドラが頭で他にアンコがあるなら鳴いていい(他アンコから一枚切れば頭になる)

・役牌のドラアンコであればどんな愚形からでも鳴けてテンパイスピードも早くて高い、便利な牌になる





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