借金生活２０００

仕事の無い正月も無事終わり、１月もあと１週間である。
今くらいから３月末までが土木作業員としては一番忙しい時期となる。
朝５時過ぎに行っても十分仕事はある。
仕事が忙しい時期は業者も人が欲しいので、遠い現場や変な現場に行かないよう、交渉するのをおすすめする。

新年おめでとうございます。
皆様はいかがお過ごしですか？
西成の正月はあまりいいものではありません。
現金の仕事が無い為、町にいつもの活気は無く、何やら物騒な不穏な空気さえ漂っている。
1月6日までは仕事などほぼないだろう。下手をするとえべっさんぐらいまで無いかもしれない。
金が無い者にとっては絶望的な状況であろう。
まあ、私も格別にいい正月ではない。
年末年始は宿が１日3000円などザラであるため、１日1500円のボロドヤで正月が明けるのを待っている。
特におせちなど食べる事も無く、カップうどん、惣菜などを食べいつも通り過ごしている。
しかも、エアコンは古くあまり暖かくならず、カビくさいので、いつも部屋では布団にくるまっている。
ほんまに、ただ退屈である。
クリスマスに古本屋で買ったセイントセイヤ15冊も何回も読み返したが、さすがに飽きてしまった。
ここは刑務所では無いのだ、別に本だけ読んで過ごして我慢することはない。
私は自由だ。という事で外へ出ることにした。
相変わらず正月感の無い西成を出て、新世界に行ってみたが、外人ばかりである。
そもそも新世界などあまり行かない私はそのまま堺筋を北に向かい、日本橋まで行く事にした。
特にすることなど無くフラフラしていたが、やっぱりなんばへ行こうと思ったらウインズあたりで道がわからなくなった。
ここらへんはいつ来ても迷う。こないだ行った古本屋がわからなくなってしまった。
フラフラしていると、パチンコ屋だらけのあの通りにさしかかった。
パチンコかあ・・・
最近ギャンブルなどほぼしていない。
競艇の賞金王を1000円だけ買ったが、別に当たる事などたいして期待もしてなかった。
正月だからパチンコでもしてみるか？
あまりにもヒマだったのでなんとなく入り、なんとなくジャグラーに座ったら2000円でビックを引いた。
その後連チャンし一気に2000枚ぐらいまで膨れあがった。
これは設定が高いのかもしれないなどと思ったのか、ヒマだったのかズルズル打ってると862Gもハマってしまった。
その後全て飲まれスゴスゴと帰ることにした。
せっかく2000枚もあったのだから、あそこでやめて寿司でも食えば良かったなどと思ったが、結局勝った金で旨い酒でも飲めたなら、絶対にまたパチンコ屋に行くことになるだろう。
そして、その何倍もの金を使うことになるのは絶対に絶対に間違いない。
まあ、そこらへんがわかっているなら、私もまだ大丈夫だろう。
負けて帰る。それが一番いいのである。
絶対に勝ってはダメである。
勝ってパチンコ屋に通うクセがついた瞬間、その人の破産は約束される。
まあ、そんな事を考えながら西成のボロドヤへ帰ってきた。
晩飯はファミチキとカレーパンとビールである。
今の私にはこれで十分だ。
金も26万3000円まで貯める事が出来た。
まあ、徐々にではあるが私にしては上出来である。
とりあえず、このまま100万まで貯めていきたいと思っている。今の私であれば問題なくできるであろう。
こんな私でも今日は行ってしまったが(笑)パチンコさえしなければ、それなりの生活を送っている。
もし、悲惨な正月を過ごしている人が読んでくれたならば、嘘だと思っても聞いてほしい。
パチンコ、競馬、競輪、競艇、キャバクラ、寿司三昧、まあいろいろあるとは思うけど。
パチンコだけ我慢すればいい。
と私は思っている。

これだけ暑い日が続くと大変である。
最近は土建の寮を出て西成に宿を借り、現金の仕事でなんとかやり過ごしている。
あんまり暑いので仕事も毎日は出ていない状況である。
飲み物代にも金がかかるし、冷房がしっかりとした宿を借りなければならないし、何かと金がかかるこの頃である。
金は増えはしないがいちおう5万円はキープしている、相変わらずパチンコには行っていないからそれなりに生活はできている。
お盆はほとんど仕事が無く、出費が多い今でもパチンコにさえ行かなければ、マイナスになる事はない。普通に生活できている。
この5万円を持ってバジリスク絆を打ちに行けば、あっという間にスッカラカンになり、このクソ暑い夏にあっという間にやられてしまうだろう。
もう私の中でパチンコで勝つ事など考えてもいない。パチンコ店に通えば破産する事などもうわかりきっている。
仕事で勝てばいいのだ、基本的な社会人のスタイルである。
という事で今日も私は仕事へと出る。
最近は繁忙期なので早起きする必要はない、6時前くらいでも十分声がかかる。
男)兄ちゃん現金行くか？
私)現場どんなとこですか？
男)簡単な土木や、今日も暑いからな、先に渡しとくな、お茶でも買うてや。
私)あっ、ありがとうございます。
500円先にくれたので、とりあえず行くことにした。簡単な土木？かどうかは知らないが、今日も炎天下の作業になりそうである。
現場は泉南で採石を撒いて高さを調整する仕事である。
ユンボが土を削っていって、測量器で測って杭を打っていくのだが、簡単な土木ではない。
私にとっては難しい土木である。
もう一人の西成から来た男もまだ若く、あまりわからないといった感じである。
とりあえず言われた事をやっていたら、ユンボの男がいきなりキレてきた。
ユンボ)おいおい違うだろ、高さ全部一緒ちゃうで、10mおきに高さ100づつ変えてかな
私)すいません
ユンボ)ちゃんとやれ!
勾配がついてるかどうかなど、仕上がりの全体像がわかってない私達にちゃんと説明しないとわかる訳もない。
まあ１日ずっとこの調子で我慢するしかないだろう。
クソ暑い中どやされながら作業すれのは苦痛である。
しかし、今日も本当に暑い。
ていうか、いつ休憩とるのだ？時計を見ると既に11時を回っている。
西成の男)あいつ、いつ休憩とんねん？冷房きいたユンボ座って
私)取るつもりないのと違います？
西成男)言うてきてや
私)ムリでしょ、言うてきてや
西成男)ああー、しゃあないな
このクソ暑い中休憩も取らないでやることにシビレを切らし、西成の男が言いに行ってくれた。
何かもめている。まあ、そうなるだろうとは思っていたが。
3分くらい何か話して西成の男は日陰へと座った。
たぶん休憩をくれたのだろう、私も行ってみることにした。
西成男)半日で帰るわ、あいつアホや。
私)帰るの？まあ何があったか知らんけど。
と雑談してたらまたユンボの男がキレてきた。
ユンボ)なんでおまえまで座ってんねん!おまえも熱中症か？！
私)休憩でしょ？
ユンボ)勝手に休憩すんな、ボケ！
私)熱中症っすね、金いらないから帰るわ
ユンボ)勝手な事言うな、そんな事許さへんぞ
私)熱中症やボケ。死んだらどうすんねん。
ユンボ)わかったもう休めや。飯にしろ、午後からちゃんとやれ！
あまりに非常識なことばかり言うので、私も帰ろうと思ったが、午後もおれと言われたので、とりあえずいることにした。
西成男)とりあえず休憩もらえたな。一緒に帰るか？
私)まあ、とりあえずやりますわ。金欲しいし。
西成男)あんなやつとあと半日しんどいやろ(笑)帰ろうや。
私)まあ居ますわ。
西成男)ほんまに、まあええわ。
現場にいる以上、言わなければいけない時はあるが、必要以上に熱くなっても損なだけである。
熱くなるのは金への思いだけで十分である。
午後からは私一人でユンボの男の手元である。
ユンボの男の機嫌の悪さはピークに達していて、仕事などまともに出来る状態ではない。
それでもクソ暑い中、なんとか17時までやりきった。
もうこんな現場二度と来ることはないだろう。
やっと解放されると思ったら、ユンボの男が話しかけてきた。
ユンボ)ガラ捨てに行かなあかんから。駅まで送れんわ。
そもそも送ってもらうつもりなどない。こっちからお断りである。
私)はいはい、わかりました。
男)タクシー代や、足りるやろ。
私)あー、いいんすか？
意外であったが仕事が終わったら1000円くれた。
午前中はすまなかったなという事だろうと私の中で勝手に解釈した。
せっかく1000円貰ったので駅の近くにあったローソンでビールとからあげくんを買った。
この時期仕事終わりのビールは果てしなくうまい。
わりと田舎の駅で人も来なかったせいか、一時間くらい物思いにふけっていた。
なんでこんな仕事してるんだろうかとか、金のことについてとか。
まあ、とりあえず今日一日金を貰って帰って良かったと、妙な納得をし帰ることにした。
ああ、明日も暑くなるのかな、勘弁してほしいのである。
熱くなっていいのはパチンコに行かないという決意と金への思いである。
フフフ、もっともっと熱くなれ。
もっと熱くなれ。

梅雨も明け暑い時期が今年もやってきた。
朝起きてセミの声を聞くだけで熱中症になって倒れそうになるのは私だけであろうか？
とにかく、この時期長袖で炎天下で作業するのは大変である。
毎朝今日はどんな作業をするんだと気が重たくなってしまう。
番頭)たー坊Nさんと枚方行ってくれ
私)えっ？今日梅田の現場ですよね？
番頭)欠員が出たんや、Nさんもう車で待ってるから、すぐに行ってくれ。
まだ飯の途中だしトイレも行ってないのに、しかもNさんとならきっと土木の現場であろう。
今日も暑くなるだろう、気が遠くなりそうである。
Nさん)おっ、出たなたー坊。早よ乗れや。
私)おはようございます。
Nさん)昨日来てたやつトンコしたわ。ブロック積みの手元や、疲れるで。たー坊も明日トンコやな。
私)いやいや、大丈夫です。
Nさん)ほんまかぁ？とりあえずコンビニ行くか、どこがいい？ローソンか？ファミマか？
私)どうせセブンイレブンしか行かないんですよね。
Nさん)わかってきたなたー坊。出発や。
とりあえずセブンイレブンへ行き、トイレをして一服できた。Nさんとの作業はきつい仕事が多いが、話しは面白いし仕事前に必ずコンビニに寄ってくれるから助かるのである。
Nさんは朝から唐揚げをガブガブ食べている。体力あるよなぁと感心してしまう。
現場に着くとパレットに積まれたコンクリートブロックが並んでいた。今日はひたすらモルタルを練り、ブロックをひたすら運ぶのであろう。
作業が始まると一輪車でブロックを運んでいたが、途中狭いところがあって、結局両手で一つずつブロックを運ぶことになった。
しかし、重たいし暑い。今日１日中これをやるというのか？
Nさん)たー坊バテてきたな(笑)まあ暑いからみんなそうなるけどな。とりあえず、昼までずっとモルタル練っとけ。
私)はい。ありがとうございます。
モルタルはミキサーに入れてスイッチを押すだけなので助かるのである。
なんとか昼まで乗りきったが、体力の7割は使ったであろう。
食欲もわかず飲み物ばっかりガブガブ飲んでいた。
本当に夏の現場はしんどい、別に仕事などいくらでもある。今は4万円くらい持っているので、正直いつ辞めたっていいのである。
しかし、今はもう少し頑張ってみようとなどと思っていた。
少しずつお金が貯まっているのが、何よりの原動力である。
嫌になったらすぐ辞める。そんな私でも毎日少しずつ積み上げがあれば、なんとか頑張れるのである。
相変わらず体力や仕事での積み上げは無いが、少しずつではあるが金は間違いなく貯まっている。
それが何よりの原動力である。
そういう何かを持っているか持っていないかである。
体力の無い私でもそういう気持ちひとつでなんとか頑張れる。
クソ暑い中なんとか頑張り、やっと今日の仕事も終わった。
Nさん)意外と動いてくれたなたー坊。今日どうやった
私)いやぁ、もうフラフラですね。やばいです。
Nさん)暑いからな。しゃあないな。トンコしたらあかんで。
私)大丈夫です。
仕事を終えた充実感に浸り、寮に帰ってシャワーを浴び、冷えたビールを飲む。
夏のビールはやはりとんでもなくうまい。
明日はどこの現場なんだろうという不安もあるが、今はこの晩酌を楽しむことにした。
当然今日もパチンコなど行く気はない。
だからこそ頑張れるのである。

一度パチンコから遠ざかってみてはどうだろうか？
別にやめろと言ってる訳ではない。
どうせやめれないのだから。
パチンコ屋に通いつめてる人達は、なぜ自分が破産寸前または破産状態の生活をしなければいけないのか、わかっているはずである。
一度パチンコから遠ざかってみて、１ヶ月間自分の働いた金でやりくりしてみればよくわかる。
なんらかの事情でもあれば別だが、普通に生活していればそう簡単に破産状態へはおちいらない。
ただ、パチンコが生活の一部となってる人にとっては退屈でしょうがないであろう。休日の過ごし方さえわからないのかもしれない。
他の趣味を探せといっても、パチンコ程時間を忘れて没頭できる物など探す方が難しい。
ある程度の金を持っていて、時間をもて余していれば、考える事はパチンコの事だろう。
考えるだけではない、考えだしたらもうすでにパチンコ店へと足は向かっている。
休日の午前中など一番危険であろう。
パチンコ店へと一度入ってしまえば、いくらまで使おうかという計画など、状況次第ですっかり忘れてしまっているだろう。
気が付けば残り一万円を切ってる事などザラである。
何回も何回も金をパチンコ店に持っていかれ、悲惨な生活を送ろうとも数万円手にすれば、そんな事すっかり忘れ、パチンコに行く事を考えるだろう。
なぜ、そんな悲惨な生活をした事もすっかり忘れ、またパチンコ店に行くのか？
取り返すつもりなのか？あなた一体今までいくら負けてきたのか？
100万円か？1000万円か？
普通に考えれば取り返せる訳がない。
とりあえずパチンコ店に行き、いくらか勝てば大満足なのであろう。
自分の好きな台で勝てばそれはもう最高の気分である。
してやったりである。
手にした金で酒でも飲み、今日の最高の展開、あの強演出でボーナス引いて、またART中にプレミア級の強演出引いてなど回想に浸れば最高であろう。
最高の最高である。
歯食いしばって背中がゾクゾクする。
でもその金結局無くなるのである。
金が無くなり当たる気配も無い通常画面を数秒見つめて席を立つことになる。
不思議な事にパチンコ台に依存してしまうと、爆発、爆連のイメージばかり持ってしまう。
あのクソつまらない、全く当たる気配の無い通常時の事などすっかり忘れてしまっている。
もう完全な依存症なだけである。
この世の中他に楽しい事などいくらでもあるだろうに。
一度パチンコから遠ざかって、なぜこんな大金を使うアホな事を繰り返してるのか考えなければいけない。
まあ結局ある程度金を貯めても、いずれパチンコにガッサリと持っていかれる事であろう。
パチンコは楽しい物なのか？危険な物ではないのか？
店に入って打った瞬間全て忘れるぞ。
もう全く金が無い。親に世話にならなければいけない。無茶な貸金業者に借りなければいけない。ホームレスで絶望な生活をしなければいけない。
もうやめよう。もう絶対にやめよう。
いくら考えに考え抜いても、店に入って打った瞬間全て忘れるぞ。
遠ざかれパチンコ屋から。
危険なんだよ。楽しい場所なんかではないだろ。
全て失って初めて危険な場所であると気付く。
そして、そんな事何も無かったかのように全て忘れる。
気軽にパチンコ店に入るのは自由だが、店に入って打った瞬間全て忘れるぞ。

誰もが一度は経験したであろう？かどうかはわからないが、金の無い状態に追い込まれると本当に大変である。
まだ住むところがあり、キャッシングなどが出来る状態の人はまだなんとかなるだろう。
しかし、ギャンブルをしている以上はいつかはたどり着く家無し、残金100円以下の状態。
そんな状態になったら土建会社へ行く以外、自分の力で生活を立て直すのはかなり難しいと思われる。いや、ムリではなかろうか。
自分の親に助けてもらうか、無茶な貸金業者に頼むしかないだろう。
それが出来ないなら、ホームレスである。
１日中落ち着ける居場所など自分の家以外ある訳が無い。
いろんな人に文句を言われ、なんとか邪魔にならないような場所を探しても、安心して夜など眠れるはずもないだろう。雨など降れば悲惨の一言である。
私も数日経験があるが、ダイハツの期間工の3倍は大変であろう。
そんな状態におちいると、1000円札のありがたみが本当によくわかる。
空っ空の状態までたどり着かなければ、1000円で何ができるんだよと思ってしまうだろう。
しかし、何も出来ない状態、何も買えない状態になると、たかが1000円などと思わないだろう。助かったの一言である。
パチンコ店でドハマりにハマり、持ってた10万円を使いきりそうな男にとっては、残り数千円など紙くず当然であろう。
空っ空の状態になって初めて、あの金残しとけば良かったと後悔に後悔するであろう。
ギャンブルでヤケクソになった男に何を言ってもムダである。なんとか一撃取り返す、それ以外に選択肢が無いのもよくわかる。
本当は残り5万円でやめればよかった。
いや、しかし、5万円あれば勝負するだろう。
最低1万円残してやめればよかった。
などいろいろな事を考えるかもしれないが、結局ブレーキのぶっ壊れた男など当たるまで打つ。
当たりを引く前に残金残して撤退など考えてもいないだろう。
やはりいつかは破産状態にたどり着くだろう。
そして、何も出来ず、何も買えない空っ空の状態になったなら、思う存分味わってほしい金の大切さを。
しかし、生活が元に戻り一定の期間が経つと人間忘れてしまう。
また破産状態におちいるのかもしれない。
次にまた、残りの金では破産すると感じた時、それ以上ギャンブルで勝負してはいけない。
すぐに思い出してほしい、あの空っ空の状態を、何も出来ないし、何も買えない。
突っ込めばもしかしたら取り返せるのかもしれない。
ただ金が無くなれば待ってるのは超現実である。
町中に放り出されて、何も出来ない、何も買えない、居場所などもちろん無い。
金が無くて町中を徘徊すれば、周りの人全て敵である。
人の目を気にして、激しいストレスを溜め込み過酷な生活をしなければいけない。
残りの金では破産すると少しでもよぎったなら、そこで勝負は終わりである。
働く以外にありえない。
こんな金残して、また明日からタダ働きかよとバカバカしく、やる気さえも起きないのかもしれない。
ただ、あなたまだ踏みとどまっています。
あの空っ空になった状態を絶対に忘れてはいけない。

何が変われば徐々に金が貯まっていくのか？
ギャンブルをしなければいいだけである。
私に言わせればパチンコをしなければいいとさえ言いたい。
競馬、競輪、競艇ももちろん金を無くす要因ではあるが、パチンコ程毎日通いつめ全てを使いきり、破産状態に追い込まれる程ではないと、勝手に私は思っている。
パチンコ店は全国どこにでもある気軽に入れる賭博場である。
パチンコ店で激しく勝ったり、激しく負けた時から常にパチンコの事が頭から離れなくなってしまうだろう。
メーカーが考えに考え抜いた効果音、演出、音楽を搭載した、最強の賭博遊戯台を体感してしまった以上、それに勝る遊びなど存在しなくなってしまう。
時間があればパチンコ店へと行ってしまい、破産状態、又はその一歩手前になり、やっとパチンコと決別の道を考えだすだろう。
１ヶ月自分の給料で遊べる範囲内なら最高の遊びであるが、そんなレベルではない、今のパチンコなど即破産レベルである。
私もやっとパチンコと決別する事が出来るのかもしれない。
先週、私はいつものようにパチンコ店へと行った。その日は調子が良く、打つ台打つ台すぐに当たりを引く事ができた。
甘デジではなく全て1/300くらいのミドルでの話である。
北斗無双、シンフォギア、花の慶次2、北斗無双。その順番で50回転、100回転くらいで当たりを引き全て確変に入ったのだが、5000発くらい出た出玉は最後に北斗無双で全て飲まれてしまった。
使った金額は1パチだったので1600円で済んだのだが、こんな短時間で4回も当たりを引き、勝てないならどうやって勝てるのよ？ってしみじみ思ったりもした。
もう追い金する事もなく、寮へと帰り酒を飲む事にした。
まあ、パチンコなどもう勝てる物ではない事くらいわかっている。
しかし、これだけ最高の展開で負ける程がすごい事だと本当にしみじみと冷静に考える事ができた。
もしかしたら、パチンコ熱が一気に冷めてしまったのかもしれない。パチンコという物があまりにも金を使う超金持ちの遊びとやっと理解できたのかもしれない。
それからというものまだ10日であるが、パチンコ店には行っていない。金も手元に21640円ある。
パチンコ店に行かないだけで、私みたいな人間でも十分に金は残せる。
金を持っている以上遊びたい、2万あれば十分パチンコ店くらい行けるのだが、今はパチンコ店に行こうという気分はあまり起こらない。
明日3000円貰ったら、2万を切らない程度にスシローに行こうと思っている。
今はそんな妄想で十分生活を楽しめている。
またパチンコ店に行き、赤保留の効果音やバーサスの予告音を聞いたら、パチンコの生活へ引きずり戻されるのかもしれない。
こないだ3日間200円しか無く、空っ空の状態で手にした1000円の感覚が残っているからなのであろうか。
今の私にパチンコは必要ない。
あの金が無くて何も出来ない空っ空の状態。
あの時に金の大切さ、なぜパチンコなんかで全部使ったんだと痛感する事ができたのだと思う。
人間不思議な物ですぐにそんな事忘れてしまう。
その時23円だけ残ったのだが棚の上に置いてある。今の私はそれを見るだけで、こんな金じゃなんも出来ねー！って気持ちがすぐによみがえってくる。
その気持ちがあるうちはきっと大丈夫であろう。
一度平和ボケしてしまえば、持っている金は全て軍資金へと変わる。
絶対に絶対に忘れるなその気持ち。

全く金が貯まらない。
今日も土建会社から貸金3000円貰い、1パチで1800円負け、タバコ、酒など買って残金250円である。
早く金を貯めて土建の寮なんか出たいところだが、新しい土建会社に入って2週間経つが、一向に金など貯まらない。
よくこんなきつい危険な作業を毎日して、輩ばかりの寮で生活して平気でいられるなと自分で感心してしまう程である。
まあ、とりあえず明日からは1000円ずつ残そう、そんな事を思いながら寮に帰り、掲示板で明日の仕事を確認すると。
私の名前が無い。というより現場もいつもより少ない、どういう事なのだ？
食堂に同じ現場に行っているSさんがいたので、聞いてみる事にした。
私)Sさん明日現場無いんすか？
Sさん)聞いてないんか？G20や。
私)なんでなんすか？高速使えないからなんすか？
Sさん)それもあるのと違う？あとな、バール持って電車なんか乗ったら即職質や。だからや。G20なめたらあかん。
私)最悪っすね。
Sさん)Gorilla 20やからな。バールなんか持ち歩いてみろ。ゴリラみたいなやつら20人に囲まれてボコボコや。
私)はぁ。
Sさん)な。ゴールド20円しかなかったらな、寮におれって事や。飯あるんやから、なんとかなるやろ。
私)そうっすね。
Sさんのギャグで少し和んだが、すぐに現実が頭に浮かぶ、とにかく最悪である。
確かに飯はなんとかなるが、タバコは間違いなく切らすだろう。明日１日寮でただただ時間を潰す事になるだろう。
そういえば、西川きよしが宣伝でそんな事言っていたが、現場が無くなるとは思ってもなかった。
暇である。金の無い私にする事など何もない。
次の日になり、ずっとテレビを見ていたが、昼間の番組などたいして面白くもなく、午後はただ天井をみながら横になり、私のブログの事でも考えていた。
やっと17時になり、食堂に飯を食べにいくが掲示板を見ると私の名前が無い。
私)明日も無いんすか？他の現場はダメなんすか？
番頭)明日、雨や。台風並みのがくるらしいで、寮でゆっくりしいや。
もういい加減にしてほしいのである。土建会社の寮で2日も仕事が無ければ、ただの苦痛でしかない。
しかも、土曜日無いという事は2日休みである。ふざけんなである。
一瞬、寮出てやろうかと頭をちらつくが、ゴールド20円しかないので不可能である。
私)うわ、ほんまにですか・・・・もうタバコ代無いんですけど、1000円だけ貸して貰えないですか？
番頭)ええよ。
とりあえず聞いてみてよかった。しかし、1000円など土日のタバコ代で終わりである。
週末に酒も飲めないとは最悪である。
とりあえず二日間ただ無心で過ぎるのを待つしか無い。
金が無い休日など何をすればいいかもわからない。まあ、その考え方がそもそも間違っているのだろう。
しかし、金が無いという廃れきった心で、何か前向きに自分を変える事に時間を使う気など起こる訳もない。
私の場合かもしれないが、前向きに何かやってやろうと思いつくときは、かなり心に余裕がある時である。
金が無いのに心に余裕などある訳が無い。
とりあえず土曜日は寮でテレビを見て過ごしたが、日曜日はさすがに暇になり、外へと出ることにした。
大雨の中、別にする事もなく、近くのパチンコ店に行ったが、金も無いのでただ座っているだけである。
外出しても何も面白くなく、一時間後にはビショビショになって寮に帰っていた。
一万円あればなあ。松屋に行って、1パチして酒でも飲めるのに。
金の無い私は常にネガティブである。
リセットしてポジティブにする事はできないのか？
決してこんな生活をしても心は鍛えられるとは思わない。
心は折れてしまう、繊細である。
物事が上手くいってしょうがない時こそ、心は真の力を発揮すると私は思っている。
何でも心一つだろ。今から変わればいいじゃない。
そんな事言う人もいるのかもしれないが、そんなに簡単な話ではない。
心は余裕がないと実力など発揮しない。
完全に廃れた心で生活を変える事は出来ない。

まとまった金とはいくらなのか？
5万円なのか、10万円なのか、20万円なのか？
もちろんそれを決めるのは自分次第なのだが、決して遊ぶ金ではないという事だけご理解いただきたい。
もし、仕事を辞めたり、ギャンブルで負けてしまっても、1万円くらいあればなんとかなると思う人もいるかもしれない。
土建会社の寮やすぐ入寮できる会社を知っている人なら、それでもいいのかもしれない。
しかし、1万円ではその生活サイクルから抜け出せない。土建みたいな即日払いの仕事を選ぶしかなくなってしまう。月の給料で働いてる人であれば、1万円では次の給料日まで持たないであろう。
ヤケクソになってその1万円を持ってパチンコ店に行く事も十分考えられる。
踏みとどまるには、最低5万円くらいは必要である。
通帳の50000と表示されたページでも、机に並べてもどちらでもいいのだが、今の状況をリセットして、そのお金でやりくりできそうなのか考えてほしい。
10万、20万とあればもっと安心なのだが、最低5万円あれば私の経験上なんとかなる。
ギャンブルで負けて使える金全て使ってしまったら、いざという金をつい使いたくなる。いや、普通は使ってしまう。
ただし、まとまった金が多ければ多いほど、その可能性は低くなる、これは絶対間違いない。
まとまった金が50万くらいなら、もういいやと冷静に割り切れる物である。パチンコなんか勝てないと悟れるのだ。
額が多いほど踏みとどまれる。
お金の余裕は心の余裕である。
欲望渦巻く便利になりすぎてしまった現代社会で金をずっと貯め続けるのは非常に難しい。
いつか、まとまった金を切り崩す時もくるだろう。
しかし、お金について完全に理解してる人は、また元の額に戻すだろう。
例えば、消耗品専用日本銀行券と日本銀行券の2種類世の中にあれば、私は8割くらいの人はまとまった金を残せると思っている。
しかし、現代日本にそんな制度は無い。
パチンコの軍資金にもなるし、男の夢もかなえるが、生活する上で絶対に必要な物なのである。
お金がある以上遊びたい。
しかし、遊んで遊んで踏みとどまれなくなると、一気に跡形もなく消え失せてしまう。
残り数万まで減ったら、気付けば残り数千円。
もうそこまで泥沼化すれば、まとまった金などなんの意味も無い。
持ってる金全て軍資金である。
そうなれば破産するのは目に見えている。
これを無くしたいのである。
もうこんなバカな事は終わりにしたいのである。
どうすれば理解できるのか？
私の勝手な意見で申し訳ないが、100万円貯めて帯付きで部屋に飾ってみるといい。
その存在感と安心感。これが財産なんだと感じてほしい。
そして、自分がやってきた努力が目に見えてあまりにも美しい形になって感じとれる。
よくやったな俺。
そんな風に感じ取れたなら、きっとあなたの第２章が始まるはず。

ああ、金の無い朝は気が重たい。
残った4000円も花太郎の宿代、タバコ、酒代などで残りは1000円と少しである。
金のある休日は最高だが、金が無ければ何も出来ない。
仕事をしてなければ休日でもなんでもない。
行く宛も無く、する事も無く、どこか落ち着ける場所を探し続けなければならない。
そうなれば土建会社に電話するの一択である。
早速タウンワークの適当な土建会社に電話し、午前11時には寮に入る事が出来た。
電話すれば即採用、即入寮。土建会社の素晴らしい所である。
もし、行く宛も無く、頼る人間も無く、残り数十円で街を徘徊する人がいるなら、すぐにでも土建会社に電話する事をおすすめする。
ただし、人間関係は今までに経験したことの無いくらい苦労をしなければならない。
私もまたその世界に舞い戻ってきたところである。
また口の悪い、気の荒い人間と一緒に仕事しなければならない。
しかし、金が無いからこんな目に遭うんだと、自分に心底理解させるチャンスではある。
青くGOGOと光るチャンスなど、チャンスでもなんでもない。ただの破産へと導く青い光である。
本当のチャンスはこういう環境で金がなんなのかを思い知ることである。
夏場で泥まみれになり、意味もなくどやされて、毎日が毎日が苦痛である。
揉まれて揉まれて思い知れ。
金がなければ何も出来ない。ただの遊ぶ為の紙ではない。
まとまった金。こんな大切な物は無い。
何がなんでも心に思い知らさねばならない。