人間性とは何でしょう?
端的に言えば、
『人間としての本性。人間らしさ』
です。
人間性について、
倫理用語集に、こう書いてあります。
「人間の本質。
人種や民族を超えてすべての人間に共通する性質で、
人間と動物を区別するもの。
古代ギリシャ以来、
人間の本質は理性であると考えられてきた。
人間は、言葉や道具を用いて、
社会的・文化的な生活を営むという点で動物と異なっており、
それらは理性に基づくと考えられるからである。
また、西洋思想の源流のひとつであるユダヤ−キリスト教でも、
人間には神の似姿(にすがた)として理性が与えられ、
地上を支配する権利を授けられているとされた。
近代以降、
科学・技術の発展にともない、
社会全体の合理化と人間中心主義が徹底されていった。
しかしその反面、
組織の巨大化・複雑化によって人間は自己喪失感を抱くようになり、
社会的な関係や実存といった観点から、
人間性の回復が求められることにもなった。
さらに現代では、
人間以外の生命・環境に対する意識も高まり、
いきすぎた理性信仰や人間中心主義に対する反省が促されている。」
人間性について、
伊藤忠商事(株)の元社長である丹羽宇一郎氏は、著書
『人間の本性』(幻冬舎新書)
の中で、こう述べています。
「皆さんは、こんな経験はないでしょうか。
歳を重ねても誰かを妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、
同様に成長していない自分を見て愕然とするーー。
(中略)
“人間とは何者なのか” について、
私はこれまでの仕事や人生経験、
読書を通して、ずっと考えてきました。
人類誕生以来、
人間は『動物の血』をうまくコントロールすることができず、
長きにわたって同じ過ちを繰り返しています。
21世紀に生きる人たちがこれらを自覚し、
過去の人間と違って、
心の成長を示すような賢い判断がこれから先できるであろうか。
21世紀になったからといって人間が、
何千年も前からのわれわれの先祖以上に急に賢くなることはありえないとはいえ、
まったく不可能ではないのではないかという想いを持ち続けたい。」(6頁〜8頁)
「人間という字は人と間と書くように、
人との交わりがあったり、
他人を意識することで『私』という自意識が生まれ、
人間になるわけです。
人は他者を意識したり、
交わったりすることで向上心を抱いたり、
努力をしたり、
喜びを感じたりします。
(中略)
人は自分のためだけに生きるのではなく、
他人を意識し、
人のために何かをする『利他の精神』があってこそ、
『人間』なるのだと思います。」(22頁〜24頁)
「大切なのは、人から何かをもらうこと(take)より、
与えること(give)を心がける生き方を選ぶことです。
相手が喜ぶ顔を見たい。
家族が喜ぶ顔を見たい。
多少しんどくても自分が何かをすることで周囲の人が喜んだり、
幸せになるなら、
それをやった当人にとっても、
非常に幸せなことです。
人間は本来、
他の人を思いやったり、
相手のために何かをしてあげることに喜びを感じるという、
貴重な感情を誰もが同じように持っているはずです。
(中略)
人を助けたり、
誰かのために何かをしたときに喜びを感じるのは、
助け合わないと生きていけない生物であるゆえ、
おそらく本能のようなものとしてプログラムされているのだと思います。」(82頁〜83頁)
丹羽さんが述べているように、
人間は、他者を思いやり、
相手のために何かをしてあげることに喜びを感じるようプログラムされています。
人間の本性は、
善であり、
美です。
これは、
愛情、創造性、遊戯、ユーモア、芸術などの起源を研究した結果からも明らかです。
その根源は精神的に深い自己、
無意識のうちに入り込んでいます。
善とは、
愛です。
美とは、
調和です。
“慈愛の精神” と “先哲の智慧” を実践し、
“世界平和” と “人類全体の幸福” の実現に寄与しましょう。
(参考図書)
『人間の本性』
(著者 丹羽宇一郎 幻冬舎新書)
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