中庸とは何でしょう?
大辞林に、こう書いてあります。
『考え方・行動などが一つの立場に偏らず中正であること。
過不足がなく、極端に走らないこと。
また、そのさま。
古来、洋の東西を問わず、重要な人間の徳目の一とされた。中道。』
ブリタニカ国際大百科事典には、こう書いてあります。
「倫理学上の主要概念の一つ。
ギリシャ哲学において対立項の中点に立つ調和的存在を初めて考えたのはピタゴラスとされているが、
これを倫理学的領域に導入したのはプラトンである。
しかしプラトンにおいてはまだ数学的ないし医学的色彩の強いものであった。
アリストテレスは中庸の概念を過超と不足に対する均整とし、
さらに算術的比例中項に代表されるような事柄それ自身のおける中庸と『われわれ(識者)にとっての』中庸とに区別して後者を倫理的徳の本質的な属性とした。
したがって中庸を本性とし最善とする徳(たとえば真実)に対しては過超(たとえば真実に対する虚飾)も不足(同様に卑下)も悪徳(カキア)とされる。」
現代社会+政治・経済用語集には、こう書いてあります。
「アリストテレスの倫理説の中心原理。
過度と不足との両極端を避けて、
中間を選んで人間としての善を実現するという考え方である。
著書『ニコマス倫理学』によれば、
たとえば、
勇気は無謀と臆病の、
節制はふしだらと無感覚の、
寛厚は放漫とけちの、
真実は虚飾と卑下の、
それぞれ中間である。
徳を同一行為のくり返しで得られる習性的(倫理的)徳と、
教育による知性的徳とに分け、
習性的徳を実現する規準となるものを中庸とした。」
『中庸』(全訳注 宇野哲人 講談社学術文庫)
には、こう書いてあります。
「子程いわく、
いずれにも偏らぬのを中といい、
万世に亘って易ゆべからざるを庸という。
中は天下の正しき道理で一切を統べ、
庸は一定して易わらざる天下の条理で細目を尽くしたるものである。」
すべてはバランスと調和で成り立っています。
決定論と非決定論のどちらにも偏らないことが肝要です。
何事も一方に偏ることなく、
思い込まず、
決めつけず、
視野を広げて、
中庸の道を歩みましょう。
「もっとも適切な状態とは、『中庸』であることです」(ディーパック・チョプラ)
(参考図書)
『中庸』
(全訳注 宇野哲人 講談社学術文庫)
ご購入はこちらをクリック↓↓↓
https://amzn.to/4cMHMuA
【このカテゴリーの最新記事】