『こういう言い方をされたら、きっと感情を害するだろうな』
と、相手の立場に立って考える。
そういう思いやりの心を持つ。
上から目線で注意されると、
人は感情を害するものです。
人も魂も平等なので、
偉ぶったり、
見下したりしないように留意しましょう。
厳しい口調から、
優しい育成口調にシフトしましょう。
『人を思いやる力』
と
『共感』について、
「スタンフォード大学の共感の授業――人生を変える『思いやる力』の研究」(著者 ジャミール・ザキ 訳者 上原裕美子 ダイヤモンド社)
の中に、こう書いてあります。
「共感の能力を筋肉にたとえて『遅筋線維』という言葉を使い、
人は思いやりのある性質に変われるという説明をしている。
その例のひとつとして紹介しているのが、
『ポスト・トラウマティック・グロース(心的外傷後成長)』(PTG)だ。
つらい出来事に遭ったあとに、
新たに生きる目的を見つけたり、
新たな絆を育んだり、
それまでよりも強い信念や価値観を抱くようになったりすることを指す。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)ほど有名ではないが、
実に多くの人がこのPTGを体験する。
トラウマそのものが軽くなるという意味ではない。
けれど、
一番苦しい瞬間からも、
人は多くを学べるものなのだ。
人生がどれほどはかないものか痛感することで、
あらためて人生のありがたみをかみしめる。
人がどれほどお互いを必要としているかを実感することで、
自分を閉じ込めていた利己心の壁を打ち破れる。」(A 頁)
「ほんの3万年前には、大型の脳を持つ人類はほかに少なくとも5種はいたと言われている。
しかし、
われらサピエンスは1000年ほどをかけて、
サピエンス同士で協力しやすい身体へと進化した。
テストステロン(男性ホルモン)の値が下がり、
顔が柔和になり、
以前ほど攻撃的ではなくなった。
ほかの霊長類と比べて白目の部分が大きくなったので、
相手の目の動きを追えるようになった。
複雑な顔の筋肉で、
感情表現もゆたかになった。
そして脳が発達し、
お互いの思考や気持ちを、
より正確に理解できるようになった。
こうして人類は共感能力を大きく発展させた。
だから現代の僕たちも、
友達やご近所だけでなく、
敵、他人、そして映画や小説に出てくる架空の人物の頭の中にも入り込むことができる。
僕らは地球上で『もっともやさしい』種だ。
(中略)
共感力の高い人ほど、
より多くの寄付をして、
より頻繁にボランティア活動をする。
ほんの一瞬でも共感の心が動くと、
人は他人を助ける行動に出やすくなる。
写真のネガポジ反転のように、
暗く苦しい時期こそ、
人間の高潔な力が輝くこともある。
ホロコースト時代に、
命を賭してユダヤ人をかくまった家族もいた。
現代では、
銃撃事件が起きた学校で、
身を挺して生徒を守った教師もいた。
哲学者ピーター・シンガーは、
名著『拡大する輪(The Expanding Circle)』(未訳)で、こう述べている。
かつての人類は狭いグループの中だけ――家族と、おそらく友人が数人ほど――で世話しあっていたが、
時を経るにつれ世話の輪の直径が広がり、
部族、町、やがては国家を超えた向こうの人間にも関心をもつようになった、と。
その輪は今では地球全体に広がっている。
僕たちが食べる食材も、
病気のときに飲む薬も、
利用する技術も、
世界中から調達されている。
生涯一度も顔を合わせることのない無数の同胞に世話をされ、
僕たちは生存している。
そして僕たちも、
寄付や、投票や、文化を通じて、
一度も会うことのない誰かを助ける。
地球の裏側に住む人たちがどんな暮らしをしているか、
その詳細を瞬時に理解し、
僕たちは同情や思いやりも気持ちで行動を起こすことができる。」(8頁〜10頁)
「共感の力は練習して高めることができる。
僕らは、もっとやさしくなることができる。
そう言われても腑に落ちないかもしれない。
しかし、
数十年にわたる研究がこれを裏づけている。
僕自身の研究を含めた多くの実験で、
共感は固定された素質ではなく、
むしろスキルに近いことが明らかになっている。
時間をかけて少しずつ磨き、
現代に合わせて調節していくことも可能なのだ。」(23頁〜24頁)
著者のジャミール・ザキ博士が述べている通り、
『共感力』と『思いやる力』は練習して高めることができます。
私たちは、今以上に優しくなれます。
『共感力』
と
『思いやる力』
が世界を変えます。
まずは、身近なことからコツコツと実践していきましょう。
(推薦図書)
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