こんにちは!
EVE2です。
X(旧ツイッター)「ゼロからはじめるシステム開発」でMIHO@情報処理安全確保支援士さんのつぶやきに思わず反応してしまいました。「プロジェクトの成功率3割・・・・」。昔は、プロジェクト成功率5割と言われていたような気がしますが、とうとう3割までになりましたか???何をもって成功というのかも難しいところではありますが、理由は分かっています。
[プロジェクトが失敗する理由]
プロジェクトが失敗する理由として、以下の3点を挙げることができると思います。
❶システムを作る目的が違っている
❷昔とプロジェクトの体制が変わらない
❸プログラミングする会社が海外の安い企業と争い疲弊している
❶は、多くの場合、大手SIベンダーが受注します。その大手SIベンダーは、本来なら最適なシステムを作り提供することを目的とするはずなのですが、受注することが目的となっているような気がします。なぜなら、大手SIベンダーはシステムを作る能力がありません。大手SIベンダーの部長さんからのコメントを紹介すると、我々の強みは今現在一番技術力があり、お客様に最適なSIベンダーを紹介できることだといっていました。
お客様が大手SIベンダーに頼む理由としては、逃げないという点が挙げられます。昔はもっといろいろあったのですが、単価が安くなりすぎました。現在はそれ以外の目的はないような気がします。
中小のSIベンダーで、ありえないのですが、できませんでしたから、これで終えさせていただきますといったベンダーがいます。比率としてどのくらいなのかは統計をとっていないため分からないのですが、私が社会人として仕事をしている時に、1社ありました。
中小のベンダーの部長さんが一番重要だと考えているのは、コミュニケーション能力だそうです。分かりやすく言うと伝言ゲームがうまくできるかどうかを重要視しています。受注を主目的としている大手SIベンダーから、一番技術力があると言われているはずの、中小のベンダーが求めているのは技術力ではなく、コミュニケーション能力なのです。デフォルト技術力があるからコミュニケーション能力という発言があるならいいのですが、少なくとも、技術力があるとは感じませんでした。
❷の昔とプロジェクトの体制が変わらないとは、日本の企業は、基本ドキュメントを一生懸命作ります。っというか近年は、オフシュア開発ということで、中国企業を活用するため、1990年代よりもドキュメントを作るという印象があります。その状況を「昔の開発と同じだ」と発言をしている人がいますが、それは違います。なぜなら、昔はコンピュータに触れることができる人がごくわずかで、その人たちに、コーディングしてもらうために、プログラムデザイン、ようは紙上でプログラムを書き入力してもらっていたのです。
しかし、現在作るドキュメントは、こんな感じで作ってというような内容のドキュメントです。そのドキュメントは、行間を読め、常識で考えろっと言わんばかりモノとなっています。
このような状況になってしまった理由は、単価が安くなってしまったこと。
この間話題に上がったトヨタ自動車レベルなら実現できることを、安くできるはずもない中小企業に対しても、同じような開発をしているという現状があるのです。
このような現状を踏まえて生まれてきたのが、アジャイルです。ただ、従来通りのことをやっているベンダーがまだまだ多いといった印象です。
大手SIベンダーは、❷で作ったドキュメントを❸では、日本の企業と海外の企業が奪い合います。日本企業が争うその相手は、中国、ベトナム、フィリピンといったところでしょうか?そんな海外勢と争った場合、単価なら負けてしまいます。そんな企業間競争させられていいものが作れるのでしょうか?
[業界の現状]
かなり、問題がありボロボロといったSI業界ですが、中小企業白書によると、現在でも人の流入が続いています。しかも、SIベンダーの経営状況をみると、他の製造業、小売、卸、サービス業と比較するとかなり経営状況が良くなっています。
流入が増えている理由は、昔と比較すると給与水準が低くなってきているとはいえ、実は他の業界と比較すると給与水準が高いのです。しかも、現在仕事の内容が技術的なものではなく、ドキュメント作りなどのより平易なものが主となっているため、このような状況になっていると考えられます。
業界的に単価は安くなる傾向にあると考えられますが、人の流入は引き続き続き、それは、業界の構造が変わるか、または給与水準が他の業界と同じになるかそれ以下になるまで続くと考えられます。そのため、長年業界にいる人にとって、かなり居心地が悪い業界になっていくでしょう?
[あとがき]
本日は、SI業界について書きましたが、日本では、他の業界でも同じような状況が生まれています。明日は、その代表的な業界を2つほどご紹介しましょう。
では、また!
■MIHO@情報処理安全確保支援士(X)
https://twitter.com/creita_itsec