2011年06月16日
思い出の品
岩場にあった小さな穴に入るとそこは
広い空間となりここが昔の防空壕だと知らされた
テルさんの懐中電灯の明かりを頼りに
奥に奥に防空壕の中を進んでいった
足元には昔ここを使用した人の持ち物らしきものが
散乱している
一度避難すれば空爆が止むまで出られなかったので
持ち込んだものなのだろう
籠った空気の匂いが鼻につく
私の前を歩くテルさんの足が止まった
テルさんは膝をつき何かを見つけたようだった
『何かあったの?』
私の問いかけにもテルさんは無言である
何かを懐かしむようにもの思いに耽る様な
神妙な面持ちである
そんなテルさんを見て、私もしばし無言になった
どの位の沈黙が続いたのだろう
静かにゆっくりとした口調でテルさんが話だす
『これは俺のお袋の形見なんだ・・・』
そう言うとまた沈黙が続いた
心が疲れたら
広い空間となりここが昔の防空壕だと知らされた
テルさんの懐中電灯の明かりを頼りに
奥に奥に防空壕の中を進んでいった
足元には昔ここを使用した人の持ち物らしきものが
散乱している
一度避難すれば空爆が止むまで出られなかったので
持ち込んだものなのだろう
籠った空気の匂いが鼻につく
私の前を歩くテルさんの足が止まった
テルさんは膝をつき何かを見つけたようだった
『何かあったの?』
私の問いかけにもテルさんは無言である
何かを懐かしむようにもの思いに耽る様な
神妙な面持ちである
そんなテルさんを見て、私もしばし無言になった
どの位の沈黙が続いたのだろう
静かにゆっくりとした口調でテルさんが話だす
『これは俺のお袋の形見なんだ・・・』
そう言うとまた沈黙が続いた
心が疲れたら
投稿者:kee|11:34