アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

思い出の品

岩場にあった小さな穴に入るとそこは

広い空間となりここが昔の防空壕だと知らされた

テルさんの懐中電灯の明かりを頼りに

奥に奥に防空壕の中を進んでいった

足元には昔ここを使用した人の持ち物らしきものが

散乱している

一度避難すれば空爆が止むまで出られなかったので

持ち込んだものなのだろう

籠った空気の匂いが鼻につく

私の前を歩くテルさんの足が止まった

テルさんは膝をつき何かを見つけたようだった

『何かあったの?』

私の問いかけにもテルさんは無言である

何かを懐かしむようにもの思いに耽る様な

神妙な面持ちである

そんなテルさんを見て、私もしばし無言になった

どの位の沈黙が続いたのだろう

静かにゆっくりとした口調でテルさんが話だす

『これは俺のお袋の形見なんだ・・・』

そう言うとまた沈黙が続いた

心が疲れたら





秘密の穴

テルさんの指さす先には

岩と岩の間に人一人通れるか通れないかの

小さな裂け目があった

『ここの中にあるはずだ』

静かにそう言うとテルさんは

器用に穴の中に身体をくぐらせていく

私もすぐに後を追おうと身体を穴にくぐらせた

『うっ?』

途中で身体がつかえてしまう

『ううぅ〜』

身をよじりながら何とか中に潜り込めた

中は想像以上に暗くて何も見えない

目がようやく暗闇に慣れてくると

穴の中がうっすらとではあるが

見えてきた。

穴の中は、入り口の見た目とは裏腹に

広い空洞が広がる

奥に細長く伸びているようだ

奥の方にテルさんの懐中電灯の明かりが見えた

その明かりを追うように奥に進む

『テルさん、こんな所に洞窟があるなんて知らなかったよ』

『ここは洞窟なんかじゃね〜よ』

『洞窟じゃない?、じゃあここは?』

テルさんは神妙な面持ちで私を見た

『ここは昔の防空壕跡だ』

『えっ!!防空壕ってあの爆弾投下されたら非難するあれ?』

テルさんは、静かにうなずいた

そして又奥の方へと進みだした・・・・・

心が疲れたら
    >>次へ
プロフィール

kee
人生一度だから楽しみたい
<< 2011年06月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
リンク集
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。