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思い出の品

岩場にあった小さな穴に入るとそこは

広い空間となりここが昔の防空壕だと知らされた

テルさんの懐中電灯の明かりを頼りに

奥に奥に防空壕の中を進んでいった

足元には昔ここを使用した人の持ち物らしきものが

散乱している

一度避難すれば空爆が止むまで出られなかったので

持ち込んだものなのだろう

籠った空気の匂いが鼻につく

私の前を歩くテルさんの足が止まった

テルさんは膝をつき何かを見つけたようだった

『何かあったの?』

私の問いかけにもテルさんは無言である

何かを懐かしむようにもの思いに耽る様な

神妙な面持ちである

そんなテルさんを見て、私もしばし無言になった

どの位の沈黙が続いたのだろう

静かにゆっくりとした口調でテルさんが話だす

『これは俺のお袋の形見なんだ・・・』

そう言うとまた沈黙が続いた

心が疲れたら






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kee
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