単なる言葉ではないか、と反問する人がいますが、確かに単なる言葉であっても、その言葉を大切にするかしないかで人生が大きく変るものです。やはり、言葉は大事にしなければなりません。
視点を西洋に向けますと、キリスト教圏の人々は『聖書』を大切にしています。この点、御書、法華経を大切にする信仰者と同じといえます。
その『聖書』の中に、
言葉を侮る者は滅ぼされ
戒めを敬う者は報われる。
日本聖書協会. 聖書 新共同訳 旧約聖書 (p.1965). Japan Bible Society. Kindle 版.
箴言13章13節
との一説があります。
端的に、言葉を大切にする人と大切にしない人との違いを明確に言い表しています。言葉を大事にしない人、言葉を侮る人は、滅亡すると断言しています。これについて、私も首肯するばかりです。その通りと思うのですね。
そして、言葉を大切にする人、金言を敬う人には、素晴らしい報いがあるといいます。まさに、そうあって欲しいと思うと共に、やはり、そうですよねと感じ入ります。
人間に生まれたわけですから、言葉を大切にしないでどうするのだろうと思うのですね。表面だけをなぞっていますと、言葉は、単なる文字、単なる音声ですが、言霊とも言うとおり、魂が宿っているのが言葉なのですね。言葉の内面、内奥に迫る必要があります。そのためには、何度も読み込む、聞き込むという作業が欠かせません。自らの身体に言葉を染み込ませるという修行が要求されるわけです。
先程の『聖書』の一節を英語で確認してみましょう。
13Whoever scorns instruction will pay for it,
but whoever respects a command is rewarded.
Zondervan. NIV, Holy Bible (English Edition) (p.1632). Zondervan. Kindle 版.
また、文語訳でも確認してみましょう。
御言をかろんずる者は亡され
誡命をおそるる者は報賞を得
日本聖書協会. 文語訳 聖書 (p.1402). sakisyuppan. Kindle 版.
ここで、「誡命」には、「いましめ」とのルビが振られており、「報賞」には、「むくい」とのルビが振られています。
英語、文語訳でも確認することによって、より一層、この『聖書』の一節を大切にしたいと思うのですね。仏教とキリスト教との違いがあるのですが、やはり、宗教ですので、それぞれの聖典において、同じようなことが説かれています。洋の東西を問わず、宗教者の考えることは、似てくるものなのでしょう。
仏教徒とはいえ、『聖書』の言葉を大切にしたいと思いますね。
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