物盛んなればすなわち必ず衰え 驍ればまた替あり
速成は堅牢ならず すみやかに走れば顚躓多し
灼灼たる園中の花 はやく発きてまたまず萎む
遅遅たる澗畔の松 鬱鬱として晩翠を含む
賦命は疾徐あり 青雲は力めて致し難し
語を寄せて諸郎に謝す 躍進は徒為のみと
『蒙求・小学 (中国の古典)』村山吉広 編訳 講談社 235頁
「速成は堅牢ならず」を強く感じております。人生、何事をするにも時間がかかるものです。
それなりの知識を身に付ける場合でも、資産運用をする場合でも、人との付き合いを充実させる場合でも、とにかく、時間が必要なのですね。じっくりと取り組まないと何事も成就しないわけです。
つい、人は、早く早くといきり立ちますが、結局、何事も身に付かず、漂って迷走しています。私もそのような感じであったと思い返します。
では、どのくらいの時間を考えればよいのか。10年ひと昔と言うぐらいですから、10年でもよいのですが、何か10年ではキリよすぎて、すっきりしないのですね。もうひとつと言いましょうか、何かが必要な感じがするわけです。
あと2年足して、12年というのがよいように思います。ちょうど干支が一回りするのが12年であり、物の個数の単位として1ダースというのがありますが、これも12ですね。1年間は12ヶ月であり、12という数字にはなじみがありますし、収まりがいいように感じます。
また、小学校、中学校、高等学校の年数を合わせると12年間であり、ある一定の知識や経験を積むには、12年かかるのでしょうね。
このように、12年間という期間は、物事を成就させるのにちょうどいい時間と思えます。今までの人生を振り返りますと、12年ぐらいでひとつの形ができたように思います。それなりの時間が必要なのですね。
もちろん、12年以上になると、長くなりダレてしまいますが、ここは、干支が一回りするのと同じように、新たな12年が始まると考えればよいですね。12年間を繰り返すのが人生と言えましょうか。