盗人はとめざればいからず。
『日蓮大聖人御書全集 新版』239頁(報恩抄)
人の財産を侵害しながら、何の反省もない人間がいます。そのような人間は、何も言われないと、当然、怒ることもなく、何食わぬ顔をして生きています。
しかし、「あなたは、これこれの財産侵害をしていますよ」と指摘すると、反省するどころか、怒り出すのですね。所謂、逆ギレという状態です。
盗っ人猛々しいとはこのことですね。困ったものです。境涯が低いので仕方がないのですが、いつまでもこのような境涯の低い人間をまともに相手にしても意味がありませんので、身をかわしながら、財産侵害を食い止める必要があります。
相手の境涯が低いからといって、我々も境涯が低くなる必要はありません。こちらとしては、智慧を出しながら、被害を最小限にするよう努力することですね。
盗人は、人の財産を侵害し、それで儲かったと思っているようですが、長い目で見ますと、ちゃんと帳尻が合うようで、盗人は、結局、損をするようですね。盗人は、ただで済むと思っているから盗みをするのでしょうが、やはり、ただでは済まないというのが世の中の理ですね。
盗人は、猛々しくあっても、最終的には、餓鬼界の境涯に落ちてしまうというみっともない人間というわけです。また、怒り狂っていますので、地獄界にも落ち込んでいるといえるでしょう。そして、ただで済むと思い込んでおり、愚か者ですから、畜生界にも関わっています。三悪道まっしぐらですね。結局、その人間にふさわしい境涯が待っているということです。
我々としては、仏界、菩薩界、縁覚界、声聞界の四聖の境涯をベースにするような人生でありたいですね。