死して候はば必ず各各をも・たすけたてまつるべし
佐渡御勘気抄 891頁
日蓮が門下に対して送った佐渡御勘気抄の一節ですが、日蓮の死生観からすると、死んでおしまいではなく、死んだ後も影響力を与え続けるという考え方です。
死者は生者に対して無力なのではなく、限りない影響力を有すると捉えるのがよいでしょうね。
実際、日蓮は、生きている時の影響力よりも死後の影響力の方が強いですね。
特に近代以降、絶大な影響力があったといえます。
我々としては、日蓮だけでなく、すべての死者に対峙する時、強い影響力を受けているということを認識する必要がありそうです。
死んだらそれまでと、何となく考えがちですが、そうではないのですね。
死者と生者とはどこまでも繋がっているという事実に思いを馳せながら、その死者から限りないエネルギーを受容し、生者としての日々を充実させるべきでしょう。