権藤 で、何が知りたいって?
花村 どうしたら金貯まるかって、もういいよ。
権藤 いや、せっかくだから教えてあげるよ。金貯めようと思ったらね、花村さん、使わないことだよ。あんた、葬式がありゃ1万、結婚式がありゃ2万と出すでしょう。そんなものを出してたら、金は残らない。100万あったって使えば残らない。10万しかなくても使わなければ、まるまる10万残るんだからね。あんた、今、ぽたぽた落ちてくる水の下にコップ置いて水溜めてるとするわね。あんた、のどが渇いたからって、まだ半分しか溜まってないのに飲んじゃうだろ。これ最低だね。なみなみ一杯になるのを待って、それでも飲んじゃだめだよ。一杯になって、溢れて、垂れてくるやつを、これを舐めてる。我慢するの。そうすりゃコップ一杯の水は・・・。
映画「マルサの女」1987
この後、本棚の後ろの金庫がばれてしまい、台詞はここで終わってしまいますが、続けるとするならば、「コップ一杯の水は、そのまま残る」ということになるでしょうね。
「マルサの女」が公開されて30年になりますが、色褪せない映画ですね。
お金を貯めるには、使わないこと。確実な方法ですが、これを実践できる人はほとんどいないでしょうね。
いくら大金を持っていても、浪費家ではお金は貯まらない。逆に借金を拵える場合すらあります。
給与が少なくとも、支出を工夫し、お金を貯めれば、それなりに貯まります。時間が経つにつれて、その金額は膨らんでいきます。結果として、なかなかの貯蓄額になるのですね。
コップの水の例えがありましたが、一杯になるまで待つことが必要です。待つことができない人間にお金を貯めることはできないということですね。
ある意味、株式配当などが、一杯になって、溢れて、垂れてくるやつといえるでしょう。と言っても、相当な金額を株式に投資しなければ、大量の垂れてくるやつを得ることはできませんね。
いずれにしても、まずは、どんな小さなコップであっても、一杯になるまで待つことですね。貯めることと待つことは同義と考えてよいでしょう。