すべて物事には基礎蓄積が大切である。そしてそれは、ひとり金銭上の事柄のみでなく、信用に関しても同じことが言えます。否、この方がはるかに重大です。
『森信三一日一語』寺田一清編 致知出版社 133頁
まず、金銭の蓄積が大切であると指摘されています。
お金がないということは、ある意味、信用がないといえますので、次の信用に関する事柄とつながってきますね。
いずれにしても、お金は貯めておかなければなりません。ある程度の金員が手元にないと身動きが取れないものです。
世の中のことは、ほとんど、お金で解決がつくものです。
しかし、お金で解決できない問題は、どうすればよいのか。
そこで必要とされるのが、信用なのでしょうね。
いざという時は、お金ではなく、信用、信用そのものが大切ということでしょう。
お金は、所詮、数値ですから、いっぺんになくなることはありません。数値にしたがって、その数値ごと減るだけです。
しかし、信用は、その人そのものと一体化しているため、ちょっとでも信用がなくなると、すべての信用がなくなってしまうのですね。よって、信用の基礎蓄積は、積み上げるのには、何十年もかかるけれども、無くなるときは一瞬です。怖いですね。
この観点からすると、お金の方が安心に思えてきます。
しかし、お金より重要なのは、信用なのですね。信用があれば、お金に困ることはなく、お金の源泉が信用と考えておくのがよいでしょうね。
いずれにしても、信用という基礎を固め、信用の蓄積に励むのが人生といえましょう。