こんな手合は恨みを向けるだけの値打さえない。
中島敦『李陵 山月記』小学館文庫 39頁
「恨み」の部分を「怒り」に変えますと、応用がきくように思います。
「怒り」を惹起させる人間がうようよしているわけですが、いちいち相手にしていますと疲れるだけでなく、本来するべきことに集中できないという悪影響があります。
人に「怒り」を起こさせる人間の境涯は如何ほどか。
十界論で言えば、畜生以下の餓鬼、地獄ということになりましょう。
餓鬼ですから満ち足りず、地獄ですから常に瞋りの状態の人間を相手にしたところで何らの価値も生みません。
それこそ、「こんな手合いは怒りを向けるだけの値打さえない」と念じるのがよいでしょうね。
相手にしない、捨てておくというのが人生の秘訣といえましょう。