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2015年12月06日

『仏教史年表』から創価学会を見る

『仏教史年表』山崎宏・笠原一男監修 法蔵館 1979 から創価学会の歴史を辿ってみましょう。

1930年(昭和5年)11月18日 牧口常三郎、戸田城聖が創価教育学会設立。

この時が創価学会創立の日となっていますが、牧口常三郎が『創価教育学体系』第一巻を発行した日なのですね。書籍の発行日というわけです。よって、創価教育学会という組織ができた日ということではないのですね。

1937年(昭和12年)牧口常三郎、東京で創価教育学会正式発会式を挙行。

事実上、この時に組織体としての創価教育学会が成立したと考えるのがよいでしょうね。現在、創価学会は、創立85年と数えているようですが、マイナス7年と計算して、実際は、創立78年ということでしょう。

1943年(昭和18年)6月20日 創価教育学会弾圧、牧口常三郎・戸田城聖ら検挙。

ここで一旦、創価教育学会の活動が停止します。

1944年(昭和19年)牧口常三郎没(73)。

『仏教史年表』では、日付が書いていませんが、牧口常三郎は、11月18日に亡くなっていますね。

1946年(昭和21年)1月1日 戸田城聖、創価学会再建。

前年の7月3日に釈放されていた戸田城聖が実質的に活動し始めた時ですね。創価教育学会から創価学会と名称が変わったのもこの時ですね。

1951年(昭和26年)5月3日 創価学会会長に戸田城聖就任、折伏大行進展開。

戸田城聖が創価学会を再建してから5年経過し、戸田城聖が会長となります。すぐに会長になっていないのですね。元々、理事長であったということもあるでしょうが、いろいろあったということでしょう。この時から、折伏大行進がはじまります。いつまで続いたのかは、後の年表に出てきます。

1954年(昭和29年)8月8日 創価学会、全国地方折伏を開始。

折伏大行進開始から3年経過したのち、全国に展開しはじめたのですね。戦後の復興と共に創価学会も発展したことが分かります。

1955年(昭和30年)4月23日 都道府県議会議員に創価学会進出。

布教だけでなく、政治の世界にも創価学会は進出します。勢いがありますね。

1957年(昭和32年)7月14日 創価学会大阪大会、北海道炭労の学会反対決議は信教の自由への妨害と宣言。

このころになりますと、創価学会の勢力が強くなり、他の団体と衝突し始めるのですね。社会的な存在になったということですね。

1958年(昭和33年)4月2日 戸田城聖没(51)。

戸田城聖が亡くなります。51歳ではなく、正しくは58歳ですね。それにしても若いですね。歴史に、もし、はありませんが、もし、戸田城聖があと5年、10年長生きした場合、創価学会の姿は全然違うものになっていたことでしょう。

1960年(昭和35年)3月8日 厚生省は故なく創価学会員の埋葬を拒否出来ない旨通達。

創価学会の勢力は急拡大しましたから、どうしてもお墓の問題が出てきます。創価学会や日蓮正宗にしてもすぐに会員、信徒のためのお墓が準備できるわけでもなく、創価学会、日蓮正宗に入った人にとっても、今までの宗派でのお墓しかないわけで、埋葬はそのお墓になります。そこで、他宗派としては、創価学会の拡大はおもしろくなく、創価学会員になった人に対して、埋葬拒否があったということですね。さすがにこれは問題ということで厚生省まで動き始めたということです。

この厚生省通達の約4年前、昭和31年5月「大白蓮華」60号に掲載されたという座談会で戸田城聖さんが当時の状況を語っています。確認してみましょう。

戸田 まさか、いますぐ正宗で墓を全国につくるわけにはいかない。寺だけで大変なのに、墓までつくったらこれまた大変だ。
『戸田城聖全集』第二巻(質問会編) 聖教新聞社 459頁

急成長はいいことばかりではありませんね。衝突が勃発するものです。

1962年(昭和37年)1月17日 創価学会政治連盟、公明政治連盟と改称。

名称が変わっていますが、事実上、公明は創価学会ですね。細かく言うと、創価学会政治部でしょうね。

1964年(昭和39年)5月 大阪の日蓮正宗蓮華寺、大石寺末より離脱。
11月17日 公明党結成大会。

ここでいう蓮華寺は、大阪市北区のお寺のようですね。大阪市淀川区の蓮華寺とは違うようです。大阪市北区の蓮華寺は、日蓮実宗となっているという。日蓮正宗創価学会には、いろいろなことがあるのですね。

1969年(昭和44年)11月 藤原弘達著「創価学会を斬る」に関し、創価学会の言論妨害に批判高まる。

所謂、言論問題ですが、創価学会は、批判本の出版を妨害しようとして、結局、批判されてしまったということです。

1970年(昭和45年)1月28日 創価学会、折伏目標の達成をもって、折伏中止を発表。

言論問題の後ということもあり、折伏大行進がここで終了したようです。約20年に渡る大行進だったのですね。数百万人の会員を抱え、巨大新宗教団体となった創価学会は、その後、会員が増えていませんので、やはり、この時に行進が止まったというわけです。

1971年(昭和46年)1月27日 創価大学認可。

創価学会は、大学まで作りました。相当なものですね。

1975年(昭和50年)1月26日 創価学会インターナショナル創設。

創価学会の国際組織を立ち上げています。ただ、折伏大行進のようなことはなく、地道に活動しているようです。

『仏教史年表』は、1975年(昭和50年)で終わっており、それ以降の年表はありませんが、実質的に、創価学会の見るべき点は、ここまでといってよいでしょう。これ以後、創価学会に特筆すべきことはないと思われます。

折伏大行進によって、急拡大した創価学会は、昭和の宗教団体といえるでしょう。

折伏大行進が終わった1970年(昭和45年)から会員が増えているわけでもなく、それなりに成熟した団体となりました。

ただ、現在、時代の要請に応えられているかというと、全く応えられていませんね。ある意味、過去の宗教といえるでしょう。

あとは、惰性で組織運営をしていくだけでしょうね。昭和の一時期に大立ち回りをした教団があったという歴史を残したということですね。

年表を辿りますと、今となっては、もの悲しい感じがしますね。栄枯盛衰が強く感じられます。
posted by lawful at 06:00| 新宗教

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