一生が間・賢なりし人も一言に身をほろぼすにや
兄弟抄 1085頁
口は災いの元といいますが、その通りですね。
長年、言葉に気を付けて、賢人の名をとるほどの人間になったにしても、たった一言、口を滑らしたばかりに、命を落とすことがあると日蓮は指摘します。
そう、たった一言なのですね。多言は必要ないということです。
口を滑らすことは恐ろしいということですね。
賢人ではない凡人は、常に口を滑らしていますが、これでは、いつ命を落としてもおかしくないでしょう。
たまたま、天が忙しいので助かっているだけかもしれませんね。
いざとなると、すぐに天からの援助がなくなり、飢え死にすることになるでしょうね。
常に、美しい言葉、価値のある言葉、面白い言葉、麗しい言葉、楽しい言葉等々を口にする人間になっておきたいですね。
そのためにも読書は欠かせません。
御書、法華経をはじめとして、さまざまな文学、思想等々の本を読んでいくことが大切ですね。
人間は言葉によって生きている側面があります。
その言葉が充実することによって、人生の充実もあるのですね。
どうでもいい言葉は脇に置き、豊潤な言葉をひとつひとつ積み上げていくことですね。