如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには
立正安国論 24頁
人生においても、仕事においても、さまざまな問題が起こり、その対処のため、何かをしなければならないと考えることが多いですね。
しかし、あれこれといろいろなことをするよりは、一番問題のあることをやめてみるのがよいかもしれません。
あれもしよう、これもしようという態度ではなく、とにかく、しないという態度が大切と思うのですね。
実のところ、バタバタしたところで大したことができるわけでもなく、根本的な問題解決にならないことの方が多く、むしろ、問題がこじれる懸念さえあります。
とにかく、問題を分析していく中で、しなくてもよい事柄が見つかりますので、その中で、一番問題となっている事柄を見つけ、それをしないということが重要です。
やるのではなく、しないというのが重要なのですね。
作為ではなく、不作為で対処する方法です。
いつもこの方法が有効ということはないでしょうが、あれこれしてしまい、混乱状態が続く場合、視点を変えて、やらなくてよいこと、もっと言えば、やってはいけないことを見つけ、それを排除することの方がいい場合があります。
日蓮を読む場合、法然の念仏がどうのこうのという点だけでなく、日蓮の思考フレームを取り出し、それを現代の我々の事柄に応用すると価値的です。