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2015年10月01日

仏陀の金言の趣旨を把握することが大切です

人死して後・色の黒きは地獄の業と定むる事は仏陀の金言ぞかし
報恩抄 316頁

インド、中国、日本においては、人の肌の色は、肌色ですから、黒くなることはよくないことと言われても違和感はありません。

死に化粧においては、白く化粧をされているものです。このことから、黒ではなく白が成仏の相と考えられているわけですね。

ただ、疑問に思ったのは、黒人の場合どうなのか、という点です。

黒人は生きている時から黒いわけで、死後、白くなることもなく、黒いままでしょう。

さて、地獄の業とまで言っていいものなのか。

仏陀の金言の趣旨は、もともとの顔色よりも悪い顔色になった場合、それが地獄の業をあらわしているということでしょう。

ということは、黒色と限定せずに、顔色が悪くなることと考えればよいでしょう。

英語で言えば、black ではなく、pale と表現できましょうか。

英訳を確認してみましょう。

We have the Buddha’s own golden word for it that, if a person’s skin turns black after he dies, it is a sign that he has done something that destined him for hell.
The Writings of Nichiren Daishonin Volume I p.719

ん〜ん。turns black となっていますね。 turns pale とした方がよいと思いますね。

日蓮の原文では、「色の黒きは」となっていますから、black としたのでしょうが、世界に発信する英訳においては、仏陀の金言の趣旨を踏まえて pale と意訳するのが適切でしょう。

表面にあらわれた言葉のままであると、逆に誤解を招く場合があります。

特に翻訳の場合、その懸念がありますが、翻訳でなくとも、日常生活において、その通りの言葉を発して、気まずくなることも多いですね。

正しいということよりも、価値があるということの方が重要でしょう。

正しい正しいといきり立ちながら、無価値な振る舞いをしている人もいます。

我々としては、正しいことは、それはそれで結構だと認識しながらも、価値のあることを重視して生きていきたいものですね。
posted by lawful at 06:00| 御書

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