悪人というぐらいですから、悪いことをしているという点は共通です。
まずは、小悪人から考えてみましょう。
自分は悪いことをしていると認識して、悪いことをしている人間は、小悪人ですね。
犯罪者や暴力団などがそうですね。
悪いことをしていると認識しているからこそ、どのように逃げようかと考えているのですね。
しかし、これらは、小悪人の次元の話です。
では、中悪人を考えてみましょう。
自分は悪いことをしていると認識せずに、悪いことをしている人間は、中悪人ですね。
一般大衆などがこれに当たります。
自分は悪いことをしていると認識していませんので、逃げ隠れもしませんが、ボーっとしています。実は、犯罪者や暴力団より性質が悪いのですね。
では、大悪人について考えてみましょう。
自分はいいことをしていると認識して、悪いことをしている人間は、大悪人です。
新宗教の信者や偏った思想の持ち主などがこれに当たります。
厄介なのは、自分はいいことをしていると認識している点です。よって、改善の見込みはありません。
犯罪者、暴力団、一般大衆よりも性質が悪いのですね。
犯罪者、暴力団は、ある意味、世を忍んで生きています。一般大衆は、ボーっとしているだけです。
しかし、新宗教の信者や偏った思想の持ち主は、ドヤ顔で世の中を闊歩します。
一番悪い人間でありながら、大きな顔をしているのですね。
世の中はしつこい、毒々しい、こせこせした、その上ずうずうしい、いやな奴で埋っている。元来何しに世の中へ面を曝しているんだか、解しかねる奴さえいる。しかもそんな面に限って大きいものだ。浮世の風にあたる面積の多いのを以て、さも名誉の如く心得ている。
夏目漱石『草枕』新潮文庫 138頁
まさに、このような感じですね。
小悪人、中悪人も困った存在ですが、大悪人が一番困った存在です。