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2015年05月03日

菩薩の振る舞い(法華経安楽行品に学ぶ)

理不尽に不愉快な目に遭わされることがありますが、その際、法華経信仰者としてどのような振る舞いを心得るべきか、法華経安楽行品をヒントに考えてみましょう。

菩薩摩訶薩、忍辱の地に住し、柔和善順にして、卒暴ならず。
梵漢和対照・現代語訳『法華経』下 岩波書店 128頁

菩薩も摩訶薩も仏道を求める人間のことであり、自分の成仏だけでなく、他者が成仏することをも目指す人間のことです。

そのような菩薩にとっては、どのような行動規範があるのでしょうか。

法華経安楽行品を読みますと、「忍辱の地に住し」とあります。

まずは、耐え忍ぶ力が必要なのですね。

とにかく、耐える、忍ぶということが大切です。

そして、「柔和」ということですから、穏やかでなければなりません。イライラしている場合ではないということですね。

次に「善順」とありますから、善なるものの通りに行動するということですね。法華経通りの行動と考えておけばよいですね。物事の道理に違わない振る舞いといえるでしょう。

続いて、「卒暴ならず」とあります。乱暴、粗暴であってはならないということです。荒々しい言葉遣いや、がさつな振る舞い、野蛮な振る舞いは、菩薩にとって似つかわしくありません。

菩薩にとっては、理不尽に不愉快な目に遭っても、耐え忍び、穏やかであり、道理に適った行動をとり、決して乱暴、粗暴でないという振る舞いが行動規範となっています。

通常、凡人は、つい、耐えることができず、イライラして、無礼な行いを為し、乱暴、粗暴な振る舞いをしてしまいがちです。

菩薩とまったく逆の振る舞いになってしまうのですね。

それ故、法華経を読み、自らの行動を省みる必要があります。

どのようなことがあろうと、忍辱、柔和、善順、不卒暴、というキーワードを忘れず、この通りの振る舞いを心掛けるべきですね。

まとめて考えてみますと、怒らない、瞋らないことといえそうです。

「瞋るは地獄」(本尊抄 241頁)ということですから、地獄界という最低の境涯から脱した人生を歩むことが菩薩の振る舞いといえますね。

そもそも、人に対して、理不尽に不愉快な目を遭わせる人間は、悉く、地獄界の境涯の人間です。そのような人間と同レベルになってはいけないと法華経安楽行品の文が指摘してくれているようです。

相手の境涯を見抜き、程度が低いならば、決して、相手の土俵に上がることなく、さりげなく、かわしながら、法華経安楽行品の文どおりの振る舞いをしておくことですね。

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