老後の蓄えがほとんどない人にずいぶん会ったが、彼らの多数が意外にもかなり高級な、しかも新車に乗っているのを見てふしぎに思った。もし新車を乗り回したり、新品の物ばかりを買わず、お金をもっと賢く投資していたらどうだっただろうか、と。
リチャード・カールソン『お金のことでくよくよするな!』小沢瑞穂訳 サンマーク出版 224頁
高齢者になって貯蓄がないというのは、悲惨ですね。
悲惨であるから、最貧困状態なのかといいますと、そうでもないようです。
ただ、定期的な収入が1回でも滞るならば、破綻するような家計であるようです。
なぜ、このような家計になるのか。上記にあるように、車で考えますと、高級車を欲しがるようです。そして、その高級車も新車であるという。数年に一度は買い換えているのでしょう。
これでは、お金は貯まらないでしょうね。
車だけでなく、あらゆる出費についても同じでしょうから、あったにしてもローンぐらいのものでしょう。
危険な生活といってよいですね。
自分の物欲にブレーキをかけて、収入の範囲内か、それを下回るレベルで生活をすると、「心の平安」というべつのタイプの豊かさを発見するにちがいない。心が平穏でリラックスした状態というのは、人生の最高の贈りものの一つだと私は思う。
同書 237頁
物を欲しがるのは子供じみています。
大人になっているならば、物にこだわるべきではないでしょう。
いい車に乗って、いい服を着て、いいものを食べて、と考えていきますと、お金はなくなるばかりです。
欲望のままに生きていくことは避けるべきですね。仏教的に言うならば、貪欲に陥らないこと、餓鬼界の状態から脱することですね。
見栄を張るという生き方もやめておいた方がよいでしょう。他人のために一生懸命見栄を張っても、何の豊かさも実現しません。無駄なだけです。このようなことが分かっていないというのは、仏教的に言うならば、愚かな状態であり、畜生界の状態といってよいでしょう。
大人にとって必要なことは、質素、倹約でありながらも極めて豊かな生活を編み出すことでしょうね。