大成功している財政管理の専門家が、「金持ちになる前に実行したいちばん重要なことは、二年分の生活費を蓄えたことだ」と言っていた。大変な犠牲、規律、まじめさ、忍耐のほか五年の月日を要したが、その利子――とくに心理的な見返りは大きかったという。その財政上のクッションがあったおかげで、心に平安があったし、危険を承知で成功に欠かせないステップを踏む勇気が出た。彼は二年分の生活費を蓄えたことで、心配をせずに夢やさまざまなチャンスを追求できたのだ。
リチャード・カールソン『お金のことでくよくよするな!』小沢瑞穂訳 サンマーク出版 124頁
よく聞くのは、3か月分の生活費や6か月分の生活費を貯めるということですが、二年分の生活費とは、なかなかの金額になりますね。
さて、1か月分の生活費とは、いくらぐらいなのでしょうか。
人それぞれではありますが、余裕をもって考えるならば、30万円程度と考えるのがよいかと思います。1日1万円と考えるわけですね。
そうしますと、二年分の生活費は、約730万円になります。
もっと余裕をもって考えますと、1年に10万円は余分に欲しいところです。二年分で20万円。
上記730万円と20万円との合計金額である750万円程度を蓄えることができれば、二年分の生活費を貯めたといえるでしょう。
確かに、10万円や20万円程度の貯蓄額では不安だらけでしょうね。
ただ、100万円や200万円程度の貯蓄額でも不安は拭えないでしょう。
300万円から500万円といっても、まだまだということなのでしょうね。
やはり、上記に示した750万円程度の貯蓄額があってこそ、次のステージに進めると考えるのがよいでしょう。
単にお金があるというだけでなく、心理的な見返りが期待できるようです。
心の平安が得られ、その上で、いざという時はいつでも動けるというのは、心強い限りです。
750万円を貯めたからといって、すぐに何かをする必要はありませんが、いつでも動ける状態をキープできることは、安心感につながりますね。
お金に振り回されないで生きていくには、少なくとも二年分の生活費、本ブログでは750万円と設定しましたが、この程度の貯蓄額は必要でしょうね。
休暇を減らし、車や家、服にぜいたくをせず、外食の回数も減らし、ある程度の必需品も切りつめるという犠牲を払ってでも、二年分の生活費を蓄えることには充分に価値がある。
同書 126頁
二年分の生活費を貯めるには、無駄を排し、いらないぜいたくをやめ、蓄財に励まなければなりません。
質素な生活、節約をする生活を身に付けることによって、お金が貯まるのですが、実はそれだけでなく、質素、倹約の生活を行う程の自制心を育むことが根本的な目的と思われます。
浪費しない生活ができるようになれば、750万円を貯めることは困難ではありませんし、余裕資金があるならば投資をすればよく、お金が増えていくことになるでしょう。
そもそも浪費しない生活は、経済的破綻の正反対の生き方ですから、破綻しようにも破綻できないですね。
二年分の生活費を貯めるとは、浪費しない自分を作り上げるためのトレーニングと考えればよいですね。
そして、二年分の生活費が貯まったならば、浪費しない人間になったのだと思ってよいでしょう。
あとは、投資をして運用の次元でお金と付き合うことになりますね。