30年の単位で見ると、年率1パーセントの成長率は累積成長率として35パーセント以上になる。年率1・5パーセントの成長率は、累積成長率50パーセント超だ。実際には、これはライフスタイルと雇用にとっては大規模な変化を意味する。具体的に言うと、ヨーロッパ、北米、日本が過去30年で見せた1人当たり産出の成長率は、1―1・5パーセントであり、それでも人々の生活は大きく変化した。1980年にはインターネットも携帯電話網もなく、多くの人は飛行機に乗ったこともなく、今日では普通に使われる先進医療技術の多くはまだ存在せず、大学進学者も少数派だった。通信、運輸、保健医療、教育の分野ではすさまじい変化が起きている。
トマ・ピケティ『21世紀の資本』山形浩生 守岡桜 森本正史 訳 みすず書房 101頁
確かに、1980年の頃を思い出しますと、インターネットはなかったですね。軍事の面ではあったようですが、一般には解放されていませんでした。
携帯電話もありませんでしたね。当時は、固定電話であり、プッシュホンもありましが、ダイヤルであったような。
さすがに飛行機に乗ったことはありましたが、頻繁に乗るものではなかったですね。
先進医療技術もなかったですね。ガンになった人は、死んでいましたからね。ガンの宣告をするかどうかで悩んでいた時代でしたね。今から思えば、なぜ、ガンを宣告しないのか、となりますが、当時は、ガンを宣告されただけで死を覚悟し、自殺までする人がいたのですね。医療の進歩は人間の人生そのものを根本的に変えましたね。
大学進学も大変でしたね。受験戦争という戦争があったころです。
あれから30数年、我々の暮らしは激変しています。
冷静に考えますと異常でしょう。よって、鬱になる人も出てくるのかもしれません。時代に付いていけないでしょうね。
それでも、多くの人は、どうにかこの激変に合わせて生きているのですから、相当タフなのでしょうね。または、変化が大好きなのかもしれません。
たった年率1パーセントの成長率であっても、長い目で見れば、激変をもたらします。
我々としても、人間として、年率1パーセントの成長を続けるならば、30年後には、相当な人間になっていることでしょう。
しかし、実際は、年率マイナス1パーセント以下の水準で推移し、30年後にはみっともない人間になるのでしょうね。
やはり、ここは踏ん張って、人間として年率1パーセントの成長を堅持すべきでしょうね。