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2014年12月28日

いささかの恒産(日蓮仏法から恒産を考える)

先日ご紹介した「白い巨塔」に「いささかの恒産」という言葉が出てきました。

恒産とは、「一定の安定した財産・生業」(岩波国語辞典)であり、途切れることのない財産と考えてよさそうですね。

孟子にも「恒産なければ恒心なし」「恒産なきものは恒心なし」とあるように、一定の安定した財産・生業がなければ、常に変わらない正しい心を持つことができません。

やはり、恒産は必要ですね。

「お金ではない」というセリフは、恒産のある人が言うセリフであり、お金がない人間は、まずは、恒産を作り上げるべく、努力することですね。

お金がないにもかかわらず、「お金ではない」などと言っているようでは、単なる気違いです。債権者から「そんなことを言う前に、まずは、金を返せ」といわれるのが落ちでしょう。

あぶく銭ではなく、恒産という点が重要です。

そのためにも、仕事をしっかり行うことと、あとは、運用を心掛けることですね。

お金の面で恒産を考えてきましたが、お金だけでなく健康面や精神面においても、常に変わらない安定した充実感が必要です。

日蓮が「蔵の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり、此の御文を御覧あらんよりは心の財をつませ給うべし」(崇峻天皇御書 1173頁)と言うように、確かにお金は重要ですが、それよりも重要なのは、「身の財」つまり、健康であり、もっと重要なのは「心の財」つまり、豊かな心であるということです。

恒産という場合、お金である「蔵の財」は当然のこととして、「身の財」「心の財」をも恒産と考え、これらの恒産を作り上げていきたいものです。
posted by lawful at 16:14| 御書

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