『現代英文法講義』を所々読んでみますと、懐かしい例文が目に飛び込んできました。
A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ)
所謂、クジラの構文です。
はじめて、この例文と接したのは、高校時代であったでしょうか。
英語の例文がどうのこうのというよりも、不自然な日本語訳という印象が強かったですね。
もちろん、今でも同じように不自然な日本語訳と感じます。
高校の英語教師は、英語の授業であるにもかかわらず、「公式だ」などと叫び、丸暗記を強要していましたね。
なぜ、英語で「公式」なのか?
困った英語教師でしたね。
これといった説明をしませんでした。
その後、夏休みになり、予備校の夏期講習に行った際、予備校教師は、このクジラの構文を丁寧に説明してくれましたね。
よく理解できたことを思い出します。
予備校講師の方がまともでしたね。
ただ、改めて、このクジラの構文を見たときに、やはり、不自然な日本語訳ですので、このままでは、この構文が身に付くとは思われません。
よく理解できないわけです。
日本語訳でよく理解できないわけですから、元の英文もしっくりこないわけです。
ネットでは、このクジラの構文について、より一層、細やかに解説がなされているサイトもあり、それはそれで参考になるのですが、もっと簡単にこの構文を理解できないものかと考えました。
そこで、この構文を使った他の例文を参照してみました。
『現代英文法講義』の例文を見てみましょう。
I am no more mad than you (are).
(ぼくは、君と同様、気が狂ってはいない)
『表現のための実践ロイヤル英文法』の例文を見てみましょう。
She is no more a genius than I.
(彼女は、私と同様、決して天才ではない)
結局、クジラの構文もそうですが、「クジラは魚ではない」、「ぼくは気が狂っていない」、「彼女は天才ではない」ということが言いたいだけなのですね。
than 以降は、言いたいことを強調するために付け足した部分として理解しておけば足りるでしょう。
than 以前において、発話者の意図は明快であるわけですから、「クジラは魚ではない」、「ぼくは気が狂っていない」、「彼女は天才ではない」と理解すれば、もう十分でしょう。
実のところ、これで問題はありません。
英語を前から読んで、その都度、理解していけば、混乱することなく、英語を理解することができるでしょう。
混乱の原因は、返り読みにあります。
途中でこんがらがるわけですね。
「公式だ」などということは言わず、まずは、前から理解するという軸をしっかりさせることですね。
その上で、構文を分析することには意味があるでしょう。
しかし、実際に英文を読む際、いちいち分析していますと前に進みませんので、やはり、前から理解する姿勢を徹底することですね。