大前研一氏が英語習得について書かれていますので、少し見てみましょう。
「今や世界の標準語は英語ではなく、文法も発音も不正確なブロークン・イングリッシュだと思ったほうがよい」(大前研一『稼ぐ力』小学館 C頁)
基本的には、アメリカ英語、イギリス英語を勉強するにしても、さまざまな英語があるとの視点を持っておくことですね。
そうしますと、少しは気が楽になります。
所詮、言葉は、コミュニケーションの道具ですから、使ってなんぼと考えておくことですね。
とは言いつつ、このようなことがありました。
あるチケット売り場で順番待ちをしている際、英会話の本を読んでいたところ、英語が聞こえてきました。
白人男性もチケットを購入しようとしていたわけですね。
私は、「話しかけられたらどうしよう」などと思ってしまいました。
英会話の本を読んでいながら、これでは、いけませんね。
結局、話しかけられることはなかったのですが、私の「話しかけられたらどうしよう」という心持が出てくるのは、あくまでアメリカ英語なりを話さなければならないと考えているからでしょうね。
もっと、気楽に、分からなければ分からないなりに、とにかく、話をしようとすることですね。
英語の知識も重要ですが、このようなメンタルの側面がより重要ですね。
「極端な話、和文英訳(された英文)は、英語ではないと思ったほうがよい」(同書 F頁)
電話で、相手が今いるところを聞くときに「今、どこ?」と言っても日本語としておかしくありません。
しかし、この日本語をそのまま英語にして、
Now where?
では、何も伝わりませんね。
Where are you now?
としなければなりません。
英語には英語の形があるわけですから、その英語の形をそのまま身に付けなければなりません。
単語単位ではなく、文章単位で英語を覚えていくことですね。
この際、日本語を英語にするという学び方ではなく、この英文は、日本語でいえばこのようなことですよというふうに、日本語を活用しながら英語を学ぶことですね。
日本語と英語とでは、語順も違えば、発想も違うわけですから、所謂、和文英訳、英文和訳をしたところで、英語そのものの力は付きません。
大学受験用の力は付くでしょうが、いい大人がそのような力を付けてどうするのでしょうか。
やはり、英語は英語として身に付けながら、その意味するところを日本語で把握するというのがよいですね。
日本語を十二分に活用して英語を学ぶということです。
「語彙や文法など、基本をしっかり覚えることと徹底的にリスニングをすることに尽きる。これに1年間で500時間を充てる」(同書 H頁)
やはり、言葉の基本である語彙と文法とをマスターすることです。
また、使う英語ですから、聴き取れなければなりません。
それに、まとまった一定の時間が必要です。
そう簡単に英語が身に付くわけではありませんが、楽しく、時間をかけるところはしっかりと時間をかけて英語をマスターしたいと思います。