気になる箇所をあげていきながら、英語習得の肝要を得たいと思います(ここでは、便宜的に「外国語」を「英語」として考えていきます)。
「外国語を達者に話す人は日本語もきれいな人が多いようです。外国語にもふだんから気をくばるくらいだから、自国語をも大切にするためなのでしょうか」(同書 22頁)
日本語だけでいいという人の日本語が美しくないということがあります。
英語を学ぶということは、言葉に敏感になるということですから、言葉に敏感でない人は言葉に鈍感になり、いい加減な言葉遣いになるのでしょう。
確かに、英語を学ぶと日本語との違いを意識せざるを得なくなり、客観的に日本語を見る視点が得られます。
このことから、日本語と英語との両方が研ぎ澄まされ、相乗効果で言葉遣いが美しくなるのかもしれません。
「外国語の会話を習得することによって得た明確な思惟の習慣を自国語の活用に応用することは、外国語習得それ自体よりもあるいはさらにいっそう意味深いことかも知れません」(同書 24頁)
英語を習得することによって、英語が使えるようになるわけですが、それだけでなく、日本語の運用能力にも効果があるということですね。
考えてみれば、日本人が使える英語のレベルは、所詮、非ネイティブレベルです。
しかし、日本語のレベルは、正真正銘のネイティブレベルです。
この正真正銘のネイティブレベルの日本語運用能力が英語習得により、一層磨かれるならば、この方が喜ばしいといえそうですね。
「暗記する文章はなるべくわかりやすいうえに、あなた自身に興味があるものをえらぶことです。そして発音や意味や文法的な構造まで、すみずみまではっきりわかってから暗記にとりかかるべきです。はじめは5~6行ないし10行ぐらいでまとまったもので試してごらんなさい」(同書 62頁)
暗記には、まとまった文章がいいようですね。
暗記の前に、その文章を徹底的に理解するというところが要点ですね。
何となくではなく、完璧にしたうえで暗記するということです。
文章を完璧に理解する過程で半分以上は暗記できてしまうでしょう。
それが狙いなのかもしれません。
「よい辞書を手あたりしだいに開いて、文例を読んでごらんなさい。すでに知っている知識を整理し、欠けている知識を補うことができます」(同書 69頁)
辞書は読むものとはよく言われることですが、単語の意味だけを確認するのではなく、文例を読むことが大切ということですね。
この頃、辞書を引いて感じるのは、単語だけでは使い方がよく分からないけれども、文例を参照するとよく分かるということです。
文例に接しないとその単語の使い方が分からず、すっきりしないですね。
「多くの人にとって読み物は自分の国語に限られているようですが、もしそのうえ外国語の本や新聞雑誌までも読んで楽しむことができたならばさぞよいだろうとは思いませんか」(同書 154頁)
英語習得は大変であって、要は、楽しむためという観点を忘れてはなりません。
さりげなく、外国語の本を読むことは楽しいですよと囁いていますね。
「英文を書き慣れている人の仕事ぶりをのぞいてみると、和英辞典はあまり使わず、英英または英和辞典のうち、なるべく量が多くて文例が豊富なものをよく使うようです」(同書 205頁)
まずは、文例をしっかりと確認するということですね。
単語単位ではなく、文章単位で英語を理解し、使用するということが勘所のようです。
確かに、単語単位では日本語の感覚で英語を使用してしまう懸念がありますが、文章単位であれば日本語の感覚が入り込む余地がなく、英語そのままで使用できます。
「自分の好きな著者なり著書なりをきめておいて、それをふだんから繰返し読んで、自分が書くときの資料にします」(同書 207頁)
英語を書くときに、いきなり書くのは困難であり、元となる著書を常に参照しておくということですね。
やはり、英語学習の基本である「繰り返し」が重要ということですね。
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