「たとえば小論文を書くときには、最終的に必ず自分の結論を考えますが、できれば根拠を3つ挙げる訓練をしたほうがいいでしょう。これは現実にフランスの教育現場で行われていることです。
誰でも1つ目、2つ目くらいまでは思いつくのですが、3つ目を挙げることは意外に難しいものです。なかなか大変ですが、あらかじめあれこれ多角的に研究し、根拠を挙げる思考訓練をすることは、能力開発に有効です」(『テレビに破壊される脳』和田秀樹 徳間書店 223頁)
何がしらの主張をする場合、その結論に至った根拠を示す必要がありますが、たった1つの根拠で判断すると、ちょっとした反論でグダグダになるものです。
2つでも弱いでしょう。
よって、根拠は3つ欲しいところです。
4つ以上になると主張する人間も混乱するでしょう。
根拠が3つあれば、反論にもそれなりに対応できます。
3つの根拠をすべて覆すほどの反論など、なかなかないものです。
万一、3つの根拠すべてを覆すほどの反論があった場合、その3つの根拠そのものが根拠として破綻しているからだといえるでしょう。
反論に備えるために3つの根拠を揃えるというよりは、自分自身の主張、結論に問題がないかを自ら検証するために3つの根拠を準備すると考えた方がよいでしょうね。
フランスの教育現場では、根拠を3つ挙げる訓練をしているようですが、いい心掛けですね。
道理でフランス人の発言は理路整然としています。
我々もフランスに習い、根拠を3つ挙げる癖をつけておきたいですね。