「人間は五十歳にもなれば或る程度人生の結論に達する。と同時に心のどこかに自らを恕す、肯定しようとする意志が働く。その時に「五十にして四十九年の非を知る」、今までの自己を一度否定することは、これは非常に難しい」(『安岡正篤一日一言』致知出版社 71頁)
私は、まだ50歳に至っておりませんが、いくつであっても上記の言葉は重要ですね。
現在の年齢にあてはめれば、そのまま自分自身に対する格言となります。
他者に対しては、なるべく「肯定」する態度で接するのがよいでしょう。
「否定」を軸に他者に向かい合うのは得策ではありません。
しかし、自分自身に対しては、安易に「肯定」するのではなく、至らぬ点を厳しく「否定」することが必要です。
「肯定」すべきいいところはそのままでよく、より一層よくしていけばよいのですが、やはり、完璧な人間などおらず、反省すべき点が多いのが人間です。
よって、今までの人生において、非の部分をあぶり出し、しかと「否定」する作業をした方がよいですね。
ただ、自分自身に甘くなるもので、自分の非を「否定」したくなくなり、つい、他者の非を「否定」してごまかしてしまう傾向があるようです。
あくまで自分自身の問題であるわけですから、他者の問題を持ち出しても何の意味もありません。
難しくとも自分自身の非を見つめ、新たな人生を生きるという姿勢でありたいものですね。