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2013年02月09日

事業を始めるとはどういうことか

「私は、これから事業を始めようとする人に言いたい。
 あなたは時間のすべてを事業に投入して、中途で死ぬのも人生だ、人間いつも裸なのだと思いさだめて闘えるかと。
 もしそうでなければ、事業は絶対、成功しないだろう」(藤田田『起業戦争の極意』KKベストセラーズ 180頁)

事業を始めたはいいが、借金まみれにならなくとも廃業したり、借金だらけで倒産したりする場合があります。

確かに、景気の動向も影響しているでしょう。

しかし、根本的には、藤田田氏が言うように覚悟があるかどうかがポイントとなるでしょう。

覚悟が決まらないまま事業を始めてしまうと、大した工夫をすることもなく、何となくといった感じで事業を進めてしまいます。

ダラダラした経営がいつしか借金経営になってしまいます。

覚悟が決まらないことには手を出さないということですね。

事業の世界は、魑魅魍魎の世界といってもよく、素人風情がうろうろできるところではありません。

また、すべての時間を事業に投入するという観点からすれば、嫌いなことは事業になり得ませんね。

好きなことでなければ、精神的に参ってしまうでしょう。

好きなことも、単に好きなのではなく、熱中できるほど好きであるという次元にまで至らないといけませんね。

なにせすべての時間を使うのですから。

藤田田氏の面白いところは、中途で死ぬのも人生だという点ですね。

事業が調子に乗ればいい気になり、死などまったく眼中にないという状態になりがちですが、常に、死を意識しているところが、単なる事業家、起業家と違うところでしょう。

また、何かにつけ藤田田氏は、人間いつも裸といいますが、まっさらな人なのでしょうね。

地位、名誉、財産等々にはこだわりがありません。

起業そのものにこだわっているという人ですね。

死や人間はいつも裸という観点がある故に、他のビジネス書とは一味違った感銘を与えます。

生命や人間存在そのものの洞察なしにビジネスをしたところで大したビジネスにはなりません。

浅薄な人間が行うビジネスはつまらなく、深みのある人間が行うビジネスはおもしろいということでしょうか。

会社を分析する時は、社長を見ればよいと言われますが、まさに、社長が浅薄な人間か深みのある人間かを見れば、おおよその見通しはつきます。

現今、世の中では、さまざまな問題が発生しておりますが、よくよく観察してみると、トップにある人間が悉く浅薄な人間です。

だから、問題が発生するのですね。

所詮は、人ということですね。

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