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2012年08月24日

最も優れた知性

ハマトンの『知的生活』に「記憶力が悪いと嘆いている学生へ」と題する文章があり、次のように指摘しています。

The finest intellects are as remarkable for the ease with which they resist and throw off what does not concern them as for the permanence with which their own truths engrave themselves.

では、翻訳を確認してみましょう。
「最もすぐれた知性の持主は、自分で真実であると考えたものを深く永遠に脳裏に刻み込む点で際立っているのと同様に、自分にとって大切でないものはなかなか憶えず、また簡単に忘れてしまうことでも際立っているのです」(『知的生活』渡部昇一・下谷和幸訳 講談社 134頁)

優れた知性は、何事もよく理解することであろうと考えがちですが、そうではないようです。

重要なものに関しては、克明に記憶し、どうでもいいことは憶えないというメリハリが必要なのですね。

自分自身にとって重要であり真実であると考えるものをより深く理解し、自分自身のものにしていくという点は、まさしく、優れた知性の作用といえます。

しかし、注目したいのは、自分にとって重要でなく、真実とはかけ離れたものは、憶えず、多少、記憶に残ったにしても、さっさと忘れてしまうという点です。

憶えない、忘れるという作用が優れた知性の作用とは驚きです。

この発想はなかったといってもいいかもしれません。

憶えるだけが能ではないのですね。

どうでもいいことは憶えない、忘れるという作用を含んでこそ、最も優れた知性といえるのですね。

どうでもいいことに思い悩み、悶々としている人間は、自分にとって大切でないこと重要でないことを見抜く力がない人間といってよいでしょう。

つまり、知性が発揮されていない状態にあるといえます。

重要なことは後回しで、どうでもいいこと、つまらないこと、価値のないことをいちいち思い出し、自分自身を苦しめていたことがあったように思います。

そのようなことは、記憶せず、忘れなければならないのですね。

自分にとって大切でないものは、早々に捨ててしまうという潔さが求められます。

不必要なもの、不必要なことを捨てることにより、清々しい気持ちになることが知性的生活には必要ということでしょう。

最も優れた知性を身に付けるべく、真実と考えるものは完璧にマスターし、どうでもよいものは、その都度、忘れるということを実践していきたいですね。

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