ジョン・スチュアート・ミルの『自由論』に次の文章が出てきます。
The worth of a State, in the long run, is the worth of the individuals composing it.
では、翻訳を確認してみましょう。
「国の価値は長期的にみて、国を構成する個々人の価値によって決まる」(『自由論』山岡洋一訳 日経BPクラシックス 245頁)
一読したところ、特段、変わったことを言っているわけでもなく、至って当たり前のことを言っているように受け取れます。
しかし、ひとたび、国の政治、経済、社会等々の状態が悪い場合に、あなたの責任ですよと問いかけられると、瞬間的に「違う!」と言ってしまう人が多いのではないでしょうか。
やれ、悪いのは政治家だ、経営者だ、あいつだこいつだと言ってしまうのではないでしょうか。
私は悪くないという言葉が次々と出てきそうです。
ミルの言葉は、当たり前すぎるようですが、極めて辛辣な言葉のように思われます。
ミルの言葉を真に理解するのは難しいようです。
国の状態に対して自分自身が責任を持つという覚悟が必要だからです。
お気楽に人の悪口を言っているようでは、何らの成長も見込めず、社会に害悪、毒素をまき散らすだけでしょう。
真剣に国のこと、社会のことを考えるならば、少なくとも選挙の際、まともな投票行動をするべきでしょう。
そろそろ、あっちフラフラ、こっちフラフラといった投票行動を是正しなければなりません。
長期的に見て、然るべき人間を国会、地方議会に送ることですね。
間違っても、邪悪な人間を送ってはなりません。
所詮は、国民のレベルが国のレベルということですから、自身のレベルを上げながら、注意深く代表者を選ぶことができるようにしておきたいですね。