何事においてもトップクラスの実力を付けるには、それなりの時間が必要です。
では、少なくとも何時間が必要なのでしょうか。
「頂点に立つ人物は他の人より少しか、ときどき熱心に取り組んできたのではない。圧倒的にたくさんの努力を重ねている。
複雑な仕事をうまくこなすためには最低限の練習量が必要だという考えは、専門家の調査に繰り返し現れる。それどころか専門家たちは、世界に通用する人間に共通する“魔法の数字”があるという意見で一致している。つまり一万時間である」(マルコム・クラッドウェル『天才!成功する人々の法則』勝間和代訳 講談社 47頁)
「1万時間」という数字が出てきました。
先達てのロンドンオリンピックから考えてみても、オリンピックでメダルを獲得する選手たちの累計練習時間は、当然の如く、1万時間を超えているでしょう。
もっと言えば、オリンピックに出場する選手はすべて1万時間以上の練習をした人々であり、その中でメダルを競っているということでしょうから、オリンピックとはとんでもない世界ですね。
感服します。
いずれにしてもひとかどの人間になるためには「1万時間」が必要ということは、はっきりしました。
あとは行動、実践あるのみですが、これがなかなか難しい。
そもそも「1万時間」は、24時間で割った場合、何日になるのか計算したところ、約417日となります。
大雑把に言えば、1年2ヶ月ですね。
もちろん、実際の練習や研鑽に関しては、1日でできる時間は限られますから、仮に1日3時間の練習や研鑽を毎日続けた場合、「1万時間」に到達するには9年から10年かかります。
実の濃い3時間の練習や研鑽を9年から10年行うことは大変なことですね。
「一万時間とは途方もなく膨大な量の時間だ。一〇代の後半までに、自分だけの力で一万時間をクリアすることは、ほぼ無理である。両親の励ましや支えが必要になる。貧しい家庭では難しい。家計を助けるためにアルバイトをしていれば、練習時間が十分に取れないからだ。事実、たいていの人が一万時間に達するためには、特別なプロジェクトに恵まれた場合(代表チームに選ばれるなど)か、並外れた好機に恵まれた場合に限られる」(同書 49頁)
10代の後半までに1万時間に達するには、上記の指摘のように恵まれた環境が必要です。
オリンピック選手など上記の指摘の通りですね。
普通の人、市井の人であり、とっくの昔に成人している我々としては、オリンピック選手の1万時間を超える練習量、努力に学びながら、自分なりの1万時間の練習なり研鑽を積む必要があるでしょう。
仮に1日3時間と考えた場合、10年単位でのプロジェクトとなります。
幸い、年を取ってからの10年などあっという間です。
ただただ、オリンピック選手の如く、黙々と研鑽することですね。
「1万時間」という数字には、安易な考えを吹き飛ばす力がありますね。
為すべきことを為す、ということが大切ですね。