親からの流れ、若しくは、自分から、という二つのパターンが考えられますが、どちらにしても、最初から独力で信仰を全うする人はほとんどいないでしょう。
最初は、組織宗教団体の助けを借りながら、信仰をしていくというパターンであると思われます。
また、組織宗教団体としても、檀家、信者、会員等々、呼び名はいろいろありますが、組織宗教団体の構成員を一人でも多く獲得したいと考えていることから、初信の人に対して親切であったりします。
信仰をする人にとっても、何も分からないところから信仰をスタートするわけですから、組織宗教団体を利用することにより、信仰をする上で必要な知識、基本的な作法が身に付きます。
その意味では、組織宗教団体は有用でしょう。
しかし、信仰する上での一定の知識が身に付いたならば、本来の信仰を磨くことに集中した方が良いでしょう。
間違っても、組織宗教団体の枠内での考え方に染まらないことです。
このことに関し、美輪さんが明快に指摘してくれていますので、確認してみましょう。
「信仰と宗教は別物よ。宗教は企業よ。信仰というのは、自分の心の鍛錬。自分自身を信じ仰げるように、日常の中で自己反省していって鍛錬し、向上させる行為なのよ」(美輪明宏『生きるって簡単 苦悩の娑婆を生き抜く法華経の力―美輪明宏の悩み相談室』佼成出版社 208頁)
宗教を端的に「企業」と言い切っているところは、見事な慧眼ですね。
まさにその通りです。
企業ですから、利用者としては、必要な時には利用するけれども、必要なくなったら利用しない、というだけのことですね。
ところが、組織宗教団体は、構成員がいなくなると財政的に苦しくなるため、教義を悪用し、構成員を脅しにかかります。
この時点で、本来の信仰から全くかけ離れてしまいます。
このような組織宗教団体は偽物ですから注意しなければなりません。
実のところ、ある一定の知識さえあれば、あとは自分で学んで深めていきながら信仰ができるものです。
美輪さんの言うように、本来の信仰は、自分自身を信じ仰げるようにするために自己を鍛錬し向上させることです。
決して、他者を信じ仰ぐことではありません。
この点は、特に注意しなければなりません。
組織宗教団体の有用性は最初だけといってよいでしょう。
そうであるからこそ、組織宗教団体としても、相当のサービスを提供し続けない限り見捨てられます。
企業と同様、一生懸命に顧客サービスに努めなければなりません。
そうでない組織宗教団体は、これまた企業と同様、いずれ潰れていくでしょう。
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