以前、新聞に英語の言葉が紹介されており、いい言葉であると思っていた言葉があります。
Watch your thoughts, they become words.
Watch your words, they become actions.
Watch your actions, they become habits.
Watch your habits, they become character.
Watch your character, it becomes your destiny.
あなたの考えることに気を付けて、考えることは言葉になります。
言葉に気を付けて、言葉は行動になります。
行動に気を付けて、行動は習慣になります。
習慣に気を付けて、習慣は人格になります。
人格に気を付けて、人格はあなたの運命を形作ります。
人の「運命」が形作られるまでには、順番があるようです。
確認してみましょう。
「考えること」→「言葉」→「行動」→「習慣」→「人格」→「運命」
いきなり、「運命」が決まるわけではなく、自分自身の内部にある「考えること」がそもそものスタートということですね。
「考えること」は、まだ、外部に表れていないことですが、外部に表れていないだけに油断してしまいがちなところといえましょう。見えないところに注意することが重要ですね。
「考えること」は、いつまでも内部に留まることなく、「言葉」として外部に放出されます。
つい出てしまった「言葉」は、その人の「考えること」を反映しています。
自分の発した「言葉」が自分の「考えること」とは違うと言い訳をしたくなるときもあるでしょうが、言い訳は、所詮、言い訳に過ぎず、やはり、自分の「考えること」から出てきたものと認めなければなりません。
言霊といわれるように、「言葉」は繰り返し発せられると、その「言葉」を実現しようとして「行動」に移っていきます。
「行動」が積み重なると、その「行動」が固定化され「習慣」になっていきます。
意識的な「行動」から無意識的な「習慣」になっていくわけですね。
「習慣」になってしまうと自分自身でその「習慣」を注意するのが難しくなります。
「習慣」は、単なる「習慣」に留まらず、その人の「人格」になっていくというのですから、大いに気を付けなければなりません。
しかし、この段階になってしまうと気を付けるにも、無意識の次元に至っており、どうにもならないというのが実情でしょう。
「人格」は、その人の個人という次元を超え、世界とその人との関係性を決定づける「運命」に至ります。
宿命ともいっていいと思いますが、その人の人生そのものが決定してしまうわけです。
このように考えていきますと、「習慣」→「人格」→「運命」の段階では、どうすることもできません。
何事も早めに手を打っておくことですね。
つまり、「考えること」→「言葉」→「行動」という段階で注意をしておくということですね。
特に、「考えること」はそもそもの始まりですから、気を付けておきたいものです。
その上で、「考えること」をより良くするために、素晴らしい先人の「言葉」や「行動」に学ぶことですね。
端的にいえば、古典を読み、歴史に学ぶということになります。
上記の英語の言葉は、出典が明らかではありませんが、多くの人々に紹介されています。
同じように簡潔で鋭い指摘をする言葉をまとめたものとしては、『ブッダの真理のことば・感興のことば』(中村元訳 岩波文庫)があります。
どのように「考えること」が良いことなのかを教えてくれる本です。