「法」という漢字は、「氵」と「去」から成り立っていますが、「法」は略字であり、本字は「灋」です。
「灋」という漢字は画数が多いので、大きくしてみましょう。
「灋」
本字の「灋」は、「氵」と「廌」と「去」との三つの字が合わさったものです。
それぞれの字の意味を見てみましょう。
「氵」
さんずいで水をあらわし、水平にする、公平な水準という意味があります。
「廌」という字も画数が多いので、大きくしてみましょう。
「廌」
「廌」(チ)(タイ)
人の正邪を見分けるという神獣。
正直でない者に触れるという神獣。
訴訟中の不正な人を角で突くという神獣。
羊に似ている一角という想像上の獣にかたどった字。
西洋でいえば一角獣といわれる「ユニコーン」のような想像上の動物ですね。
「去」
悪を去る。
上記の三つの字を合わせた「灋」は、神獣にふれさせて公平に悪をとり去る刑罰という意味になります。
人や物事を公平に見て、人や物事の正邪を見分けて邪悪をあぶり出し、そして、その邪悪をとり去る、ということですから、冷静さをあらわしていると共に、非常に能動的な、活動的な感じも与えます。
「氵」で公平さをあらわすところなどは、静かな感じであり、「法」という漢字のイメージ通りですね。
しかし「廌」となると想像上の神獣まで出てきて、邪悪な人を角で突くわけですからドラマチックでさえあります。
また、「去」も、ただ単に去るというのではなく、悪をとり去るという困難な大変な行動をあらわしており、力強さを感じさせます。
権力の香りがしますね。
「法」といえば、決まりきったもの、固定的なものというイメージもありますが、全然違いますね。
深い意味があります。
本来の漢字の意味を知ることは興味深いですね。