2月24日の米国株急落が引き金の世界同時株安連鎖
今回の新型肺炎に伴う世界同時株安暴落の連鎖は、突然の米国株の千ドル(ダウ▲1031ドル)を超す急落から始まった。
そして、連日の大幅な米国株の続落で世界の株式市場を震撼させ世界株安連鎖を招いている。
新型肺炎の不透明感が市場心理を冷やしている
確かに新型肺炎は間違いなく世界中に波及しており感染者数も連日増加しています。特に韓国やイタリアでは千人を超える感染者数となりWHOも注意喚起し危機感を募らせています。日本では、武漢からの帰国者やクルーズ船乗船者の感染者に加えて各地に感染者が増加し、マスク問題やら学校の休校、催し物中止などと封じ込めに躍起となっている状況で不安感が増幅されています。
従って、先行き不透明の中市場心理も冷え切り買い手不在の状況となっています。
それにしても下げ過ぎではないか?
もちろん、新型肺炎の各国への広まりと経済に与える影響についての先行きが見通せないことが、最大の原因であることは間違いないのですが、過去の大暴落の歴史的をみてもこの一週間の下げの大きさは、急激かつ大きすぎるのではないか、過剰反応ではないかと感じてしまいます。
果たして新型肺炎の実体を反映したものなのか、今後の経済に与える影響を正常に反映したものなのかということを考えた場合、少々行き過ぎなのではないかと考えたくなります。この急激な暴落の大きさは過去の暴落と照らし合わせても下げ過ぎではないだろうかと考えますが?(順調に上げてきたために反応が大きいのはやむを得ない面があるとは思いますが。)
米国の反応は新型肺炎の実態、影響を正常に反映したものか?
新型肺炎は、昨年12月8日に武漢で原因不明の肺炎が発生したと報じられ、年明けの1月7日に重度の新型肺炎とされました。
しかしながら、下のチャートをみればわかりますが、米国株は、その翌日の1月8日には大幅高を続け、ついに1月17日には市場最高値29373ドルを付けて好調の様相を続けていました。
その後は若干下押し、1月31日にWHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言を発した日こそ大きく下げはしたものの、その翌日から再び上伸を続け、2月12日には再度29568円という市場最高値をつけました。
このように2月の中旬までは米国株は新型肺炎の影響をものともせず躍進を続け世界株価も同様の状況でした。
ところが、2月24日に米国株市場は急変したのです。
24日に1031ドル安、25日879ドル安、26日123ドル安、27日1190ドル安、28日357ドル安と5日連続安で、一週間で3583ドル安、実に12.3%安の急激な大暴落に見舞われたのです。
12日の市場最高値29568円からすると28日の安値24681ドルまで実に16.5%の急落を演じたのです。
このため、一挙に世界の株式市場が連鎖安を起こしてしまったのです。
米国株のこの下は過去の例からも過剰すぎないか?
米国株の大暴落は、1987年のブラックマンデー、2008年のリーマンショックなど実体経済の悪化を映して招いたものでした。
しかしながら、この新型肺炎の実態経済への波及はまだ未知数です、間違いなく、いろんなところに兆候は表れていますが果たしてそれがリーマンやその他のものに匹敵するものであるかどうかはよく見えていません。
アメリカのこの急激な暴落は、新型肺炎の景気に対する影響に対して果たして正常な動きなのであろうか?
米国株は、いつも警戒感を強気にかえ、株価は、上昇を続けてきただけに、一旦崩れるとなだれ現象が起きやすい状況であることは間違いないと思われます。また、米国市場は、ファンドがここぞとばかりに仕掛け的な売りを掛けて稼ぐ土壌でもあります。
米国株に下げ過ぎの兆候が見えないか?
下のチャート―を見てわかるように、米国株は、一昨年10月にも急落相場があり10月5日の高値26951ドルから12月28日の21712ドルまで約2か月かけて5239ドル安の約20%弱下落しています。
今回は、5日間で3583ドル安の12%下落、12日の市場最高値29568円からすると16.5%の急落を招いたことになります。
実体経済への影響を考えた場合、今の時点で織り込み過ぎではないでしょうか?新型肺炎の封じ込めが功を奏しこれ以上深刻な事態が多発しないならば、経済への影響は最小限にくい止められるものになるのでは?
ここで下の米国株のチャートをみてみると、一昨年と今回の株価急落時の出来高急増と下値かい離率の大きさが類似しており、前回と同様に転換点を意味していないか?つまり、下げ過ぎの兆候がでていると見るのは早計でしょうか?
株価急落を心待ちにされていた個人投資家にそろそろかいの準備が必要かも知れませんね?
世の中もまさに新型肺炎の脅威に揺れ動き、正に不安の淵にあります。
しかし、こんな時こそ冷静に市場を見るべき時に来ているようにも思えます。こんな時こそ、過去の暴落時のことを研究するとよさそうですね。
直近では、リーマン、サーズ、大惨事の東日本大震災等が原因で大暴落で不況感にあふれていました。
今回はどうだろう?確かに、原因究明も治療薬もまだ未解決。しかし、懸命に封じ込めの動きが功をそうしていることは間違いなさそう。また、治療薬がなくても重篤に至らず回復している人が圧倒的に多いことも今のところ幸いか?
米国株が新型肺炎の影響力に反応して突然暴落始めるや世界の株式市場を震撼させ「米国発暴落のパンデミック」に陥ってしまった。
最後に
今後も新型肺炎による株式市場への影響について観察していきたいと考えています。
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