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良い会社と悪い会社の見分け方

僕が学生の頃、合同説明会である企業の話を聞いた時、良い会社は靴のかかとを見れば分かる、と語った企業があった。その人いわく、靴のかかとが潰れている従業員がいる会社は、仕事が暇だから靴を脱いでいる。そして用のある時だけ靴を履くからかかとが潰れると言う。スリッパを履く会社はもってのほからしい。
その時は、なんてすばらしい話を聞いたものかと思ったが、今改めて考えると、まあ、その人の言い分も分からなくはないが・・・といった感じだろうか。

確かに営業職や新聞社など足を使って仕事をする企業は靴を脱ぐ暇がない方が忙しくていいだろう。
しかし、デスクワークや僕みたいなSEといった技術職はむしろ逆だろう。忙しくなればなるほど一日中パソコンから動けない方が多い。こんな時はよりリラックスするためにスリッパを履いたり靴を脱ぎっぱなしにしたりする。

靴のかかとで良い会社と悪い会社を言い当てるとは、就職したい学生にとってはユニークで印象的な企業に映ることだから、会社説明会の戦略としては当たりだろう。

しかし、本当に良い会社と悪い会社を考えた時、それは正しいのだろうか?
僕が考える良い会社と悪い会社の見分け方はいくつかあるが、その中の一つはホームページだ。
ホームページが充実していない会社は良い会社とは言えない。
もちろん、すべてがそうだとは言わないし、そもそも良い会社と悪い会社とは、人それぞれ考え方が違うだろうから、線引きするのも変な話だが。

ホームページが充実していない会社は、まず現状に満足している向上心のない会社だ。この世の中ネットでの宣伝が有効なのは分かり切っている。にもかかわらずそれを利用しないのは、今のままでよい、そこに力を注ぐのは面倒だ、もしくは力を注ぐ余裕がない。といった理由だろう。いずれも新しいことをやろうとする意識がない。向上心があれば、多少労力がかかっても、経費がかかっても、新規顧客、新規人材確保の面で有益になることを想定した活用が思いつくはずである。
最終更新日が現在の姿である。数か月も更新のない企業は何も変化のない証拠である。変化がなければ大きくはならない。大きくならなければ、空きが出るまで採用はない。顧客が離れれば仕事がなくなる。そういうことである。

次にホームページが充実していない会社は採用に積極的ではない。形式だけの採用募集と書いてあっても、実質は採用するつもりはない。考えれば分かることだが、採用希望者は知り合いがいない限りホームページか会社説明でしか企業のことを知り得ない。僅かな情報の中で、その企業に興味を持つだろうか?
僕が「これはないな」と感じたホームページの一つが、アットホームを売りにしている会社で従業員の写真が掲載されていないことである。これから一緒に働こうとする人間の顔も分からず、なぜアットホームだと言えるのだろうか? アットホームを売りにするくせに、なぜ写真の掲載を拒むのだろうか? そんな会社のアットホームなんてとても信用できない。
しかしまえ、たとえ興味がなくても、信用がなくても、就職難な現在、採用希望者は現れるだろう。しかし、僅かな情報の中で無理やり志望動機を探しだした応募者の中にいい人材がいるだろうか? こんな会社は数年に一人の逸材が現れたのを、「やっと我社に適う人材が現れた」と言って自分たちの不甲斐無さを棚に上げているのである。

最後にホームページが充実していない会社は、仕事が減る。特に僕が感じるのは、ソフト会社なのにホームページがダサいことである。僕がSEだから余計に気になるのかもしれないが、ソフト屋のホームページがダサくて誰が、仕事を頼む? 技術力が自慢などというキャッチコピーを誰が信用する? ソフト屋であればある程度の見た目に拘ったホームページを用意しなくては、逆にない方がいいとすら思う。あと、広告会社もダサいホームページは厳禁だろう。斬新なデザイン。豊かな表現力。今までにない広告を。なんて誰も信用しないだろう。ホームページを作るからには、最低限の見た目と内容を提供しないと、商談にすらならないと思う。

以上、良い会社と悪い会社の見分け方。
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