スタバで合流しました。
後輩くんは、すでに到着しており、キャラメルマキアートを注文してました。私も注文すべく列に並んだは
良いのですが困ったことになってしまったのです。
スタバを待ち合わせの場所に指定したのは、誰に聞いてもまあ良い選択だと言ってくれるでしょう。
しかし、今までスタバに限らず、こう言う小洒落た店で自分で注文なんてした事はなかったのです。
ランチというか昼飯は、ほとんど蕎麦屋か定食屋です。まあ、メニューが縦書きのところですね。
たまに妻と買い物に出掛けて小休止となった時にコーヒーショップみたいなところには行きますが、
注文は妻に任せてばかりだったので注文の仕方がわからないのでした。それで困ってしまったのです。
まず、コーヒーの種類が多いし、カタカナなので言いにくい、それでアイスかホットを選び、最後は
カップのサイズでしたかね。
これはまずいと思ったので、自分より前の人の注文の仕方をしっかりと見て真似ようと思った
のですが、何だか難しそうなのでキッパリと諦めることにしました。
しかし、私には秘策があったのです。それは、こういう追い込まれた状況でも切り抜けることができる
魔法の言葉でした。それがあるので妙に落ち着いていられました。
自分の前の人が注文し終わるや否やすぐに店員に「同じものを」と魔法の言葉を放ったのでした。
我ながら完璧だと思っていましたが、店員もお客さんも「えっ!」となってました。
魔法の言葉が通じん?いや、そんなはずはなかろうと悪びれることもなく「だから、同じものをください」
ともう一回言うと店員は言葉の意味を察したように「わかりました。エスプレッソアフォガートをホットで、
サイズはトールでよろしかったですか?」と言ってくれったので注文はクリア出来たのでした。
「何の呪文だよまったく!」とブツブツ言いながら注文したコーヒーを持って後輩くんの待つ席にやっと
戻ったのでした。後輩くんは雑誌を見ていたらしくこのアカデミー賞級の寸劇は見てなかったようでした。
席に座るなり、すぐに「フルマラソンの大会どこに参加するか決まったの?」と聞くと後輩くんは
コーヒーを一口飲んでから「決めましたよ」と言ってから、マラソンの月刊誌を開いて、ここですと
指差したのでした。
そこには「勝田全国マラソン大会」と書いてありました。「勝田?茨城県の勝田か」と言うと早速チェックが
入ったのです。「先輩、イ・バ・ラ・キですよ。イバラギじゃないです。」
どっちでも良かろうと思いながら、「いや、イバラキと言ったけど」と言い張ろうかと思ったのですが
ここは先輩として大人の対応をせんといかんだろうと言うことでスルーして、日帰りか泊まりかの問題に
すり替えたのでした。
大会開催日は1月下旬でした。茨城県の冬の味覚といったら「あんこう鍋」と言う名物料理があります。
これは食わんわけにはいかんだろう。
「これを摘みに熱燗で一杯って最高じゃないか」と頭の中を妄想が駆け巡ってました。
イバラキ・イバラギ問題を避けるために県名は言わないことにして「ちょっと日帰りはキツくないか?」
「仮にも42.195kmのフルマラソンを初めて走るわけだから相当疲れると思うよ」と泊まりたいアピール
をしてみたのです。
意外にも後輩くんは、すんなりと「そうですね。確かに僕も走ったことがない距離なのでどれくらい疲れる
のか、見当がつきません。車で行くとしたら泊まりがいいでしょうね。」との返答でした。
そうです。開催地の勝田までは、高速の常磐道で片道110Kmなので日帰りが無理な距離ではありません。
でも、初めてのフルマラソンで疲れ切った体の後輩くんに運転させるのも酷ですし、交代で誰が運転すると
しても疲れているので手を挙げるものはいないでしょう。
それならば、泊まって温泉に浸かって疲れをとって、おまけに打ち上げが出来たら最高だと誰もが考えること
ではないでしょうか。
とりあえず、金曜日にもう一度ミーティングをすると言うことに決めてこの日は解散…。なのですが、帰る方向
というか帰るマンションまで一緒なのでした。
駅まで歩きながら(昼間のミーティングは伏せておくことにして)、今日、ランチに行った時、偶然、チームの
赤井と黒木の二人と一緒になって、挨拶がわりに「最近、どう走ってる?」なんて話した時にその二人から実はフルマラソンに申し込んだんだと言う話を聞いたと伝えたのです。
さらに彼らが言うには、あと木田と田代と青木もフルマラソンを走っても良いような話をしてたと吹き込んでおきました。
駅に着くとちょうど帰りの電車が到着するアナウンスが聞こえたので、ちょっと小走りで階段を上ってホームに
滑り込んだのでした。
電車は、午後9時を過ぎていたのでそれほど混んではいないのですが、当然座れはしません。
電車が動き出してから、さっきの話の続きをしました。
その3名が本当にフルマラソンを走りたいなら誘っていいかを尋ねました。後輩くんは、「もちろん良いですよ」と嬉しそうでした。
「じゃあ、5名ですね。僕の車を使いましょうか?」とのせっかくの後輩くんからの申し出なので有り難く受ける事にしました。後輩くんの車は8人乗りのワゴン車なので5人とそれぞれの荷物があっても余裕です。
あとは、ホテルか旅館なのですが、これは私の方で予約する事にしました。後輩くんに全てを任すのも気が引けるというか、先輩としてはね。思うところがたくさんあるのでした。
で突然、思い出したことがありました。これは、後輩くんに聞いておかねばならん大事なことです。
「泊まるなら、晩飯はあんこう鍋のセットでもいいか?」
<次回に続く>
【公式】スポーツ用品総合通販ならスーパースポーツゼビオ