なんと言って釈明しようかと頭を悩ませていました。
同僚たちからは、状況を探ってきてくれと頼まれたのでした。
それがどうして、「フルマラソン参加でいいよな!」なんて言えるわけが有りません。
いっその事、「しらばっくれるのも手かも知れない」と思いましたが
そんな時間稼ぎを長く続けることは無理でしょう。
勘のいい(悪知恵が働くとも言うらしい)私は、はたと気付きました。
「探ってきてくれ」とは頼まれたが「止めてくれ」とは誰も言っとらんかった。
と言うことは、走ってもいいかなと言う気持ちがほんの少しはあるって事かな。
ここは、後輩くんの味方になって説得する側に回った方が良いのではないかと
悪魔の囁きが聞こえました。
流石にそれはまずいだろうと思いながらも抗うことはしませんでした。
そうです。ダークサイドに落ちてしまったのです。
ちなみに魔が刺すと言うらしいです。
悩み抜いた休日は終わり、月曜日、出社の時を迎えました。
前にもお話ししましたが、私と後輩くんとは、同じマンションですが、階が違いますし、
会社の部署も違います。
部署が違うと私たちの会社は今流行りの時差出勤をやってますので出勤時間も違います。
なので私と後輩くんの出勤の時間が同じになることは、まず有りません。
そういうことで朝から駅で顔を合わすこともありません。
別に会いたくないとか、避けているわけではないので誤解のないように!
会社までは、乗り換え2回を含んで所要時間が1時間20分です。まっ、考える時間は
たっぷりあるので電車の中で休日中に考えた説得?の流れをおさらいする事にしました。
まず、すでに参加予定の大会を2つくらいに絞っていること、泊まりか日帰りか
どちらがいいかを俺たちに聞きたいと言っていたこと、打ち上げは大会終了当日に
セットしておいた方が良いかなどを聞かれたと報告する事にしました。
ここからです。
「一部を除いて、ほとんどみんな走ることが苦手で、10kmって距離にビビってた
よな。」と過去を振り返らせます。
「でも、後輩くんのおかげで何とかハーフマラソンまで、怯える事なく走れるように
なったじゃないか」と後輩くんのチームへの貢献度をアピールします。
まだ、恥ずかしくて市民ランナーなんて言えないけれど、走った距離は裏切らない、
せっかくなら限界に挑戦するのも良くないかと提案する流れです。
最後に強制じゃないから、走りたいと思うやつだけ参加でいいと告げて
でも、後輩くんは寂しい思いをするかも知れんなと言って締める。
何と言う事でしょう!(ビフォーアフターかよー!)
後輩くんを傷つけずにしかもちゃんと役目は果たしたように見せることが
できてる。ナイスです!監督!(村西さん?)
「人生いろいろ、晴れの日もあれば雨の日もある。やまない雨はない!」
いや、なんか変だな。
と言うことで出社して、真面目に勤務しつつ、チームのみんなにメールを送信して
おきました。内容は「ランチ後に屋上集合!」です。
でも、後輩くんのメールには退社後に駅前のスタバに集合としておきました。
一緒だと私の思惑通りに進められませんからね。
幸か不幸か、チームには後輩くんと同じ部署のものはいませんので、バレる心配も
有りません。
あっという間に昼休みです。
ランチを立食い蕎麦で済ませて急いで会社に戻りました。屋上に行くと、すでに全員揃ってました。
早いなと思って聞くとミーティングのメールを見てランチはコンビニの弁当にしたようです。
早いわけです。なんせ向かいのビルの1階にあるんです。
で、現在の進行状況を説明しました。
すると、「打ち上げは後日がいいんじゃないか?」とか「当日は走り終えて疲れてるよ」とかの
意見が出されました。
えっ、そこじゃないだろう。キミら走る気満々なん?と私は目が点でした。
だったら話は早い!
打ち上げはさておき、フルマラソンへの参加希望を聞いたら3名が手を上げました。
私と後輩くんを加えると5名になります。チームは全員で9名なので、5割をこえてます。
これで十分なのですが、最後の決め台詞をブチかまして追加で何名かを取り込もうと
口を開こうとしたその時です。
私よりハーフのタイムの遅い2名が、「俺たちはもうフルマラソンにエントリーしたから
後輩くんのは遠慮しとくよ。」なんて言うじゃないですか。
何ですとー!聞いてないよー!
と言うことは、参加大会は違うけれど9名中7名がフルマラソンを走ると言うことになります。
これって凄いですよ。しかも全員が初フルなんです。
「わかった。じゃあ、参加希望者だけ残って解散!」と言うしかありません。
残った4名でミーティングの続きです。
で、打ち上げは当日がいいの?
<次回に続く>
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