さて、スタートはしましたが、密集しているので歩きながら
スタートラインを越えるという。
マラソン大会では「あるある」で、いつものことです。
ここから500mくらいはだんご状態なので、ジョグスピードです。
これも仕方ありません。
1Kmくらい走れば自分のペースで走れるようになります。
それでも追い抜く際には人と人の間を縫うようにしないと
前に出ることはできません。
確かに天候には恵まれた大会になったのですが、ランナーには
ちと暑く感じる気温でした。
(20℃を超えていたような感じでした。)
スタミナに自信がないので、と言うより走り込み不足なんです。
それで、最初の10Kmは押えぎみに走ることにしました。
自分で計画したとおりに走れていました。ジョグに毛の生えた
くらいのスピードではありましたが・・・
時折、腕時計を見ながら関門の時間をチェックしてました。
また、沿道の応援の人たちを見たり、自分の前後左右のランナーの
動きを見たりと周りを観察しながら走れてました。
そして、カメラのマークのあるところでは笑顔でVサインを
怠りませんでした。
こうしてみると実に冷静に走ってますよね。
それもこれも膝の痛みがなかったからです。
そうなんです。10Kmを過ぎたあたりでは、このまま最後まで
行けるんじゃないかと思ったものです。
でも、世の中は無常です。自分の思った通りに事が進むなんて
ことは少ないです。
オーマイ、スパゲッティ!
いや、失礼、オーマイガー!
20Km手前から膝の違和感ではなくて、スピードが上がらんのです。
そして、左足のつま先付近が痛い!
20q手前と言っても18Kmくらいのところです。ハーフまで3Kmくらい
も有ります。
痛さに耐えきれず止まって、足の状態を確認して、また走るということを
繰り返すしか有りませんでした。
「棄権」というワードが浮かんでは消え、消えては浮かびます。
もう、ボロボロです。
でも、「痛みに耐えながら、よく頑張った!」そうです。
いや、ちと違うか。
貴乃花が満身創痍で優勝した時の小泉元総理の表彰式での
言葉とはいろんな意味で違いますね。
なぜかというと関門時間まで何分あるのかを暗算してましたから
精神的な余裕はあったんでしょう。^_^
暗算の結果、ギリギリで通過ということはなかったので、なんとか
ゴールできると見積もってました。
ほとんどがフラットなコースですが、いくつか難所があるのです。
例えば熊本港方面へ向かう直線道路では、毎回、向かい風に飛ばされそうに
なりながら走ることになります。もちろん、今回も風は強かった。
ここは見通しが良いのですが折り返しがなかなか見えない。
食べても食べても減らない漫画盛りのご飯みたいなもんです。
うん?違うか?
例えが悪いですね。どうかご容赦を!
もちろん、最後のゴールまでの上りも辛いです。
最後の最後ですよ。
考えた奴は鬼だな。とても、人間の所業とは思えない。
でも、交通事情やゴールに設けるいろんな設備や収容人数等々、
いろんなことを考えてのことなんだというのはわかります。
でもね。膝が上がらんのですよ。足が痛い!
はいはい、おっしゃる通りです。足が痛いとかは個人的なことですよ。
どうせ負け犬の遠吠えだとわかってますがね…
えっ?遠吠えしとらんがな。
いや、そんなことはどうでもいいんです。
せっかく、カミさんが馬肉ハンバーグを奢ってくれたと言うのに
力を出しきれず、こんな醜態は見せられんな。
なんてことを考えながらも走っては歩きを繰り返すしかないのでした。
体も冷えてきたりして、いろんな不調が襲ってきます。
特にオナラには困るんです。
オナラをするために立ち止まるわけにもいきません。
そうです。沿道には応援の人がいるんです。
どうするかというと特別な技などはありません。
”走りながらぶっ放す”これしかありません。
周りのランナーは、ほぼイアフォンを装着してますからね。
デビルイアーでない限り、音は聞こえんでしょう。
そんなこんなで、知らんぷりして、ぶっ放す準備をしていたら
後方から、〇〇さーん!と声が聞こえます。
確かに私の名前です。
危ない!もう少しで実が出るとこだった。_| ̄|○
恐る恐る声の方を見ると、なんと後輩同僚がいるではありませんか?
なして???
束の間、状況が飲み込めずにいましたが、彼が熊本に転勤したのを
思い出しました。
彼の声援に応えて、見えなくなるであろう地点までは痛みに耐えて走りました。
もちろん、笑顔です!
オナラをしようとしてたなんて微塵も感じさせない
満面の笑顔ですよ。
<次回に続く>