2011年03月15日投稿。
※投稿時より過去の作品です
※大学時代初期に運営していたサイト「ゆづきあかつき」に載せていた作品です
『欠陥品ノ、人間』
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い、とっても、気持ち悪い。
気持ち悪くて仕方ないから、熱くなったはずの下半身も熱を失った。
何が気持ち悪いのかも分からない。
ただ、気持ち悪くて堪らない。
まただ……。
怖くなった。自分という人間が、人間として、異質な存在であろうことが。
嫌だ。認めたくない。
ばっとその場を逃げ出して、洗面所で出せるだけ全てのものを出してきた。生温い黄味がかった液体に、微かに赤が混じっている。
そこまで吐いて尚、その、言いようのない気持ち悪さは拭えない。
そんなだから、ずっと、独りぼっちのままなんだ……。
苦しくなる。
だくだくと打つ自分の鼓動は、決して興奮の所為じゃない。怖くて堪らない。怖くて、とても怖くて堪らないからだ。
怖くて怖くて堪らない。その行為が、気持ち悪くて堪らない……。
いや、違うな。
そこまで考えて、ずるり、崩れるように壁に凭れかかった。
その、行為が、じゃない。
ははっ、
笑いがこみ上げてくる。
自分という、欠陥品の、人間に。
ははっ、はははっ、
笑い出したら止まらない。先ほどまでの気持ち悪さを何とか打ち消そうとするかのように、勝手に出てきて止まらない。
ははっ、はははっ、
はははははっ、
違う、違う、違う違う違う違う。
あぁ、そうだ。自分は、人間として、異質で、異物で、欠陥品で。
あはははははっ!
涙が、零れ落ちた。
熱が恐ろしい。他人の熱の上昇が、触れて、傍にあって、とても、気持ち悪い。
求めていないわけじゃないのに、
その温もりが、
気持ち悪くて、堪らない。
あぁ、ねぇ、神様。残酷なのは、分かっていたけど、こんな、こんな欠陥品を生み出したりしてさ、
「そこで、この異物を嗤ってるんでしょ?」
空に向かって吐き出した言葉は、決して誰にも届かない。
あぁ、そうだね。
届けたい人も、見つからない、ね……。
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