2015年04月10日投稿。
過去メモ。
二年前の一月半ば。
何をしてて書いたか分からないプロローグ。
物語は動かない。
永遠に。ね。
空は紅かった。
空気は濁っていたように思うし、それを肯定するかのように息苦しかったのを覚えてる。 あんなに綺麗な空なのに、鳥は一羽もいなかった。
星は既に消えかけていて、だけど、目を凝らすとまだそこにあって。
僕は深く息を吸う。
上手く酸素が肺に取り込めない。苦しくて苦しくて、自然、息も浅くなる。
何処かで鐘が鳴った。
時計塔の鐘だ。
ごーん、ごーん、ごーん、
規則的に何度か鳴ったそれは、もう朝が近いことを告げていた。
かえろう?
僕は頬を緩める。
君に向かって。
ねぇ、かえろう?
君の声は返ってこない。
それに僕の鼓動は速くなって、ねぇ、ねぇ、ねぇってば、何度も何度も繰り返した。
本当はずっと前から分かっていたのに。
息が苦しい。
空は紅い。
君は目の前にあるはずなのに、何も返しはしなくって。
息は苦しい。
鼓動は走る。
僕は泣きそうになる。苦しくて、苦しくて、苦しくて堪らない。
ねぇ、ねぇ、ねぇってば。
僕は何度も何度も繰り返す。
そうすれば、君が答えてくれるんじゃないかって。そうすれば、君が笑ってくれるんじゃないか、って。
どんっ、 どこかで鐘が鳴る。
そして僕の後ろから、ふんわりとした声が聞こえる。
次の瞬間、鈍い痛みに僕は呼吸を忘れた。
満たされることのない肺が悲鳴を上げて軋む。 ぎしっ、ぎしぃっ、
そうして僕は、僕を失った。
空が紅い。
あぁ、もう、朝だ……。
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