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2019年08月23日

【仮題】「仮面とこころ」

「無意味な言葉が僕の翼になる」より。
2011年01月04日投稿。

※投稿時よりも過去の作品です




仮面舞踏会ですか?
いえ、違いますよ
暗い暗い夜の闇から切り取って、宮殿だけが輝いている
君は誰?
一様に仮面で素顔をひた隠す、ここには虚像しか存在しない
君は、君は?
次々に声を掛けては顔を背ける
君は、誰?
隠された素顔が見たいんじゃない
ただ、一夜の夢に堕ちたいだけ
踊りませんか、僕と輪舞(ロンド)を
差し出された手を覆うシルクの手袋
真実覆われているのは、本当という感情
偽者の笑顔を浮かべながら、仮面の男は独りで踊る
煌びやかなシャンデリア
端でアーチを作る真白きテーブル
敷き詰められた紅の絨毯
濡れているのは、心臓(こころ)に刺さったナイフが痛むから
そう、今夜は仮面舞踏会
被っていなくとも素顔は見えず、嘘の笑みという仮面を被る
お気に召しましたか、お嬢さん
どこからかもったいぶった声が聞こえる
それに応えてふんわり笑うお嬢さん
けれど、そこに本当の感情はなく
虚ろな声がホールを満たす
流れてくるのは耳に凭れかかる不協和音
詠っているのは、孤独という名の悲しい歌い手
メロディに合わせて足を踏み鳴らし
ただ、一夜の夢を踊り狂う
詠え 歌え歌え歌え歌え
詠った感情(こころ)が壊れてしまわぬように
踊れ 踊れ踊れ踊れ踊れ
それこそ精神(こころ)が壊れてしまうほどに
虚ろな夢は、眼前で踊るが手には掴めず
踊っているのは、賢者より賢しい道化
たった独りステップを踏みながら、彼は仮面の下で嗤っている
世界を見下し嗤っている
嗚呼、君の見た世界の如何ほどが、僕の生きる世界なのだろう――


『虚ろな仮面と心臓(こころ)の鼓動を詠う』






タグ:2011
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