2010年12月13日投稿。
それは暁も待たない寒い夜
あの人は独りぼっちでした
井戸の端でぼんやり眺めている
それしか出来ぬこんな身で
狐はけんけん泣きました
たまに井戸の端にお魚が置いてあるので
これは本当に自分のためか
いぶかしがりながら
やはり嬉しく
狐はけんけん鳴きました
ある暗い朝
まだ暁も待たない寒い夜
狐はお礼に花をくわえていきました
だけどもう
そこに動くあの人はいませんでした
最初
理解出来ずに揺さぶってみたのですが
もう目は開かぬようでした
それを悟って
狐はけんけん哭きました
声を荒げて哭きました
感謝を込めた野の花は
独りでいった身に
手向けるための花となりました
※「無意味な言葉が僕の翼になる」以前の作品 だと、思われる
※タグは「無意味な言葉が僕の翼になる」投稿の2010年でつけておきます
タグ:2010
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