飛騨高山の町並みを歩きながら訪ねる、高山祭の舞台 櫻山八幡宮 参拝の旅です。
夏の暑さを感じる七夕の日、岐阜県を代表する古都 飛騨高山(ひだたかやま)の玄関口、JR高山(たかやま)駅に降り立つ。
駅前東口広場では、水が張られた水盤が涼しい景色を創っていた。
ここから飛騨高山の町並みを散策し、「櫻山(さくらやま)八幡宮」参拝を目指す。
旅の時間で出会う景色に胸を膨らませ、飛騨高山の歴史に思いをはせた。
飛騨高山は、1586年(天正14年)に豊臣秀吉に仕えた武将 金森長近(かなもりながちか)によって築かれた城下町だ。
飛騨の小京都とも言われ、政治と経済の中心地として発展してきた。
京都祇園祭、秩父夜祭と共に、日本三大美祭として知られる高山祭の舞台でもある。
江戸時代の景観をほぼそのままに、懐古的な町並みを今に残している飛騨高山。
旅情の高まりを感じながら、町中を歩き出した。
駅東口から15分ほど歩き、南北に走る宮川を越えると、「三町(さんまち)伝統的建造物群保存地区」を迎える。
多くの観光客で賑わう三町伝統的建造物群保存地区の町並みは、かつて繁栄した時代の光景を彷彿とさせる。
三町や高山陣屋などの名所を巡れば、まるで江戸時代を生きているような感覚に包まれる。
江戸時代の風情を色濃く残す風景が、往年の時代から時間が止まったような、独特な世界を創り出しているのだ。
強い日差しが、暑さと共に街の色彩を鮮やかに見せ、夏らしい景色を創る。
どこからか聴こえてくる涼やかな音色。
歩いて行った先に、町の一角で風を受けて揺れる風鈴を見つけた。
軒下にできた日陰と、風鈴を揺らす心地よい風が、刹那の涼しさをもたらしてくれる。
飛騨高山散策の目的地である櫻山八幡宮へ向かう。
鳥居を通る参道が見えてきたところで、外国人のカップルに声を掛けられ、分からない英語に戸惑いながらも写真撮影に手を貸す。
飛騨高山は、外国人観光客の姿も多く見られ、外国の方からも人気の場所であるようだ。
応神天皇を祀るこの神社は、仁徳天皇の時代に飛騨国に現れた賊を討伐するために、戦勝祈願として創建された。
飛騨地方の宗教的な中心地であり、有名な秋の高山祭の舞台としても知られる。
お祭り当日は、豪華な祭屋台が曳きそろえられ、夜には提灯で飾られた屋台が巡行する宵祭(よいまつり)も行われる。
表参道より一の鳥居をくぐり、二の鳥居を迎える手前左手には、「高山祭屋台会館」がある。
入館料は1,000円と高めだが、高山祭で使われる屋台が常設展示されており、その豪華絢爛ぶりを間近で見学できる。
至る所丁寧に飾り付けられた、風鈴が奏でる音色に誘われながら、境内を進む。
晩夏を迎え、明るい日差しを受けた社殿が美しいたたずまいを見せ、目にするだけで不思議と心が軽くなる。
拝殿の前に立ち、日頃の感謝を祭神にご報告した。
風鈴の音が絶え間なく周囲に鳴り響き、その美しい音色に心霊が浄化されていく。
ひと時が、永遠の時間に感じられる参拝時間。
心が平安に包まれた。
きれいに敷き詰められた参道の玉砂利を踏みしめ、櫻山八幡宮の社殿を後にした。
江戸時代の風情を残す参道に戻ってくると、見えてくるのが、宮前橋の前に構える大きな鳥居。
櫻山八幡宮 大鳥居だ。
キラキラと輝く水面が美しい川の上に、大鳥居はずっしりとした存在感を放つ。
その姿に感動しつつ、大鳥居を潜り抜け、背後を振り返った。
大鳥居を前に一礼して、改めて感謝の気持ちを口にする。
「毎日、見守っていただきありがとうございます」
日本人として大切に守りたい、飛騨高山の景観と高山祭の文化。
旅の余韻に浸る中、またいつかここに帰ってきたい、そんな気持ちが沸き起こる。
心の故郷 飛騨高山への再訪を誓い、名残惜しい散策旅を終え、帰路に就いた。
改稿・編集 会長HT
詳しくは以下のリンクを参照してください。
櫻山八幡宮 http://www.hidahachimangu.jp/sp/index.html
飛騨高山 https://www.hidatakayama.or.jp/index.html
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